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エクリプス(機動戦士ガンダムSEED編 )

作者:cipher
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第05話 ノイジー・ラン

Side マリュー・ラミアス

光輝
「と言う事でキラ君達はミスリルに仮入隊した。」

マリュー
「と言うことって何も聞いてないんだけど。」

光輝
「それは話してないから。
簡単に話すとこの艦クルーが足りないだろ。」

マリュー
「そっそれは。」

ナタル
「素人では何も出来ませんよ。ミスリルのクルーは無理なのですか?」

光輝
「無理。」

ノイマン
「無理って一言。」

光輝
「正確に言うと金額と特殊任務中。
特殊任務に内容については禁則事項。」

フラガ
「あぅはっ。禁則事項って。
コウキと話していると飽きないな。」

光輝
「ムー、君は自分の任務の事をはなせるか?」

ミリアリア
「ムーって呼び捨て…。」

光輝
「こいつはムーと呼び捨てで構わない。
EX-ギア(エクスギア)を使わせろとか五月蠅く騒ぐ奴に敬称は必要ない。」

フラガ
「あっちゃ、格下げ。因みにムウだ。
まあいいけど、確かに任務の事は話せないな。」

光輝
「ウの発音がめんどい。あだ名と思え。
…。
アドバイザーの意見として聞いてくれ。
学習システムは話したがアレを使う。1時間で使い物に出来る。」

フラガ
「アレ便利だな。売ってくれよ。」

光輝
「非売品だ。売るなら価値からして、ムーの給料では分割でも無理。
コーディネイターより早く学習出来ただろう。」

フラガ
「って俺の給料知っているのか?」

光輝
「大尉なら月〇〇万そこで税金が引かれて」

フラガ
「待て待て、やめろ!」

光輝
「問題ないだろう。基本給だお前は色々と手当てが付いてもっと貰っているだろ。」

フラガ
「あぁもう。
バルキリーだっけ、実際もうベテランレベルだ。」

マリュー、ナタル
「「いつの間に!」」

冷たい視線に、フラガはそっぽ向いた。

光輝
「まぁ。許してやってくれ。
私が止めなかった。
正式名バルキリー VF-25カスタム メサイアは自分でチューンした。専用機だ。
レーダーレンジがアークエンジェルより広い。4時間交替で索敵してもらう。」

フラガ
「4時間交代!絶対に無理。」

光輝
「1日4時間だけだ。訓練と思え。
二人で計8時間、無人で16時間。」

フラガ
「無人で飛行出来るのか?
それも16時間も…。
シミュレーターで燃料ゲージが減らない分けだ。
どんなエンジン積んでいるんだ。仕様がアクセス権限がないって調べらないだろ。」

光輝
「企業秘密だ。
モビルスーツ戦を考慮している。
メビウス・ゼロより高機能だ。」

フラガ
「確かにシミュレーターで12機のジンを落とした。」

「「12機!」」

フラガ
「さぞお高いだろ。」

光輝
「勿論、アークエンジェルより。」

「「アークエンジェル!」」

フラガ
「流石に盛り過ぎだ。せめてストライクだろ。」

光輝
「君はアークエンジェルで12機落とせるか?
キラ君がストライクで今戦闘しても無理だぞ。
私が使えば、被弾しないで軽く50機だ。」

「「50機!」」

光輝
「機数は問題ない。
ザフト兵の捕虜との模擬戦の言葉を覚えているか?
銃撃戦でも相手の構えと射線で素手で戦える。
人数が多くなれば誤射を避けるため隙が多くなる。
対人戦だけと思ったか?」

フラガ
「でも誤射覚悟で特攻されたら?」

光輝
「バカか?相手の土俵で戦う必要ない。
最高速で逃げ切れるし、母艦を落として燃料切れを待てば良い。
そもそもこちらがフリな立場で戦闘するな。
何の為に用兵学があるんだ。
一から教えてやる。
マリュー・ラミアス大尉とナタル・バジルール少尉もついでだ。
二人には艦長の心得と技術もだ。」

