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レインボークラウン

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第三百七十一話

              第三百七十一話  三分ロボット
 朝食を食べて歯も磨いてだった、食器洗い用のロボットが皿を洗うのを見つつ小田切君は今はテレビを観ている博士に声をかけた。
「あの食器洗い用のロボットは」
「わしが造ったものじゃ」
「そのことは知ってますけれど」
「それでもか」
「はい、他にも使えますよね」
「掃除、洗濯、炊事とな」
「何でもですね」
 小田切君も応えて言う。
「出来ますね」
「正確に言うと家事用ロボットじゃからな」
「本当に家事ならですね」
「何でも出来る」 
 博士はテレビを観つつ小田切君に話す。
「それこそな」
「そうですね、凄い発明ですね」
「わしにとってはどうということはない」
 実際に何でもないといった返事だった。
「特にじゃ」
「苦労もせずに」
「片手で造った様なものじゃ」
「凄く役に立ってますけれど」
「三分もかからんかったわ」
「造るまで」
「設計から完成までな」
 それまでの時間がというのだ。
「三分じゃ、頭の中で設計図を書いていってな」
「それで、ですか」
「三分で出来た、何でもないものじゃ」
「あんなロボットが三分で」
「兵器はもっと時間をかけるしじゃ」
 博士の趣味の一つである大量破壊兵器の開発についてはというのだ。
「ならず者を嬲り殺しにするのにもな」
「そういえばもっと時間をかけてますね」
「気が向けばな」
 街のその辺りのチンピラを捕まえて生体実験にしたり色々な処刑を実践したりするのだ、博士に人権という概念は存在しない。
「そうしておるからな」
「だからこうしたロボットは」
「何でもない、今日は要塞を造るぞ」
「要塞ですか」
「移動要塞をな」
 それをというのだ。
「造って自衛隊の基地を襲撃じゃ」
「またですか」
「そうして遊ぶぞ」
「自衛隊にとっちゃたまったものじゃないですね」
「刺激がないとだれるものじゃ」
 自衛隊もというのだ。
「ちょっと遊んで来るわ」
「そうですか」
 小田切君はこう返しただけだった、だが。
 博士はテレビを観終わるとすぐに地下の兵器開発室に入った、そのうえで実際にその移動要塞の開発にかかるのだった。


第三百七十一話   完


                       2016・8・25 
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