ドリトル先生の名監督
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第五幕その三
「これはいいことかもね」
「うん、朝早く行くのも」
ホワイティは通学路を見回しています、そろそろ学校が見えてきています。
「いいものだね」
「この朝の爽やかな雰囲気」
チーチーはその雰囲気を楽しんでいます。
「悪くないね」
「朝はいいものだよ」
「一番素敵な時間よ」
チープサイドの家族は雀なので朝が大好きです、それで他の皆よりもさらに上機嫌になっていてお話をしています。
「この心地よい日差しを浴びると」
「もうそれだけで元気になるわ」
「そしてこれからね」
ポリネシアは先生に言うのでした。
「朝稽古に出るのね」
「先生はお相撲はしないけれど」
ジップもこのことはよくわかっています。
「監督として出るんだね」
「では先生の監督としてのはじめての仕事にね」
「今から出ようね」
オシツオサレツは二つの頭の目をぱっちりとさせています。
「そして僕達もね」
「監督としての先生を見せてもらうよ」
「監督といってもね」
先生は皆に首を少し傾げさせてから言いました。
「本当に見ているだけだね」
「お相撲をしたことはないから」
「どうしてもだね」
「そうなってしまうんだね」
「それは仕方ないんだね」
「うん、ただ怪我をしないようにするにはね」
そうしたことはというのです。
「出来るよ」
「そっちはだね」
「ちゃんと出来るんだね」
「先生にしても」
「しっかりと」
「うん、僕が出来るのはそれだけだよ」
監督として先生が出来ることはというのです。
「お相撲の稽古の仕方も頭の中にあるから」
「つまり理論はあるんだね」
「お相撲の理論は」
「先生の頭の中にも」
「そうなんだね」
「知識としてね、それに僕は医者だから」
お仕事のことからも言うのでした。
「怪我がない様に注意して、そして」
「若し怪我人が出たら」
「その時はだね」
「しっかりと手当をする」
「そうするんだね」
「うん、その為にもね」
そうした立場としてというのです。
「やっていくよ」
「そうなんだね、じゃあね」
「先生頑張ってね」
「僕達も本当に出来ることならするから」
「監督としての務めを果たしてね」
「そうさせてもらうよ、じゃあ行こうね」
その学校にです、こうお話してでした。
先生は相撲部の部室に行きました、部室に入るとです。
皆もう柔軟をはじめていました、先生は皆の汗のかき具合を見て言いました。
「これからだね」
「はい、これからです」
「稽古はじめます」
「柔軟をして」
「そしてです」
「どういった稽古をするのかな」
先生はその稽古の内容を尋ねました。
「一体」
「走ります」
「そうします」
その稽古をするというのです。
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