八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第八十六話 自分も歌ってみてその六
「アフリカにはあるけれど」
「また別なの」
「恐竜とかじゃなくて」
「他の種類の生きものなの」
「うん、ネコ科の生きものらしいんだ」
そのタンザニアの未確認動物はとだ、僕は三人に話した。
「どうやらね」
「ネコ科っていうと」
「ライオンとか豹とか」
「アフリカだとチーターとか」
「そういう感じで」
僕はさらに話した。
「ムングワっていうね」
「ムングワっていうのね」
「うん、凄く凶暴らしいんだ」
こう詩織さんにも話した。
「それが」
「人を襲うとか」
「みたいだよ、殺された人もいるとか」
「それ本当の話?」
「そうらしいけれどね」
未確認動物の話は創作も多いらしい、そうした人が襲われて食べられたとか殺されたとか行方知れずになったとかいう話は常だ。この辺り都市伝説と同じだ。
「そうしたのもいるらしんだ、タンザニア」
「じゃあンガモ君ムングワのことを知ってるの」
友奈さんはそのものずばりで僕に聞いてきた。
「そうなの?」
「いや、僕も聞いたことないから」
「そうなの」
「詳しい話はね」
「詳しい話は」
「そう、聞いていないんだ」
そのムングワについてだ。
「ある程の話しか聞いてないよ」
「そうなの」
「そう、警察官が襲われて殺されたとか」
「お巡さんが殺された人なの」
「話によるとね」
「そうなのね」
「一九三〇年代位の話らしいよ」
この頃タンザニアはまだイギリス領だ、一九六〇年にアフリカは一気に独立していく。この年はアフリカの年とさえ言われている。
「大体ね」
「そうなのね」
「そう、一九三〇年代の話だから」
「かなり昔ね」
詩織さんもその話を聞いて言う。
「それだと」
「そうだよね」
「本当の話かしら」
「だからそれはね」
「確かなことは言えないのね」
「そうなんだ、僕も」
こう三人に話した。
「果たして本当か」
「わからないのね」
「実際の話かどうかは」
「真実は」
「うん、まあアフリカはね」
あの大陸全体で言うとだ。
「未知の動物とかまだいるだろうしね」
「恐竜とかも」
「うん、さっき話したね」
モケーレ=ムベンベにしてもそうだ。
「熊がいるって話もあるし」
「あれっ、確か」
香織さんはアフリカの熊と聞いてこう言った。
「アフリカには熊は」
「いないっていうね」
「そう聞いたけれど」
「それがいるって話がね」
「あるのね」
「そうした話もあるんだ」
こうした話があることも本で読んだ。
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