レインボークラウン
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第三百六十一話
第三百六十一話 おやつの後で
おやつを食べてだ、梨花は自分の部屋に戻った。そのうえで予習と復習の用意をしつつ使い魔達に対して言った。
「わかったわ」
「真実が、ですね」
「全て」
「ええ、そうよ」
ピエールとジュリエッタに対して笑顔で答えた。
「見ているだけでわかってね」
「はい、私達も見ていました」
「ご主人様と共にいましたので」
二匹も答える、使い魔は主の傍に常にいる。主の服のポケットに隠れていたり足元に目立たない様にして共にいるのだ。
「それで、です」
「見させて頂いていました」
「そうよね、いや見ていくだけでね」
まさにというのだ。
「わかったわ」
「そして遂にでしたね」
「利奈様ご自身のお言葉からわかりましたね」
「他ならぬあの方のお言葉から」
「はっきりとわかりました」
「そうね、これはって思っていたら」
それがとだ、梨花は二匹に微笑んで話した。
「まさにその通りだったわね」
「塾に通われてですね」
「成績が上がった」
「それで利奈様は上機嫌でしたね」
「ご主人様が見られていた通りです」
「魔法は使うべきだけれどみだりに使わずに」
梨花は今田先生と今日子先生に言ってもらった言葉をここでまた出した。
「見てそうして考えることも大事」
「魔女は頭を使うもの」
「見て考えていくこともですね」
「だからこそですね」
「ご主人は今回はそれに徹されてでしたね」
「わかったわ」
まさにとだ、また言った梨花だった。
「考えるべきね」
「そうですね、見てですね」
「考えていくべきですね」
「魔法を使うよりも
「そうあるべきですね」
「そのことがよくわかったわ」
あらためて言った梨花だった。
「いや、よかったわ」
「見て考えることも魔女」
「魔女のやるべきことですね」
ピエールとジュリエッタも考える顔で言う。
「魔法を使うことも大事ですが」
「それも大事ですね」
「そうね、見て考えてそして推理する」
推理のことも言葉として出した。
梨花は今回自分が推理をしているつもりはなかったが自分が見てそうではないかと考えていたことが当たったことに嬉しく思っていた、そのことを心から喜んでいた。
第三百六十一話 完
2016・7・21
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