ナタル
「私も?」

光輝
「艦長が休憩した時に代理は副官の仕事だ。
学習システムがあるから20時間くらいかな。」

「「20時間。」」

フラガの所為(せい)でとばっちりを受けたマリューとナタルはフラガを睨む。
フラガはバツが悪そうに視線を外す。

光輝
「ムーを責めるな。必ず軍人なら通る道だ。
大切なのは自分や仲間を守る力だ。
自分のミスで仲間死ぬ事を考えたら努力を惜しむな。
私は鬼でない。全員でカバーし合える用に訓練する。
履修した内容はテキストとしてダウンロードしてやる。
報告書に添付すれば余分に残業手当が貰えるぞ。
学習システムについては秘密だから誰も疑わない?
標準学習時間を教えるから請求出来ない残業代は次の機会に取って置けばいい。
出世も早いぞ。
艦長、他のクルーにも周知徹底を頼む。
キラ君達はミスリルの社員待遇で学習システムが前提だ。
残業代は余分に出ない。必要な技能と判断したら技能給や出世も考えよう。
但し地球軍と違ってミスリルの出世は厳しいぞ。」

「「げっ!」」

フラガ
「民間は厳しいな。」

マリュー
「世知辛いわね。」

光輝
「そうでもないぞ!
エンディミオンの鷹殿。メビウス・ゼロとバルキリーどちらを選ぶ。
クリマルディ戦線でジンを5機落とした君の活躍は有名だ。」

フラガ
「良くご存知で。
残念ながらバルキリーだ。」

光輝
「前線に立つ者ほど。命の大切さを知っている。
マリューさん、地球軍にコネで後方勤務や出世している者は?」

マリュー
「残念ながらいるわ。」

光輝
「ミスリルでは今のところ分母は地球軍と比べらない程少ないが死亡率は0だ。
そして正当に能力を評価する。
任務の危険性を判断して98%以上の成功確率に人員と装備の配置を行う。
民間しか出来ない事だ。
軍人は死ねと命令出来る。
敗退戦がそうだ。
軍人の建て前は国民を守る事だ。」

フラガ
「建て前ねぇ。シビアな意見だ。」

光輝
「キラ君達も覚えて置くことだ。オーブ軍に入ったら国民を守る為に犠牲となる覚悟が必要だ。
しかし家族や友達、恋人を守る必要がある時。選択肢を増やす方が良い。
ミスリルが教えているのは戦う技術じゃない。
自分と仲間達を守る技術とその心構えだ。」

マリュー
「真面目なコウキさんを初めて見たわ。」

「「うん。うん。」」

光輝
「心外な。真面目でない時はない。
軽口は心理学者としてリラックスさせている。」

フラガ
「リラックスしないといけない状況は誰のせいだ!」

再度、皆が頷く。

光輝
「見解の相違だ。
まぁこのままでは議論が進まないので次の件だ。
キラ君にストライクを使わせたい。」

マリュー
「バルキリーでなくて!」

光輝
「考えてみよう。
この中で最もバルキリーが上手く使えて前線に立てるのは?」

フラガ
「勿論、専用機だからコウキだな。」

光輝
「ストライクを使えるのは?」

フラガ
「コウキを除くとキラ君だ。」

光輝
「メビウス・ゼロを熟知しているのは?」

フラガ
「そこは上手く使えるだ。俺しかいないだろ。」

「「クスクス。」」

フラガ
「そこ!笑うな。
コウキ前線で戦うのか?」

光輝
「ミスリルでは階級でなく作戦の成功率を上げる為に人員と装備を揃える。
ムー、後で私のシミュレーションを見せる。
それで納得するはずさ。
それで遊撃をムーにやってもらいたい。
キラ君はアークエンジェルの護衛だ。
但し、キラ君は期待値が高いが危険性を多く含んでいる。
安全と判断出来るまで出撃させない。
相手はストライクの姉妹機を4機保有している。
それに相手はクルーゼ隊だ。
4機を強奪したのはザフト軍でもエリートと呼ばれる赤服だ。」

フラガ
「何でそこまで知っている。」

光輝
「捕虜に確認した。」

フラガ
「拷問したのか?」

光輝
「心理学者だと言っただろ。
何の為に捕虜の所に通っていると思うんだ。
心理学者に嘘はつけない。
ムー、君は裕福な家で産まれただろ。
そして両親は…幼い頃に…事故か何かで亡くなっている。
少年時代は…暗」

フラガ
「待て待て、もういい。」

光輝
「分かったろ。心理学者は性格や言葉使いから生い立ちを分析し、
言葉を投げかけ視線や瞳孔、顔の反応や仕草さで心理状態を確認する。
嘘をつく時に目が動いたり、汗をかいたりって聞いた事があるだろ。
心理学者は目のまばたきや、呼吸の状態など無意識化の反応まで参考にする。
相手にかまをかけたりするのは初心者でも出来る。」

