サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜
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サトシ:「ヒカリは、お母さんに
まだ連絡してないのか?」
ヒカリ:「えっ?」
ヒカリはサトシの急な問いに驚いた。
サトシ:「ポケモン捜査の事は伏せて、
お母さんにはちゃんとヒカリの近況報告を
伝えた方いいと思ってさ」
ヒカリ:「うーん、、、でも、
今更電話するのも、何か気が引けるなぁ、、」
サトシ:「きっとヒカリの事心配してるぜ?」
ヒカリ:「うーん、、、」
サトシ:「じゃあ、俺が代わりに電話するよ!」
ヒカリ:「いっ、いいわよそんなっ!
、、、あたしがするから!」
サトシ:「そうか?」
ヒカリ:「もうっ、、、サトシに
そんな事言われるとは思わなかったわっ」
サトシは、今後ポケモン捜査で
どうなるかわからない事を見越して、
ヒカリとお母さんの仲を
修復させようと考えていた。
ヒカリ:「、、、なんかごめんねっ」
サトシ:「えっ?」
ヒカリ:「なんかあたしのせいで
サトシに気を遣わせちゃって、、」
ヒカリは、サトシが自分の為を思って
言ってくれた事に対し、嬉しさの反面、
罪悪感も感じていた。
サトシ:「何言ってんだよっ、
ヒカリだって本当はずっと気になってただろ?
、、、ずっと気になっていたと思うし、
このままじゃいけないって、考えてただろ?」
ヒカリ:「あ、、、うんっ」
ヒカリ自身も、連絡をとっていない
母、アヤコに対してずっと気になっていた。
ケンカ別れをし、最初は平気だったが
時間が経ち、大人になるに連れて
心の距離が離れて行く自分に、
どこかで不安を感じていたのだ。
ヒカリ:「あたしの事、今でも
考えてくれてたりするのかな、、、」
サトシ:「当たり前さ!遠く離れてても、
きっとヒカリの事を思ってるっ。
、、、親は伝説のポケモンと同じなんだぜ?
たった1人しかいないんだっ!」
ヒカリ:「そうかな、、、え?」
サトシ:「ケンカしても何しても、
最後はバトルアンドゲットだ!」
サトシはサトシなりに前向きに背中を
押して上げようとした。
ヒカリ:「あははっ(呆笑)
バトルアンドゲットか、、、。
少し意味不明だったけど、、、。
、、、よし!じゃあ電話してみるわっ!」
サトシ:「その意気だヒカリっ!」
また一つ、サトシはヒカリの心の中にあった
わだかまりを消し去った。
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