| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

暁ラブライブ!アンソロジー【完結】

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

あ、それはご家族の方に許可を頂きました by.花陽 【yukky】

 
前書き

本日はyukkyさんです!!


初めまして。
別の投稿サイトにてラブライブの短編を書いているyukkyと申します。
普段は一人称視点が得意なのですが今回は三人称も入れて見ました。
ぜひラブライブのキャラクターたちがどんな動きをしているのか想像をして読んでいただけると嬉しいです。
では、本編をどうぞ!
 

 

 ある一言から始まった。
「朝はやっぱりパンだよ!」

 これに反抗するものが1人…
「いや!ぜーったいに白米です!」
「パン!」
「白米!」
「パン!!」
「白米!!」

 ああ言ったらこういう。2人とも朝は譲れないらしい。
 こうして部室での戦争の"火種"ができてしまったのである。

「は、ハラショー…」
「誰か止めなさいよ!」
「凛はこっちのかよちんも好きだよ!」

 絵里はこの光景に驚いていて呟き始めた。
 にこは止めなさいと言ったが、面白がっていてにこから止めなかった。
 凛は幼馴染が何やらいつもの言葉を言っていた。

「2人とも争っててかわいいな〜。ここをこうしたら2人に合うかな〜?」
「カードによれば…ふむふむ」
「はぁ…どっちでもいいわ」

 ことりは2人の様子を見てて新しい衣装が思いついたのか、手持ちのスケッチブックに描き始めた。
 希はカードでこの後の未来を占っているらしい。
 真姫は部室の椅子に座りながら、自慢の赤髪をクルクルしている。
 この中で動じず、物申す者がいた。

「2人ともやめて下さい!"どちらでも良い"ではないですか!」

 くるっ

 海未が見たものを言葉で表現するとそんな感じだった。

「「"どちらでも良い"…?」」

 2人の形相を見て海未は思わず体を引いてしまった。
 それを見て穂乃果と花陽は海未にゆっくりと近づいていった。

「え、どうしたのですか…?」

 すると2人は口を開き…

「朝は絶対にパンだよ!海未ちゃん!
 いい?パンはね、白米よりも歯ごたえがあって色んな味があるの!
 それに、パンは遅刻しそうな時にくわえながら走れるし…」
「反論させてもらいます!
 白米よりも歯ごたえがある?そこは認めましょう。しかし色んな味があるのは白米でも一緒…いや、それ以上です!
 鮭とか、昆布とか、塩とか、たらことか、卵とか…とにかくレパートリーがいっぱいあるのです!
 あと、遅刻しそうな時にくわえながら走れるところはおにぎりにすれば解決です!しかも、何時でも食べられるのです!
 だから、絶対に朝は白米なのです!」
「いや、パンだって!」
「穂乃果?それ以上言ったらこの私。何をするか分かりませんよ?
 花陽。何時でも食べられるとはどういう事なのでしょうか?だから最近太ったのですか!」
「ひぃっ!」
「へへ〜花陽ちゃんは白米ばかり食べているからだよ」
「花陽は罰として私のが考えたダイエットメニューをやって頂きます。
 あと、穂乃果も連帯責任としてやってもらいます」

 2人は、えーと言って海未に抗議をしたがこうなった海未に勝てる者などいなかった。

「うふふ、海未は相変わらず厳しいようね」
 絵里はそう言いつつ
「はい!みんな、練習に行くわよ?」

 はーい

 色んな感じの返事が"七人"聞こえた。

「………」

 屋上での練習も終わり日も落ちはじめた頃。

「ねぇ、凛ちゃん…」

「かよちんどうしたの?」

 花陽は凛を公園へと呼んでいた。花陽はもじもじとしながら口を開いた。

「あのね…私…

 朝は絶対に白米じゃないと許せない」

 その言い方の物々しさに驚かざるをえない凛。凛から見た花陽はもじもじしていて、軽い悩み事かと思っていた。呼び出された時も"相談があるの"という一言だけであった。公園まで向かうのも無言だった。

