おぢばにおかえり
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第三十四話 あちこちでその十七
「疲れるでしょ」
「結構以上にカロリー使いますよね」
「汗かくしね」
実際渡しも阿波野君も汗かいています。
「お顔洗ってね」
「はい、お水で」
神殿本部のです、神社のお水と同じ感じであります。
「そうしたらすっきりしますね」
「慣れてるわね」
「はい、何度かしてますから」
「最初膝痛くなったでしょ」
私は布と膝当てをなおしながら阿波野君に聞きました。
「そうでしょ」
「はい、本当に」
「それが慣れてくるのよね」
「そうなんですよね、不思議に」
阿波野君も膝当てとかをなおしながら私に応えました。
「膝が痛くなくなる」
「慣れるって凄いわよね」
「ええ、あれだけ痛かったのに」
本当に回廊ひのきしんは慣れていないとすぐに膝が痛くなります、このことは膝当てをしていてもですから不思議です。
そして
もっと不思議なことになのです。
「何回かしてるとね」
「普通に出来る様になりますね」
「そうでしょ」
「はい、今みたいに」
「それもまた面白いのよ、ただね」
「ただ?」
「阿波野君慣れる位にしてるのね」
またこう言いました。
「いや、そのことがどう考えても意外よ」
「これでも真面目ですよ」
「すかしら」
このことは疑問符で返してです、そのうえで。
私達は回廊ひのきしんを終えてです、それから二人で神殿を後にしてでした。そのまま詰所に一旦戻ることにしました。
そこで、です。阿波野君は私に言いました。
「これからも二人で」
「何か引っかかる言い方ね」
「あれっ、そうですか?」
「どういう意味よ」
「ですから言ったままで」
「また二人でひのきしんしたいっていうの」
「駄目ですか?」
私にお顔を向けて聞いてきました。
「それは」
「ひのきしんなら」
それならとです、私は返しました。
「別にね」
「じゃあ宜しくお願いしますね、ずっと」
「またそんな言い方するのね」
妙に気になる言い方でした、私はそんな阿波野君の言葉を聞きながらそのうえで二人で今度は詰所に向かいました。
第三十四話 完
2016・3・15
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