英雄伝説~光と闇の軌跡~番外編 アリサのお見合い篇
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エピローグ
~1週間後・トリスタ・第3学生寮~
「あ……………フフ、約束通りちゃんと来ているわね………読んだ後にそれぞれ返事を書かなくっちゃ…………」
1週間後、寮に戻ってきたアリサは自分の部屋番号のポストの中に入ってある2通の手紙――――リィンとエリゼ、それぞれからの手紙を見つけて嬉しそうな表情をし、自室に向かい始めようとしたが
「あら?みんな揃って何をして…………――――なっ!?」
広間でサラ達―――”Ⅶ組”の面々が1週間前の自分とリィンがデートしている様子の映像を見ている様子を見て驚き
「だって……………好きな人に…………………手作りの料理を……………食べて………欲しかったんだもん…………………」
映像はちょうどリィンの前で真っ赤にした顔を俯かせて途切れ途切れに呟くアリサの姿であった!
「うわ~!アリサ、すっごく攻めてるね~!」
「ま、まさかあのアリサさんがここまで変わるなんて…………」
「………どこからどう見てもバカップルとしか思えない。」
「この時点ではまだ恋人同士じゃなかったなんて、どう考えても信じられないわよね~。」
「フム………公衆の面前であれ程の告白ができる度胸は私にはないな……」
「アハハ………ふ、普通の人は大体そうですよ……」
映像を見ていたミリアムは興味深そうな表情をし、白い制服姿の女性生徒は顔を真っ赤にし、フィーは呆れた表情で呟き、サラは酒を飲みながら口元をニヤニヤさせ、ラウラが呟いた言葉を聞いたエマは冷や汗をかいて苦笑しながら答え
「単に周りが見えていなかっただけではないのか?」
「アハハ………確かにそれもあるかもね。」
「フッ、まさかあのラインフォルトがここまで積極的だとはな。」
ガイウスが呟いた言葉を聞いたエリオットは苦笑し、ユーシスは口元に笑みを浮かべ
「き、君達なあ………こんな事、本人に知られでもしたら大変――――あ。」
映像に注目してそれぞれ感想を言い合っているクラスメイト達の様子にマキアスは呆れた表情で呟いた後、真っ赤な顔で映像を見つめているアリサに気付き、マキアスの声を聞いたその場にいる全員はアリサに注目した。
「な、ななななななっ!?何なのよ、その映像は!?それに何でフェリスまで一緒になって観ているのよ!?」
一方アリサは真っ赤な顔で混乱しながら声を上げてリィンとデートをしている自分の様子の姿が映っている映像に向かって指を指した後白い制服姿の女子生徒―――フェリスに視線を向け
「わ、私はその……シャロンさんからアリサさんの親友である私に是非観て欲しいものがあると呼ばれたので…………」
視線を向けられたフェリスは顔を真っ赤にしながらチラチラと映像を観ながら答えた。
「うふふ、先週”ラインフォルトグループのとある社員”がその場にいて”たまたま”録った映像ですわ♪ご学友の方達にお嬢様の恋の行方を是非知って欲しく”ラインフォルトグループのとある社員”が皆さんをお呼びしたのですわ♪」
「誤魔化すんじゃないわよ、シャロン!!どう考えても貴女の仕業でしょうが!?その映像を今すぐ消してそのビデオの中に入っているデータを全て抹消しなさ―――――――いっ!!」
そして微笑みながら言ったシャロンの話を聞いたアリサは顔を真っ赤にして怒鳴ったが
「うふふ、ちなみに”ラインフォルトグループのとある社員”が気をきかせて、アリサお嬢様がお世話になった”特務支援課”の皆様にお嬢様の恋の行方をみせて差し上げる為や両帝国の皇帝陛下宛てにお二人が婚約した”証拠”をみて頂く為に、同じ映像を既に送付してあるとの事ですわ♪」
「なっ!?」
シャロンの話を聞いて絶句した。
「リィン……ん………好き…………ちゅる………大好き……!……………ちゅ…………愛している……!………ん…………ちゅ………ちゅる……………!」
するとその時映像はアリサがリィンを抱きしめて深い口付けをしている場面になった!
