八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第八十五話 浴衣その十
「畑中さん以上かな」
「本当に畑中さん凄いから」
「うん、じゃあ一度ね」
「一緒にとことん飲んでみればいいわ」
「それじゃあね」
「私も観て驚いたから」
「そうなんだね」
僕は香織さんの言葉に応えた。
「じゃあ一度ね」
「ええ、確かにラグビー部の子達も凄いけれど」
「あれだけ飲まれるかな、畑中さん」
「私の見たところだと、そういえばあの人剣豪なのよね」
「剣道九段だよ」
「九段って多くないでしょ」
「日本で数十人らしいよ」
もっと言えば世界でそれ位の人達しかいない、剣道の段位は八段になるとその数がぐっと減るらしい。もっとも七段までいくだけでも大変らしいけれど。
「そこまで凄いらしいよ」
「そうなのね」
「九段が実質最高段位だから」
このことは僕もはっきりと言われた、剣道の段位は銃弾まであるけれど十段はもう存在しているだけのものだと。
「その九段も今後出さないらしいから」
「何か凄いわね」
「うん、畑中さん相当な人だよ」
剣道においてもだ、人としても執事としても素晴らしいだけでなく。
「そちらもね」
「剣豪なのね」
「普通の人だと勝てない位の」
「姿勢もいいしね」
「うん、背筋がしゃんとしててね」
本当にそこがいい、畑中さんの背筋はぴんと立っている。かなりのご高齢なのにそうしたことを全く感じさせない。
「しっかりしているよね」
「あの背筋は剣道あってこそね」
「絶対にそうだね」
「ううん、畑中さんみたいな人が一緒にいてくれて」
このことについてもだ、、畑中さんは言った。
「有り難いわね」
「いつも助けてもらってるしね」
「というか気付いたらね」
まさにその時にはだ。
「フォローしてくれるんだよね」
「特に義和はでしょ」
「僕なんて畑中さんがいないと」
それこそだ。
「管理人なんて出来ないよ」
「全然っていうのね」
「実際にね」
それこそとだ、僕はすぐに答えた。
「僕も何も出来てないよ」
「頑張ってると思うけれど」
「いや、全然」
首を横に振ってだ、香織さんの言葉を否定した。
「僕なんてね」
「全然なのね」
「そうだよ」
本当にそれこそだと思っている。
「出来てないよ」
「畑中さんがあって」
「そうだよ」
本当にまさにだ。
「あの人がいないと僕何も出来ないよ」
「ううん、じゃあ畑中さんあってなのね」
「八条荘も動いてるんだよ」
「他にも助けてくれる使用人さん達がいてくれて」
「それでべ」
まさにだ、このことは。
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