『Trap of a spider』
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『Sure』
冷たいアスファルトに横たわる躰。
残酷に弄ばれた中古品の玩具。
太陽が夕日に移ろい、月が覆う頃もズット、此の躰は鎖に繋がれたまま。
壁に凭れることさえ出来ず、此の躰と引き換えに手にしたモノは一体なんだろう。
幼き少女のケガレた躰はもう何もかもを諦めていた。
心まで真っ黒い闇に覆われていた。
綺麗な思い出なんて唯のひとつさえ無い。
優しい父でさえ今はもう遠い人。
誰も少女を救えない。
日々増えてく生傷と痣。
絶えることのないイタミに耐える以外の方法が無い。
逃れられないイタミを浴びれられ、其のイタミを感じない術を身に付けた少女。
強く強く生き抜いてくしか無いと再度悟る。
初めてそう悟ったのは4歳頃。
そういう運命なのだろうと、鼻で笑うしかない。
もう諦めきっている少女に誰かが言った。
『ヤられる前にヤってしまえばいい』
少女はスイッチを入れた。
確かに感じたのは、恐ろしい殺意。
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