聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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324部分:第四十四話 無限の剛力その一
第四十四話 無限の剛力その一
無限の剛力
アイオロスは空中庭園において四人の狂闘士達と対峙し続けている。四つの禍々しい小宇宙がまるで紅蓮の炎の如く燃え盛っていた。
「それではだ」
その中の中心人物であるヨーダが彼に言ってきた。
「サジタリアスよ、行くぞ」
「容赦はしないぜ」
ディーンも言うのだった。
「例え一人でもな」
「貴様を倒す」
「一対一ではないがな」
このことも言う狂闘士達だった。
「それでも闘う。それが狂闘士の流儀だ」
「だからこそ」
「いいだろう」
そしてアイオロスも彼等の言葉を受けるのだった。
「では来るがいい」
「受けて立つというのだな」
「他の黄金聖闘士達と同じく」
「私もまた聖闘士ならば」
アイオロスは狂闘士達の問いに応えて述べる。
「逃げることはない。正面から戦うのみだ」
「そうか。それならばだ」
「今こそここで」
いよいよ攻撃に入ろうとする。まず動いたのは。
「まずは私達が」
「行かせてもらうわ」
リベカとデューテだった。二人の女狂闘士達だった。
「ヨーダ、ディーンそれでいいわね」
「私達が先で」
「うむ。それで構わない」
まずはヨーダが落ち着いた様子で二人の言葉に頷いてみせた。
「御前達が先に行きたいというのならな」
「そう。それじゃあ」
「ディーン。貴方はどうなの?」
「俺もそれでいい」
ディーンもおおむねヨーダと同じ意見であった。
「それでな。先に攻撃を仕掛けてな」
「これでサジタリアスを倒すわ」
「私達で」
二人の小宇宙はさらに高まっていた。それはまさしく炎だった。禍々しく赤く燃え盛るまさに戦場で何もかもを焼き尽くす炎であった。
「我が魔神オセの力」
「このマステマの力」
二人がそれぞれ身に着けている戦衣の魔神達のことだった。
「見せてあげるわ」
「今こそ」
「ならば見せてもらおう」
やはり逃げようとも隠れようともしないアイオロスだった。悠然と構えたままである。
そしてその彼に対して。今二人がその技を放ったのだった。
「ブレイクメイルストローム!」
「デッドクライム!」
リベカの両腕から黒い嵐が放たれデューテの左手から赤い衝撃が放たれる。その二つの技が同時にアイオロスを襲ったのであった。
「どう?これなら」
「黄金聖闘士といえど」
「いや、油断は禁物だぜ」
しかしここで二人に対してディーンが言ってきた。
「これでもまだな」
「倒れないというの?」
「まさか」
「だから油断禁物って言ってるだろ」
彼が言うのはあくまでこのことだった。
「だからだ。次は俺だ」
「貴方が」
「サジタリアスに対して次の攻撃を」
「そうさ。見てな」
黒と赤の嵐と衝撃の中で今は姿が見えないアイオロスを見据えるディーンだった。
そして一旦高く跳びそのうえで。右手から鋭く長い紅蓮の気を出したのだった。見ればそれはまさに巨大な槍そのものであった。
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