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おぢばにおかえり

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第三十五話 詰所での再会その四

「というか何でそうなるのよ」
「結構二次大戦舞台とした小説も読んでまして」
「それでなの?」
「そうですけれど」
「おみちと軍隊は本当に違うから」
 私はこのことは断りました。
「自衛隊ともね」
「そうなんですか」
「何から何までね」
「そんなに違うんですね」
「奥華には広島の教会も多くて」
 大きな教会が二つ位あってその系列の教会が結構あります、奥華は大きく分けて大阪と広島の二つの系統があります。
「それで江田島とか呉に行ったこともあってね」
「ああ、海軍の」
「今は海自さんね、それに私中学までは八条学園だったけれど」
「あそこ凄く大きな学校ですよね」
「八条グループが運営している学園だけれど」
「はい、あの世界的な企業グループですね」
「私中学まであそこに通ってて」
 阿波野君にこのことを話してから説明しました。
「あのグループ昔から海自さんに縁があって」
「戦前軍鑑建造してたんですよね」
「今もよ」 
 護衛艦を建造しています。
「潜水艦もね」
「それ僕も聞いてます」
「だからね」
「海軍のこともですか」
「詳しいっていうか縁があって」
 それでなのです。
「呉とか江田島とか知ってるわよ」
「行ったこともあってですか」
「海自さんのことも知ってるわ」
「そうなんですね」
「そう、本当にね」
「じゃあ軍隊とおみちは」
「何もかもが違うから」
 このことを断りました。
「そこはわかっていてね」
「ううん、そうなんですね」
「というか士官は立場があるでしょ」
「はい、やっぱり指揮官ですからね」
「何でも欧州じゃ貴族イコール士官らしいから」
 このことは少し聞いたことです、何処かで。
「ナポレオンもネルソンも貴族だったし」
「ああ、あの人達も」
「指揮官だからね」
「やっぱり立場がありますね」
「ええ、けれどおみちは一列兄弟よ」
 そして姉妹です。
「階級ないから」
「軍隊みたいに」
「ようぼくにもなれるし、誰でも」
 そこから先もです、私は阿波野君にお話しました。
「あと講習受けたら教人になれて」
「それになったら何かあるんですか?」
「そこから教会長の試験も受けられてね」
「会長さんになれるんですね」
「そうなれるから、別に士官学校を出なくても」
 どの国でも入ることはかなり難しいと聞いています、特にパイロットになるには尋常でない訓練が必要だとか。
「そういうのないわよ」
「そうなんですね」
「確かに会長さんになるまでに講習があるけれど」
「他の宗教に比べたら緩やかとか」
「そうよ、私にしても」
 他ならない私自身もです。 
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