「な、ななななななっ!?」
「………………………」
「こ、これは………」
「ア、アリサ………」
「ほう……………?まさかラインフォルトがここまで情熱的な性格をしているとはな。」
映像を見たマキアスは顔を真っ赤にして混乱し、フェリスは顔を真っ赤にして映像を凝視し、ガイウスは目を見開いて驚き、ラウラは顔を真っ赤にして口元に笑みを浮かべたユーシスと共にアリサを見つめ
「す、凄すぎるね、アリサ………姉さんが観ている恋愛映画のシーンの一部とそっくりだよ………アハハ………」
「ま、まさに相思相愛ですよね……アハハ………」
エリオットとエマは大量の冷や汗をかいて苦笑しながらアリサを見つめ
「バカップル極まれり……だね。」
「もしかしてクレアちゃんも”黄金の戦王”と似たような事をしているのかな~?」
フィーは呆れた表情で呟き、ミリアムは興味深そうな表情で映像を見つめながら呟き
「フフ、それどころかもっと凄い事をしているわよ♪……というか観ていて気になったんだけど、ホラーコースターやゴンドラの中での出来事とかどうやって録ったのよ……まさかとは思うけど”結社”の技術とかで作られた特製のビデオとかじゃないでしょうね?」
「うふふ、それは企業秘密ですわ♪」
からかいの表情で言った後ある事に気付いて呆れた表情で自分を見つめて尋ねるサラの疑問を聞いたシャロンは笑顔を浮かべて答えを濁した。
「キャアアアアアアアア――――――――ッ!?お願いだから早くその映像を消――――――し―――――――て―――――――――――ッ!!」
一方リィンと深い口付けを交わしている自分の映像を見たアリサは真っ赤にした顔で悲鳴を上げた!
~同時刻・リベール王国・ロレント郊外・メンフィル大使館~
「―――失礼します。リウイ様、ラインフォルトグループ会長の秘書の名前でリウイ様当てに荷物が届いておりますが……」
同じ頃荷物を持ったペテレーネがリウイとイリーナがいる執務室に入った。
「ラインフォルトグループが俺宛てにだと?………待て、確かラインフォルトグループ会長の秘書は元”執行者”ではなかったか?」
「えっと確かシャロン・クルーガーという名前の方でしたよね……?」
「はい。勿論予め検査をしましたが毒物や爆発物の反応はなく、荷物と一緒に届いてきた手紙には『ラインフォルト家とシュバルツァー家が婚約した証拠を念の為に送付させて頂きました』……と書いてあるのですが……」
リウイとイリーナに聞かれたペテレーネは戸惑いの表情で答えた。
「まあ………私達が解除した制限やクロスベル帝国との取引を撤回されない為ですかね?」
「その件は通信各社によってゼムリア大陸全土に知れ渡っているというのに、そこまでするか……?ハア………まあいい、とりあえず中を見ればわかるだろう。――――ペテレーネ。」
「はい、リウイ様。」
ペテレーネの話を聞いたイリーナは目を丸くした後不思議そうな表情をし、リウイは呆れた表情で溜息を吐いた後ペテレーネに視線を向け、視線を向けられたペテレーネは荷物の中を開けてデータディスクを取り出した。
「映像データか。―――再生してくれ。」
「はい。」
そしてペテレーネはデータディスクを映像をみせる装置に入れ、リモコンについている再生ボタンを押そうとしたが
「あ……す、すみません……誤って早送りのボタンを押してしまいました。」
誤って早送りのボタンを押してしまい、その事に気付いたペテレーネは申し訳なさそうな表情でリウイ達に謝罪し
「別に気にしなくていい。早送りした場面から再生してくれ。」
「はい。」
リウイの指示を聞いた後そのまま再生ボタンを押した。
「リィン……ん………好き…………ちゅる………大好き……!……………ちゅ…………愛している……!………ん…………ちゅ………ちゅる……………!」
するとアリサとリィンが深い口付けを交わしている瞬間の映像が映った!
「まあ…………………」
「あわわわわわわわわっ!?」
「………………………」
衝撃的な映像を見たイリーナは頬を赤らめて目を丸くし、ペテレーネは顔を真っ赤にして混乱し、リウイは石化したかのように固まった!
