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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第八十五話 浴衣その三

「サウナのことだったんだ」
「サウナで汗かいてな」
「それで身体を木の枝で叩いて垢落としてた」
「そうだったんだな」
「そうだよ、今は他の国みたいにお湯のお風呂もあるけれど」
 それでも今でもというのだ。
「やっぱりサウナ人気あるよ」
「サウナもいいよな」
「汗かいて身体の毒素出るしな」
「老廃物とかな」
「健康にいいんだよな」
「うん、ただ凄く暑いから」
 サウナルームの中はだ。
「水分補給とかには気をつけないとね」
「ああ、それはな」
「気をつけないとな」
「身体の為にな」
「そうしたことは」
「うん、けれど実際にサウナは身体にいいから」
 コズイレフ君は湯舟のお風呂を楽しみつつ僕達に話してくれる、どうやら今は湯舟のお風呂も好きみたいだと思った。その彼を見て。
「入るといいんだよね」
「じゃあ俺達もな」
「後でサウナ入るか」
「そこで汗かいてな」
「身体の悪いもの出すか」
「それで健康になるか」
「サウナも入って」
 コズイレフ君はまた言った。
「後はまただよね」
「ああ、晩御飯な」
「酒飲み放題だぜ」
「美味い海の幸も一杯出てな」
「今夜もそっちでも楽しめるからな」
「日本酒ね」
 このお酒についてだ、コズイレフ君はこんなことを言った。
「あれ僕苦手なんだよね」
「あれっ、ロシア人でもか」
「日本酒苦手なのか?」
「ウォッカよりアルコール度ずっと低いだろ」
 ウォッカは大体四十度だ、きついのになると九十六度とか九十七度とかとんでもないアルコール度のものがある。
「日本酒十五度だからな」
「ワインと同じ位だろ」
「じゃあウォッカよりずっと低いぜ」
「比較にならない位に」
「うん、けれどね」
 それでもとだ、コズイレフ君は僕達に言った。
「ウォッカと日本酒だとね」
「ウォッカの方が飲みやすいのか」
「そうなんだな」
「君にとっては」
「そっちの方が飲めるのか」
「日本酒は美味しいけれど」
 微妙な顔でだ、コズイレフ君は僕達にこう話した。
「あまり飲めないね」
「どうしてもか」
「日本酒は」
「そっちは」
「一升飲めないよ」
 とてもというのだ。
「ボトルで一本位が限度だよ」
「それだけ飲めたら充分か?」
「大体一升飲んだら相当だしな」
「うちの学園じゃ普通でもな」
「それでもな」
「うん、けれどね」
 それでもというのだ。
「僕にとってはね」
「ウォッカか」
「そっちの方か」
「こっちもボトル一本だけれど」
「ウォッカだからな」
「あの酒だからな」
 その強いお酒だ、もう強いお酒イコールウォッカというのが僕達の中ではかなり定着してしまっている。他に強いお酒は一杯あるけれど。 
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