「だから私…

 明日、穂乃果ちゃんの家に行こうと思うんだ」

「……え?」

 先ほどまでとの雰囲気とは違く、突拍子な発言が飛び二つの事に驚く凛。
 それとは裏腹に花陽は話を続けていた。

「行って…穂乃果ちゃんの朝を見てきます!」
「そ、そうかにゃ…かよちんなら大丈夫だと思うにゃ!」
「それでね…凛ちゃん…」
「???」
「穂乃果ちゃんの家にどうしたら忍び込めるのかな…?」

 凛は迷っていた。幼なじみのために言うべきか言わないべきか。いや、これは”言うべきこと”なのだろう。

「かよちん…えっとね…」

 ________________________________

 夜が終わり朝がやってきた。
「ふわぁ…朝か…」
 今日は学校のある日なのだが早めに起きた穂乃果。いつもは母親や妹の雪穂に起こしてもらっている…が何か違和感があった。
「ん…?なんだろうこの膨らみ…?」
 その膨らみは穂乃果の寝ていた隣であった。
「そーっと…そーっと…」
 ゆっくりと膨らみに近づいていき布団に手をかけ…。
「でやぁ!!」
 と声を上げながら勢い良く取り払った。
「…え?」
 その時穂乃果が見たのは…
「すぅ…すぅ…」

「花陽ちゃん…?」
 穂乃果は思考を巡らせていた。何故花陽ちゃんがいるのか。そう考えているうちに。
「ふわぁ…よく寝た…」
「お、おはよう…?」
 花陽はあたりを見廻している。
「ぴ、ぴゃあぁぁぁぁ!!!!」
 朝から大声が部屋に鳴り響いた…。

「おはよう!穂乃果ちゃん!」
「なんで普通に挨拶してるんだろう…」
 あの大声から10分ほどがたった。普段この時間は寝ている雪穂は飛び起き私の部屋に駆け込んできた。雪穂は不審者が入ってきたと勘違いしたらしいが事情を説明すると”問題なく”部屋に戻っていった。
 …不審者は一応いるんだけど。
「失敗したなぁ…」

 何やら花陽ちゃんは落ち込んでいる。何で落ち込んでいるか聞いてみようかな…?
「花陽ちゃん、どうして私のベットにいたの?」
 唐突に聞くくのは少しためらったが…ここは聞くしかないよ!うん!
「あっ…えっとね…」
 口ごもる花陽ちゃん。ここはしっかり話してくれるまで待とう。
「あのね、穂乃果ちゃん…昨日のこと、覚えてる?」
 昨日のこと…?もしかして朝ごはんの喧嘩のことかな?
「朝ごはんのこと?でもあの件はもうおわ「終わってないです!」あっ…うん」
「本当は朝の寝起きドッキリをやろうとしたんだけど…」
「ちょっと待って」

 花陽ちゃん寝起きドッキリをやろうと思っていたの!?恐ろしいよ!?私はどうすればいいの…。
「なんとなく状況はわかってきたよ…どうやって家に忍び込んだの?ていうか雪穂は驚いてなかったんだけど!」
「あ、それはご家族の方に許可を頂きました」
「お母さん!何で私に黙ってたの!?」
「それは寝起きドッキリをやりたいと朝ごはんを食べたいと言ったからです!」
「その返答もおかしいんだけど…」
 前者はわかる…ん?でも後者は黙る理由になってないよね?
「さ!朝ごはん食べに行こう!」
「なんで花陽ちゃんが仕切っているんだろう…」
 ああもう!なるようになれー!

 ”いただきまーす!”