マリュー
「ある意味怖いわね。」

光輝
「恐いよ。好きな人の好感度も調べる事も、上司の信頼度や顧客の望む事など。
まぁ、興味あったら学習システムで心理学の入門を履修すといい。
既にザフト軍と心理戦をやっている。
君達を直接立ち合わせせず捕虜に会わせないのも相手に情報を与えない為だ。
アークエンジェルがヘリオポリスを出て行って、ヘリオポリスが攻撃されないと思うかい?
相手次第だと漠然に思うだろ。
ミスリルでは違う。
相手の戦績や戦法を分析し、相手の立場や性格まで判断する。
例を上げれば立場が悪い時ほど無茶や手柄を欲しがるものだ。
ミスリルでもラウ・ル・クルーゼは危険度判定は高い。
それは戦績だけで、危険度判定していない。
その為に保険と情報操作をしている。心理戦の一貫だ。
ムー君の危険度は高くないよ。
優れたパイロット、特に空間認識力はすごく高い。
君が生き残れたのは、決して運が良かったからではない
ただ立場が弱い、いっかいのモビルアーマー乗りでは戦局に大きく影響しない。
マリューさんとナタルさんはノーマーク、前線の実績と経験の少なさかな?
マリューさんは技術畑かな、ナタルさんはこのままだと要注意人物になるよ。
ナタルさんは軍人気質で年齢と階級からして軍人の家系だろ。
君の性格から厳しく育てられた。軍人としては優秀だ。優秀過ぎるのが問題だ。
君が提督なら問題ない。君は艦長になれる。その時君の上官が問題になる。
ハルバートン提督が上官なら問題ない、彼は柔軟な対応が出来る人物だ。
彼はそれが上層部毛嫌いされて、宇宙に放り出された。
腐った上層部程、命令に素直に従わない者を嫌う。
逆に君の様な軍人家系の者は利用し易い。
腐った上層部程、本音を隠して建て前で話をする。
心理学だけの話ではない歴史が証明している。
現状はもっと悪い。
ブルーコスモス、聞いた事があるよね。
その心派が上層部にいる。
ブルーコスモスの盟主、国防産業連合の理事ムルタ・アズラエル名前を聞いた事があるだろう。
政治と軍事力。金で繋がっている。ブルーコスモスは大義名分のプロパガンダに過ぎない。」

「「…。」」

光輝
「何もアークエンジェルの護衛が私の今回の仕事ではない。ヘリオポリスを守ることも仕事だ。」

フラガ
「ミスリルを敵に回したくない。」

光輝
「賢明な判断だ。
それで艦長、キラ君達の配置とストライクの使用。
許可の貰えるかな?」

マリュー
「許可します…。」

光輝
「ありがとう。
ミスリルは期待を裏切らない。
時間も少ない。最終準備に入ろう。
キラ君達にミスリルの制服を用意している。
部屋に行こう。」

光輝はキラ君達を連れて艦橋から出て行った。

フラガ
「どう思う。」

マリュー
「少なくても今までの実績と言動は正しいと思うわ。」

ナタル
「彼の作戦プランを読みましたが、良く出来ていました。
少なくとも脱出には問題ありません。
ヘリオポリスの事は我々ではどうすること出来ません。
ミスリルの対応を任せましょう。」

Sideout



Side ラウ・ル・クルーゼ

アデス
「敵新造艦が出港して行きます。
ミスリルの艦と思わしき艦は宙域に留まる様です。
救命ポットの側に1機のモビルアーマーが付いていますが我々の艦を警戒しているようです。」

