| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十八話 幹部候補生学校その十四

「ここはね」
「そっちも面白いわね」
「そうよね」
 二人も僕の話に興味を持って言う。
「幽霊の話って多いからね」
「どの国もね」
「というか日本多い方じゃない?」
「そうした話がね」
「結構以上にね」
「そうかもね」
「そういえば多いかな」 
 僕も言われて実際にそう思った。
「日本は」
「本で読んだけれど」
 ラブポーンさんが僕に言ってきた。
「ええと、越前っていうか福井県で」
「あそこの話だね」
「お城のところで首のない鎧武者の幽霊が出るって」
「ああ、それね」
 僕も言われてわかった、その話のことが。
「馬に乗って空を飛んでるっていう」
「列になってね」
「あるね、それ柴田勝家の話だね」
 織田信長の家臣だったその人絡みの話だ。
「豊臣秀吉との戦に負けて」
「そのお城で自害したのね」
「そう、それで出るて言われてるんだ」
 そうした話が実際にある。
「あそこには」
「そうした話も読んだし。姫路城も」
「あのお城の天守閣?」
 妖怪の総大将の一人おさかべ姫がいるという。
「あそこ?」
「いえ、井戸の方よ」
「ああ、お菊井戸」
「お菊さんの井戸よね」
「そうも言われてるね」
 この話もだ、僕は聞いていて知っている。
「あそこも」
「実際はどうなの?」
「江戸って話もあるよ」
 今の東京だ。
「舞台はね」
「どっちなの?」
「まあ江戸になっていることが多いね」
 物語としてはだ。
「実際のところ」
「そうなの」
「姫路はそうじゃないかもって言われるだけでね」
 そのお菊井戸があるからだ。
「まああのお話は江戸かな」
「東京ね」
「うん、あそこの旗本の家のお話ってなってるね」
 青山主膳という、この名前もよく聞いて覚えた。
「殺されて井戸の中に投げ込まれてね」
「夜になるとその井戸から出て来てね」
 ダオさんも言って来た。
「お皿数えるのよね」
「そうしたお話だよ」
「毎晩そうやられたら確かにくるわね」
「それで最後青山修善も祟りで死ぬんだ」
「そうよね、日本の幽霊らしいわね」
「確かにね」
「ただ、ここの幽霊は」 
 ダオさんはグラウンド、映画の撮影でも使われたことがあって幽霊のお話もあるその場所を見てから話を戻した。
「そうしたお話はないわね」
「そういえば祟るとかないね」
「手旗で死ねとか言ってきても」
「そうしたことはないね」
「日本のよく幽霊じゃないわね」
「そう言われてみるとそうだね」 
 僕も言われて気付いた。
「そのことはいいことかな」
「そうよね」
 そんな話をしながらグラウンドのところにいたけれど佐々木さんや他の案内役の自衛官の人達がこう言ってきた。
「では今度はです」
「短艇の場所へどうぞ」
「あの砲台のところに行きましょう」
 その陸奥の、夜の十二時に動くとかいう砲台のところにだ。
「そこに行きましょう」
「今度はそちらにどうぞ」
「わかりました」 
 僕達は自衛官の人達に応えてだ、そうしてだった。
 その砲台の方に行った、そこでもこの学校を観るのだった。


第八十八話   完


                        2016・4・19 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