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Blue Rose

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第二十七話 新しい学校その十

「どんな感じか、ただ」
「ただ?」
「女の子になってもあいつはあいつですから」
 だからとだ、龍馬は確かな声で言った。考える顔のままであるが。
「そう思っていていいですね」
「そうよ、そのことは確かよ」
「わかりました、それじゃあ」
「龍馬君も長崎に行くのね」
「そうします」
 今度も確かな声で答えた。
「お金と時間を作って、むしろお金は」
「そっちはなのね」
「親に長崎であいつに会って来るなら金は出すって言われました」
「電車賃とかはなのね」
「ホテル代も。八条グループのホテルなら格安で済みますし」
 彼自身が八条学園の学生で親戚にグループ企業で働いている者がいるからだ、龍馬もそうしたサービスを受けられるのだ。
「電車賃も学生割引使えますし」
「それでなのね」
「はい、八条グループのホテルやレストランなら安くも済むからって」
「行って来いって言われたのね」
「親はあいつの性別が変わったことは知らないですが」
 もっと言えば親にも言っていない、優花を守る為に親にも言わない程秘密を守っているのだ。これも龍馬の気遣いだ。
「それでも」
「そうなのね、じゃあね」
「はい、親にはお金のことは心配しなくていいからって言われて」
 それでというのだ。
「月に一回でも行って来いとも」
「言われてるのね」
「ですから行きます」
 実際にというのだ。
「そうしてきます」
「いい親御さん達ね」
「俺もそう思います」
 その両親のことを思い微笑んで答えた。
「本当に」
「一月に一回ね」
「その感じで行ってきます」
「私もそうするわ」
「優子さんもですか」
「ええ、あの娘が長崎にいる間はね」
 実際にというのだ。
「月に一回の割合でね」
「長崎に行くんですね」
「それで会うわ、福岡も案内したいし」
「福岡ですか」
「福岡もいい街だから」
 だからだというのだ。
「行きたいわ」
「そうですか、福岡ですか」
「ラーメン連想したでしょ」
「実は」
 それは龍馬も否定しなかった。
「明太子や鶏肉もありますね」
「そうしたのが美味しいわ」
「ですよね、あとホークスですね」
「そうしたもので有名ね」
「その福岡にもですか」
「行きたいわ」
 優花と一緒にというのだ。
「そう考えてるわ」
「いいですね」
「そうでしょ、色々回りたいわね」
「俺もそうします」
「あの娘と一緒にね」
「その時が楽しみです」
「ええ、じゃあコーヒーを飲んで」
 ここで優子は龍馬にこうも言った。 
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