オペレータ
「救命ポッドからの通信です。
ミゲル以下7名が搭乗しているそうです。
ラスティが負傷していますが、治療されていて命には別状ないとの事です。」

クルーゼ
「ここまでは約束通りだな。モビルスーツの発進準備はさせて置け。」

アデス
「まだ追うつもりですか?…しかしこちらには既にモビルスーツは…。」

クルーゼ
「あるじゃないか。地球軍から奪ったのが4機も。」

アデス
「あれを投入されると?」

クルーゼは頷く。

アデス
「しかし…。」

クルーゼ
「データを取ればもうかまわんさ。使わせてもらう。宙域図を出してくれ。
ガモフにも索敵範囲を広げるよう、打電だ。」

オペレータ
「敵新造艦発進!初現…解析予想コース、地球スイングバイにて月面、地球軍大西洋連邦本部!」

アデス
「…んっ。」

クルーゼ
「我々は動けん。コースと速度を監視しておけ。」

オペレータ
「ミスリルから通信、救命ポッドの護衛にジン1機の発進を許可するとの事です。」

クルーゼ
「あっはっは。余程自信があるようだ。
相手の言葉に甘えるかジンを1機だせ。捕虜の確認とミゲル達の通話を中継させろ。」

偽装ではないことを確認し、1時間待機していた。

オペレータ
「ミスリルから通信。捕虜を解放する。救命ポッドの回収されたし。
ミスリル艦とモビルアーマーがゆっくりと移動開始。解析予想コース、進路アルテミス。」

クルーゼ
「それは囮だな。
捕虜の収容を急げ、収用しだい艦を発進。ミスリル艦を追え。」

アデス
「新造艦をじゃないのでありますか?」

クルーゼ
「もう追いつかんよ。月方面の軍に警戒させる。
それよりあのミスリル艦が気にならんか?
業とゆくっり移動している。逃げ切れる自信があるようだ。」

アデス
「はっ。捕虜を収用後、艦を発進。ミゲル達には報告を。」

オペレータ
「ミスリル艦加速、速度。ナスカ級と同等、今からでは追いつきません。
5分後に敵艦ロストします。」

クルーゼ
「ちっ。進路を本国へ向けろ。」

アデス
「追わないので。」

クルーゼ
「無駄だ。奴らは業とゆっくりと移動して振り切って見せた。
あえてナスカ級と同等だ。奴らはこちらの情報を掴んでいる。
最高速度はナスカ級より上かもしれない。」

ミゲル達
「入ります。
報告書はこちらです。」

アデス
「待て、今帰投したばかりだぞ。」

ミゲル
「はっ。それが…、ミスリルのコウキ・イチジョウがまる1日あるから暇だろうと新品のパソコンを差し入れに来ました。
最後にデータを消すのがめんどいだろ。パソコンは持って帰っていいよ、さっき手に入れた安物だからと。」

「「…。」」

クルーゼ
「そうか、報告書は後で目を通す。コウキ・イチジョウとやらに合ってどう思った。」

ミゲル
「それが異例尽くしで…、何と言ったらいいか。
自分は地球生まれのコーディネイター日本人だけど日本には行った事がないと。
それに無国籍だからどちらの陣営に付くつもりはないとも。
ただ、今アークエンジェルの護衛任務を受けたから商売の邪魔して欲しくないとも。
待遇も異例で君達はパイロットだからパイロット用レーションや着替えも用意して貰いました。
レーションと言っても味は高級レストラン並みであります。」

ラスティ
「自分は敵の銃弾を受け負傷しました。
気が付いたら手当してあり、君は危なかったよと私がいなかった助からなかった。
プラントに戻ったら診断書見せて適切な処置を受けてねと言われ薬を渡されました。
食事も病人食を差し入れて貰いました。
ただ、その時私は心理学者なんだけど医師の資格を持っているから仕方ないね。
今は皆避難しているからヘリオポリスの病院に入れてあげらないよと語っていました。
診断書には心肺蘇生と記入がありました。」

アデス
「軍医なのか?」

ミゲル
「いえ。本人は大佐階級の権限を持っていると。
それと、独房に入っていると身体がなまるよね。
修練に付き合わないかと外に出してくれました。
そこで模擬戦をしました。」

アデス
「聞いた事ない。」

ミゲル
「そこで3体1で模擬戦をやりましたが…。」

アデス
「どうした?」

ミゲル
「ナイフを渡されて、相手にかすり傷も与えられませんでした。それも相手は素手です。」

「「…。」」

ミゲル
「何でも日本の合気道を元に独自に発展させた柔術で、相手を最小限の被害で捕縛する技術だそうです。
銃相手でも戦えるっと言っていました。
絶妙にバランスを崩され、相手の腕さえ掴む事が出来ません。
コーディネイターだから身体能力で戦ってきたでしょう。
体力トレーニングに格闘術は必要だよ。
いざという時、身体が反応しないからと言われてしまいました。」

「「…。」」

ミゲル
「彼は心理学者なのは間違いありません。
差し入れの際に私達と長く話していくのですが、個人個人の性格や家族の背景まで完全に当てられました。
最後に彼からの預かりもです。
これをクルーゼ隊長にお渡しするようにと。」

