Three Roses
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第十四話 同じ父を持ちその十三
「悪魔を信じている筈の異教徒達の間でも起こるな」
「悪魔は彼等を守らず」
「病が流行っていますな」
「そして異教徒や魔女達が広めたというが」
王はこちらについても述べた。
「その彼等も病に罹っているな」
「自らに病をかけるのは」
「それは、ですな」
「有り得ませんな」
「どう考えても」
「自らの下僕や自らに病をかける筈がない」
悪魔や異教徒達がというのだ。
「だからこれはない、何か別の原因がある」
「他の病と同じく」
「左様ですか」
「ならその原因を見付けねばならない」
黒死病のそれをというのだ。
「是非な」
「では」
「その様に」
「そしてどうして収めるが」
原因だけでなく収め方もというのだ。
「見付けねばな」
「火で燃えた街は黒死病が消えますが」
「あれは何かあるのでしょうか」
「火が病を清めるのでしょうか」
「わからない、しかしだ」
それでもと言う王だった。
「あの病も何とかしなければならない」
「必ずや」
「国と病を守る為に」
「それは、ですね」
「出来ればだが」
難しいことは認識しての言葉だった。
「見付けよう」
「わかりました」
「ではそちらも」
「あの病、それに天然痘もだな」
王はこの病の名前も出した。
「何とか出来ればだ」
「死ぬ者が極端に減り」
「その人も増えますね」
「民が多ければそれだけ力にもなる」
「国にとっていいことです」
「だからこそだ」
国の為にもというのだった。
「黒死病、天然痘はな」
「どちらもですね」
「この国からなくしたい」
「そうお考えですね」
「その様にな、この国においてな」
王はこうしたことも考え言及していた、マイラのことも気になりつつ。病のことも考えていたのである。
しかしマイラはそれでもだ、王の言葉を聞いてもそれを受け入れることなく孤独のままだった。孤独の王妃の心には信仰と学問はあったが閉ざされたままだった。
第十四話 完
2016・6・23
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