IS〈インフィニット・ストラトス〉 〜自由の翼〜
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第1話「クラスメイトは女子だらけ」
前書き
第1話目です!
俺は教壇に立つとクラスメイト全員の姿が見えた。
(マジで一夏と俺以外は女の子なんだな。)
と思いながら
「俺の名前は黒崎燐。好きなことは料理と機械弄りかな。ISについては素人でみんなの足を引っ張るかもしれないがよろしくお願いします。」
と自己紹介すると少しざわついていたが、
「さあ、いつまで騒いでいる! SHRは終わりだ。諸君等にはこれからの基礎知識を半月で覚えてもらう。その後実習だが、基本動作は半月で体に染み込ませろ。いいか? いいなら返事をしろ、よくなくても返事をしろ、私の言葉には返事をしろ。以上だ」
まだ少し教室内は騒いでいたが千冬のこの言葉で一気に静まった。
「黒崎、お前の席は織斑の隣だ。」
と言われ俺は一夏の隣の席に座った。
織斑先生は俺が席に着くのを確認すると
山田先生を促し授業が始まる
「〜〜であるからして、ISの基本的な運用は現時点で国家の認証が必要であり、枠内を逸脱したIS運用をした場合は、刑法によって罰せられ〜〜」
すらすらと教科書を読んでいく山田先生。内容がどっさり詰まった教科書五冊が俺の目の前に積まれている。付け焼刃ではあるが、事前に電話帳サイズの参考書で勉強したおかげである程度分かる。何か所かわからないところもあるが、そこは後で先生に聞こう。
「黒崎君。何かわからないところはありますか?」
ノートにシャーペンを走らせている俺に山田先生が訊く。男の俺を心配してくれたのだろう。いい先生だ。
「じゃあ、質問いいですか?ここのところなんですが……」
「ああ、ここは少しややこしいんですよ。えっとですね。」
そしてすらすらと解説しだす山田先生。しかもわかりやすい。すごい。この人オドオドしてるから頼りないと思っていたけど、いい先生だった。
「っと、こんな感じですけど、どうですか?わかりましたか?」
「今のところはないです。ありがとうございました」
「そうですか。何かわからないところがあったら行ってくださいね。なにせ私は先生ですから」
山田先生にお礼を言いつつ席に座る俺。そんな俺のことをじっと見ている一夏。その顔はまるで『お前天才か!?』と言ってるようだった。
山田先生は一夏の方を見て、
「織斑君はどうですか?」
「えっ!?」
山田先生に呼ばれ教科書に目を落とす一夏、そして何かの覚悟を決めた顔をする。
「じゃあ、先生!」
「はい織斑君!」
「ほとんど全部わかりません!」
おい!素直に言ってんじゃねえよ!見ろよ、山田先生涙目じゃないか!
「え、えっと……織斑くん以外で、今の段階でわからないっていう人はどれくらいいますか?」
〜〜シ~ン〜〜
誰も手を上げない。いやいや、一夏、そんな『マジで!?』みたいな顔されても。
「……織斑、入学前の参考書は読んだか?」
教室の端にいた織斑先生が一夏に問いかける。
「古い電話帳と間違えて捨てました。」
素直に答える一夏、それを聞いた織斑先生は…
パァンッ!
「必読と書いてあっただろうが馬鹿者」
織斑先生が呆れた表情を浮かべながら一夏の頭に出席簿アタック。
「あとで再発行してやるから一週間以内に覚えろ。いいな」
「い、いや、一週間であの分厚さはちょっと……」
焦る一夏に対して、
「やれと言っている。」
「……はい、やります。」
ギロリと睨む織斑先生。それは実の弟を見る目じゃないですよ織斑先生。
「ISはその機動性、攻撃力、制圧力と過去の兵器を遥かに凌ぐ。そういった『兵器』を深く知らずに扱えば必ず事故が起こる。そうしないための基礎知識と訓練だ。理解が出来なくても答えろ。そして守れ。規則とはそういうものだ。」
「おい、織斑。貴様、『自分は望んでここにいるわけではない』と思っているな?」
一夏は目線を少しそらし
「望む望まざるにもかかわらず、人は集団の中で生きなくてはならない。それすら放棄するなら、まず人であることを辞めることだな。」
と織斑先生は一夏や俺、クラスメイトに向けて言うと丁度チャイムが鳴り、山田先生の号令で休み時間となる。
(まあこれが俺の新しい日常だ。これから三年続くこの日常に俺は早く慣れるしかないのだろう。)
と思いながら、教科書などを閉まっていた。
後書き
次回をお楽しみに!
ページ上へ戻る