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HUNTER×HUNTER 六つの食作法

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005話

「成程。つまりシャネルは六式と呼ばれる体術を会得しているのだな」
「そう言う事だな」

第3次試験へと向かう飛行船の船内、1次2次の試験を乗り越えた受験者達は飛行船へと搭乗し次の会場へと向かう事となった。疲労の色が見えている一同だが3次試験は翌日と知らされホッと胸を撫で下ろす、飛行船での短い空の旅。食事を済ませるもの、さっさと眠りに入る者と人それぞれの過ごし方をした翌日。早朝7時ごろ、シャネルとクラピカ、レオリオとキルアは食堂で食事を行いつつ談笑を楽しんでいた。

「人間の身体を武器に匹敵させるってとんでもねぇ体術だな」
「全部生きる為に足掻いた結果さ、何より死にたくなかったからな」

修行時に何度もシャネルは死に掛けた事があった、大型の猛獣に襲われるなどがその際たる物だった。生半可な六式では到底適う訳もない猛獣に心の奥底から恐怖した事もあった、このまま死んだほうが楽になるのではないかと思ったがどうせ死ぬなら足掻いてからの方がカッコいいと結論付け、馬鹿みたいに修行した。

「一日身体に重り付けてそれで動いても大丈夫なような肉体作り、何百回と岩に向かって拳振るったりを飛ばしたりした。半年ぐらいには六式は基礎部分が完成して体得が出来てたな」
「へぇ~……あっそうだねぇ指銃ってこんなんでいいの?」
「っ!!」

会話の最中にキルアがシャネルに向かって指を突きつけた。突然の攻撃だったがシャネルはそれを左手の指と指の間で受け止めるが微かに頬には傷が出来ていた、まだまだ出来が甘いがそれは十二分に指銃といえる物だった。

「おいおいマジか?まだ練習が足りないが十分に指銃と言えるぜ」
「へへへっ結構簡単だったぜ」
「俺には出来そうもねえな……」
「私もだ……」

茶を啜りつつキルアの才能にシャネルは戦慄を覚える、指銃は六式の中では難易度はかなり高い。それを簡単に教えただけで出来るようになっている、それだけに何処か嫉ましい……。

「他に出来る可能性があると言えば剃かな」
「剃?」
「瞬間移動術だ。これは地面を瞬間的に何回も蹴って一気に加速するんだ、だから練習すれば普通に出来る」

そんな説明を行っていると8時到着予定だった飛行船が予定が遅れたのは1時間半ほど送れて目的地に到着したとアナウンスが入った。遂に始まる第3次試験、それぞれが緊張した面持ちで飛行船へと降りた先は高い場に立てられた巨大な石の塔、トリック・タワーの頂上がスタート地点となった。ルールは簡単、72時間以内に生きて下まで降りるという物。

「まあ簡単だな……方法が解らないと言う一点を除けばな」
「だな」

トリック・タワーの頂上はかなり高い、軽く見積もっても30メートルはくだらないかも知れない。飛び降りると言うものは論外だ。

「なぁ、シャネルが空飛んで降りればいいんじゃね?」
「あっ成程キルア頭良い!!」

っと言う訳でやってくれるよね?っと言いたげに眼をキラキラさせて迫ってくるキルア、かなりいい性格をしている。だが実の所は月歩のコツを掴みたい為にマジかで見てみたいというのが本性だろう。

「おいおいこの人数を抱えて下まで降りろってか?無茶言うなよ……精々二人までしか抱えて行けねえって……」
「それなら大丈夫だろ、だって72時間(こんなに)あるんだぜ?」
「このクソ餓鬼意地でも自分で降りない気か……!!」

そんな事を騒いでいると外壁を引っ掴んで降りていたロッククライマーの男が猛獣に食われて空高く連れて行かれる光景が過ぎった。シャネルはこれでも降りる気…?と視線を向けるがキルアは勿論!と言いたげな顔をしている。

「なら多数決ね、このままシャネルの月歩で降りた方が良いと思う人?因みに俺賛成」
「はいはいはい!!おれはその方がいいぜ!!」
「うーん、方法も解らないしね。俺も賛成!それに猛獣の迎撃は俺達でやればいいし」
「ふむ……確かにそれなら協力し自分達の力も使っている、私も賛成だ」
「お、おぃぃ……」

結果。賛成4、反対1でシャネルの月歩を使って降りると言う事になった。

「くそぉ……お前ら俺を便利屋と勘違いしてないよな」
「全然☆この笑顔に誓って☆」
「殴りたい、この笑顔(#゚Д゚)」
「でもいざとなったら嵐脚で迎撃できるよね」
「……確かにな」

ゴン達はシャネルを酷使する事でトリック・タワーを無事降りる事に成功。結果として、シャネルは月歩でトリック・タワーを往復する事になったため全身疲労で倒れこむように眠った。


「ぁぁぁくぞぉ……てめぇら絶対覚えてろよ……」
「おいおい多数決で決めたじゃねえか」
「っつうかキルアてめぇ面白そうだからって理由で来てんのに何試験スルーしてんだよ!?自分の力でやれ!!」
「いや空飛ぶのって面白そうだったし」
「……もういや」

72時間後、無事3次試験をパスする事に成功した一同。案の定と言うべきか、試験官からは若干呆れられていたが。どうやら頂上には回転する床がありそこから党内部に侵入しそこから下へ向かっていくのが正攻法だったらしいがキルアの発言が全てをぶち壊した瞬間であった。

そして、そこで受験者はくじを引かされた。そこには狩る者と狩られる者の番号が書かれていた、これより受験者達はゼビル島という島で一週間のサバイバルバトルを行う事となった。自分の引いたくじにかかれた番号札を持っている人物を狩るっと言う物だ。

自分のターゲットのナンバープレートは3点、自分のナンバープレートも3点、それ以外のナンバープレートは1点と換算し一週間以内に6点を集めきった物が合格となるルール。

「狩りか…久しぶりだから気をつけないとな……殺さないように」 
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