「す、すみません、リウイ様っ!!す、すぐに消します!!」
そして我に返ったペテレーネは慌てた様子でリモコンのボタンを押して映像を消した。
「え、えっと………た、確かに今の映像を見たら二人が婚約したことがわかりますね……」
映像が消えるとイリーナが冷や汗をかいて苦笑しながら呟き
「リ、リウイ様……どうしましょうか、この映像が入ったデータは………」
ペテレーネは顔を赤らめながらリウイを見つめて尋ね
「………同じ婚約者であるエリゼに渡しておけ。」
尋ねられたリウイは頭痛を抑えるかのように片手で頭を押さえながら疲れた表情で指示をした。
~同時刻・オルキスタワー~
「リィン……ん………好き…………ちゅる………大好き……!……………ちゅ…………愛している……!………ん…………ちゅ………ちゅる……………!」
「あらあらまあまあ♪若いっていいですね♪」
「ガッハハハハハハッ!この様子なら破局はありえんだろうな!」
同じ頃オルキスタワーでとアリサとリィンが深い口付けを交わしている瞬間の映像を見ていたルイーネは微笑み、ギュランドロスは豪快に笑い
「うふっ♪リィンも隅におけないわね♪」
「あの二人は御愁傷様としか言いようがないですよねえ………」
エルファティシアはからかいの表情になり、アルは苦笑し
「フッ、情熱的なキスだがまだまだ技術が足りんな。もっと舌をからめる必要がある上、リィンもリィンだ。既にエリゼとしている経験があるのだから、例え向こうがしてきても男としてリードしてやるべきだろうに。」
「ヴァイス様………それ以外に言う事はないのですか……?」
「何を呑気に映像の評価をしているんですか!?それにギュランドロス様とルイーネ様もこ、こんな破廉恥な映像で呑気に笑わないで下さい!」
静かな笑みを浮かべて呟いたヴァイスの言葉を聞いたリセルは呆れた表情で溜息を吐き、エルミナは顔を真っ赤にして怒鳴った。
~同時刻・特務支援課~
「リィン……ん………好き…………ちゅる………大好き……!……………ちゅ…………愛している……!………ん…………ちゅ………ちゅる……………!」
「こ、これは………」
同じ頃特務支援課のビルでアリサとリィンが深い口付けを交わしている瞬間の映像を見ていたロイドは大量の冷や汗をかきながら表情を引き攣らせ
「す、凄すぎるわね、アリサさん……手料理をリィンに食べさせた時や他の人達もいるにも関わらず告白した事も凄いと思ったけど、まさかここまでするなんて…………」
「情熱的です………」
「わあ~、二人ともすっごくラブラブだね♪」
エリィは冷や汗をかきながら苦笑し、ティオは頬を赤らめ、キーアは無邪気な笑顔を浮かべ
「というかホラーコースターやゴンドラの中とかどうやって録画したんだろうね~?」
「もしかして遠方でも近くで見えるように調整して録画できる新型のビデオでしょうか?」
「いえ、ラインフォルトグループが開発した試作品のビデオかもしれませんよ?これ程の新機能を持ったビデオはまだ市場に出ていませんし……」
首を傾げて呟いたシャマーラの言葉をきっかけにエリナとセティは真剣な表情で話し合い始め
「あのなあ………今の映像を見て他に思う所はなかったのか……?」
シャマーラ達の会話を聞いたロイドは呆れた表情で指摘し
「畜生――――――――――――――ッ!リア充野郎が―――――――――――――――ッ!!」
ランディは悔しそうな表情で声を上げた!
こうして…………リィンとのお見合いは互いが相思相愛との仲になって、婚約は成立し………その事によって倒産の危機に陥っていたラインフォルトグループは完全に立ち直った。3人の仲も良好で一ヶ月に二回は必ず会って一回目はリィンと二人っきりのデートをし……二回目はエリゼも加えて三人でデートをし……それぞれの夜は必ず愛し合った……………そして数年後3人は家族や多くの仲間達や知り合い達から祝福されながら結婚式を挙げ、幸せな家庭を築いた……………………
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