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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第八十七話 帝国海軍その九

「けれど旭日旗見たら怒る国の人もいるから」
「いるわね、確かに」
「そう、ちょっとね」
「うちの学校でも旭日旗普通にあちこちに掲げたりしてるわね」
「うちの学校は昔から海軍と縁が深くて今も海自さんとだから」
 八条グループ全体がだ、このことは。
「だからね」
「日の丸も多いけれどね」
「あの旗も多いんだ」
 旭日旗、それもだ。
「それはもう学校紹介で言ってるけれど」
「騒ぐ人いるわね」
「困ったことにね」
「何か色々言ってるけれどね」
「戦犯だの何だのってね」
「悪い旗じゃないでしょ」
「僕もそう思うよ」 
 格好いいと思う、日章旗のシンプルなのもいいけれど旭日旗の鮮やかなデザインは僕を魅了して止まない。
「本当にね」
「そうよね、というかナチス前からの旗でしょ」
「そうだよ」
「それでもナチスと一緒とか」
「ないから」 
 僕はこのことは断言した。
「本当にね」
「そうよね」
「何でああいうこと言うのかしら」
「絶対今回も言うから」
「あの人達だけね」
「先生達もいい加減困ってるんだ」
 どうも何年か前から急に言い出したらしい、何かこうした話は結構あった気がする。訳がわからないことに。
「急にそんなことを大袈裟に言い出して」
「難しいわね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「今回は希望者だけなんだ」
「行かない人は行かなくていいのね」
「そうした人は海で遠泳だよ」
「何か流罪みたいね」
「というか隔離?」
 何しろごく僅かな決まった人達だけが騒ぐからだ。
「旭日旗が嫌な人は来るなってことで」
「吸血鬼みたいな話ね」
「ルーマニアからの子は皆笑顔であの学校に入ってくれるけれどね」
 吸血鬼で有名なあの国から来た子達もだ、もっともルーマニア人が吸血鬼である筈もないしそもそも実は吸血鬼は日光は苦手でもそれに当たると死ぬことはないらしい。
「それでもね」
「ああしてよね」
「異常に嫌がることもね」
「ないわよね」
「というかルーマニアの子達は皆喜んで行ってくれるよ」
「吸血鬼じゃなくて」
「石仮面でも被っていないと」
 それこそだと思う。
「あそこは怖くないよ」
「そうね、吸血鬼でもないと」
「とてもね」
「私は楽しみよ」
 テレサさんのお国のフィリピンとの戦ったけれどだ、あの戦争では。
「かなりね」
「旭日旗も怖くなくて」
「何で怖いのよ」
「普通はそうだよね」
「それこそ吸血鬼じゃないと」
 また言うのだった。
「それも限られた」
「吸血鬼っていっても色々だしね」
「吸血鬼なら日本にもいるでしょ」
「うん、いるよ」
 僕はテレサさんにはっきりと答えた。
「ろくろ首ね」
「首が飛ぶ方ね」
「そう、そちらね」
 ろくろ首といっても二種類ある、皆が思う首が伸びるろくろ首はただそれだけで人を驚かせるだけだ。何の害もない。 
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