クルーゼ
「何か言っていたか。」

ミゲル
「ラウ・ル・クルーゼ氏は有能で無駄なことをしないから、ヘリオポリスを攻撃をしないだろう。
けれどザフト軍の中にも過激思想の持主もいるだろう。
あくまで今回はオーブのサハク家の独断で、代表は知らない。
オーブ連合首長国にはこの顛末を報告し、2度とこの様な事にならないよう釘を指して置く。
代わりに保険として私の書いた論文と解説書を彼に送る。
プラントの高名な遺伝学者ギルバート・デュランダル氏に渡せば、論文の正しさを証明してくれるだろうと。」

クルーゼ
「君達はその論文の内容は知っているか?」

ミゲル
「はい、暇なら読んで置けばいいと渡されました。
人類の進化可能性、後天的遺伝子操作技術となっていました。
補足としてコーディネイター出生率の減少の原因とその対策となっています。」

「「…。」」

クルーゼ
「彼は心理学者なのだろう。」

ミゲル
「本人もそう言っていましたが。
医療全般に深い造形があるようで、遺伝子工学も履修しているとの事です。」

アデス
「事実なら、造形ってレベルじゃないぞ。」

クルーゼ
「負傷しているラスティとアスランはヴェサリウスで本国へ向かう。
ガモフは補給後アークエンジェルを追わせる。」

アデス
「は!」

Sideout



Side マリュー・ラミアス

マリュー
「上手く逃げられたようね。」

光輝
「あぁ。ナスカ級ヴェサリウス、ラウ・ル・クルーゼはイージスを積んでプラントに帰投した。
ローラシア級ガモフは残りの3機を積んで補給に向かった。
ミスリルの情報だ。
それとヘリオポリスの避難解除がなされた。
喜べみんなの家族は無事だそうだ。
学習システムで電話出来る。
心配されているだろうから無事を知らせてやれ。」

「「わぁやったー。」」

フラガ
「電話って。どうやって?」

光輝
「ちょっとヘリオポリスの交換機に細工をした。」

フラガ
「それは違法では?」

光輝
「あれだけ修理してやったんだ。子供達の通話の為だ。
後、電話代はただ。メールもニュースも見れるぞ。」

「「…。」」

フラガ
「俺も地球へ電話したいなぁ。」

光輝
「バカか?
中継ポッドを置いているから出来る事だ。
ニュートロンジャマーの関係でヘリオポリス経由でレーザー通信するしかないだろ。
気軽に電話出来る訳ない。
それに誰に連絡するんだ。
お前、恋人もいないだろ。」

フラガ
「んぐ。」

光輝
「通話やメールなど学習システムで自動検閲される。
セキュリティがない相手の通話はレベル0になる。
アークエンジェルの情報やミスリルの情報はマスクされる。
このため、月面に向かている事も話せない。
アークエンジェルの情報はレベル高く設定されている。
これはミスリルが顧客の情報を漏らさない措置だ。
そこで家族に安心してもらう為の文章を各自の学習システムに送って置いた。
心理学者の文章だその為、安心させる言い回しとなっている。」

フラガ
「扱いの差が違う。俺も顧客じゃないか。」

光輝
「仮とは言えミスリルの社員だ。
部下のメンタル管理は上司の責任だ。
それとバルキリーの情報は地球軍には普通教えないぞ。
君への信頼と作戦の都合で特別扱いだ。」

フラガ
「でも俺の時は軽口だろう。」

光輝
「先ず考えてくれ、この艦に乗っている中で誰が不安なのか?
その為の緩衝材として誰が適任か?
それに君は私への好感度上がっているだろう。
相手の性格を熟知している。」

マリュー
「フラガ大尉、諦めなさい。
相手が悪いは心理学者に言葉で勝てないでしょう。」

艦橋にいる全員が笑った。

光輝
「そろそろ予定の分岐点だ。分岐後に速度を落とす事を忘れない様に。」

マリュー
「分かったわ。でも作戦案を見た時は驚いたわ。
まさか減速するなんて?」

光輝
「軍事教練では教えないだろうね。
これも心理戦だからね。
相手が警戒しているから出来る裏技だ。
相手も予測コースと時間を警戒する。
そこにアークエンジェルが表れない。
敵は混乱し心に隙が出来る。
相手は月面方面とローラシア級で、こちらを挟み込む作戦だ。」

マリュー
「本当に恐いわね。それ以外も考えているんでしょう。」

光輝
「当然、何十通りもシミュレーションしている。話せば混乱するよ。」

Sideout

 
 

 
後書き
アルテミスの戦闘はありません。
ヘリオポリスが崩壊しなかったので、フレイ・アルスターも今のところ出す予定はありません。 
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