「美味しい!」
「うふふ、嬉しいわ。小泉さんのために腕によりをかけて作ったの。いっぱい食べてね!」
「ありがとうございます!」
「むぅ…」
「穂乃果!ちゃんと食べなさい」
「わかってるよ!」
 わかってるんだけど…
「白米美味しい~!」
 …やっぱりパンの方が良いよ。
「穂乃果ちゃん?どうしたの?」
「お姉ちゃん…熱?」
「っ!なんでもないよ!」
 うん…なんでもないよ…。

「穂乃果ちゃん?どうしたの?」
「っれなんでもないよ!」
 なんでもないよと言っているが浮かない顔をしている穂乃果。
「…パンの方がいいの?」
「え?」
「そうだよね…穂乃果ちゃんに朝白米の良さがわかって欲しかったけど…無理矢理はダメだよね…」
「そんなことないよ!」
「…え?」
「そんなことない、白米もパンも美味しいよ…だけど…」
「だけど…?」
「あの歯ごたえがいいの!」
「穂乃果ちゃん…」
花陽はあることを思いついたのか目を大きく見開いた。
「…もう一回それぞれの良さについて語り合わない?」

思いもよらぬ提案に穂乃果は思わず顔をあげた。
「…それぞれの良さ?」
「うん。穂乃果ちゃんはなんでパンが好きなの?」
「なんで好きか…」
穂乃果はもう一度俯き

「私がパンを好きになったのはね…

"この家"のせいなんだよ」

「…」
「笑っちゃうよね?家のせいでパンが好きになるって。本当私でもおかしいなと思うよ。
だけどね…私はどんな理由でもパンを愛し続けるって決めたんだよ!例え白米派の花陽ちゃんと喧嘩しても。私は絶対にパンを手離さない。パンは私の生命なんだよ!」
「…」
「花陽ちゃんは…なんで白米が好きなの?」

「私は…汗水を垂らして頑張った稲を回収し食べた時喜びを知ってるから」
「!!」
「穂乃果ちゃんなら分かるでしょ?自分の作ったお饅頭をお客に食べてもらう。商売として当たり前だけどその初心を忘れちゃいけないと思う…」
穂乃果は再び俯いた。花陽に痛いところをつかれたからではない。自分が生産者としての心を忘れたからだ。
「そっか…そうだよね…」
「うん、だから私は白米が好き!」

「私、頑張って朝に白米を食べるよ」
「穂乃果ちゃん!」
「だけどっ!」
「…?」
「花陽ちゃんも朝にパンを食べてね!」
「…うん!」

こうして朝の戦争はお互いの意見の食い違いで終わったのである。
話し合いは重要やね!

しかし

「穂乃果?和菓子屋の娘があんな事を言わないようにね…?」
「はぁーい、こめんなさーい」
「謝る時はしっかり謝りなさい!小泉さんの前で何を言わせるの!」
「はい…ごめんなさい!」
「二度目はないわよ?」
不敵な笑みを見せお母さんはさっていった。

「花陽ちゃん!この…コシヒカリ?って美味しいの?」
「何を言ってるのですか!コシヒカリはとんでもなく美味しい……」

またアイドル研究部がうるさくなりそうだ。

「ねぇねぇ、希ちゃん」
「ん?なぁに?穂乃果ちゃん」

「希ちゃんは朝ごはんは何を食べてるの?」

「うち?うちはね…

焼肉…かな♪」

「「焼…肉…」」

また戦争がはじまりそうだ。



 
 

 
後書き
いかがでしたか?
朝ごはんって悩みますよね。人それぞれですし。今読んでくださっている方は何を食べるのか…。え?私?私は断然パン派ですよ。朝に白米を食べるのは納豆とか卵かけご飯ぐらいですね。
私なりにはキャラクターの可愛さというか動きは想像させることができたと思っております。

企画主催者であるウォールさんにこの場を借りて深く御礼を申し上げます。
さて、企画もとうとう終盤戦!
私よりもはるかに面白い小説が投稿されますのでぜひ見ていってください! 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