サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜
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シルフ社員:「どうもすいませんっ」
サトシ:「今後は気をつけますっ」
ミドリ主任:「お2人とも
お気をつけてくださいねっ、、、あら?」
サトシ:「?」
ミドリ主任はサトシの顔を見ると
不思議な顔をした。
サトシ(しまった!
ここの清掃員じゃない事バレたか!)
危機に陥り、冷や汗をかくサトシ。
ミドリ主任:「あなた〜、、、」
サトシ(やべぇぞ、、、)
ミドリ主任:「どこかで
お会いしませんでしたっけ?」
サトシ:「へ?」
ミドリ主任が発した言葉は意外な一言だった。
ミドリ主任:「、、あっ、
人違いでしたらすみませんっ。」
サトシ:「あっ、、、いえ」
サトシ(誰だ?)
ミドリ主任:「、、、フフッ」
サトシ:「ん?」
ミドリ主任:「あっ、すみません。
、、ちょっと、昔の事を思い出しまして、、」
シルフ:「それじゃ、運びますねっ」
サトシ:「昔の事、、ですか?」
ミドリ主任:「えぇ、、、。
私がまだ若い頃に出会った、
里を守ってくれていたポケモンと、
そのポケモンを受け取ってくれた
少年トレーナーの事を(笑顔)」
サトシ:「少年トレーナー、、、」
ミドリ主任:「”あの事件”(消滅事件)が
無かったら今頃きっと、
立派なポケモントレーナーになって
たんだろうって、、、今なら思います(笑顔)」
サトシ:「あの事件、、、」
サトシ(どんなトレーナーだったんだろう。
、、って言うか、ミドリ主任、、
清掃員にもこんなに優しいんだっ)
ミドリ主任:「、、あっ、すみません!
お仕事の手を止めてしまいましたわねっ。」
サトシ:「あ、いえ!」
ミドリ主任:「ポケモンを送り出す寂しさは
今も昔も変わらないけど、
”人とポケモンの心を繋ぐ”、、、。
それが、私達の仕事なんですっ(笑顔)
あの時のポケモンも、あの少年トレーナーに
出会って大事にされてたらいいなぁっ」
bbbbb bbbbb(緊急ブザー)
サトシ(あっ、ヒロシだ!、、はっ!
シルフ社員がいない!)
サトシは主任と話し込んでいる間に
シルフ社員を見失っていた。
ミドリ主任:「じゃあ、私は仕事に
戻りますねっ。、、いつもお掃除、
ありがとうございます(笑顔)」
サトシ:「あっ、、いえ!
いつもお勤め、お疲れ様です!
ではっ、自分もこれで!」
ダッ
サトシは走り出した。
ミドリ主任:「、、ほんとそっくりっ(笑顔)
、、、フシギダネ、、懐かしいわっ」
クルッ
スタスタ
ミドリ主任は走るサトシを見つめ微笑んだ後、
仕事場に向かって歩いた。
サトシ:「ミドリ主任!」
ミドリ主任:「?」
ミドリ主任はサトシの声を聞き振り向いた。
サトシ:「そのトレーナー!、、、
きっと、そのポケモンを大事に
してたと思います!、、、だって、
ポケモンを貰って嬉しくない
トレーナーは居ないと思うから!
、、、そのポケモンも、きっと
トレーナーと一緒に居れて幸せ
だったと思います!」
ミドリ主任:「、、、あらっ(笑顔)」
サトシ:「あと、、人とポケモンの旅は
まだ終わっちゃいません!
ポケモン達はいつか、、、いつかきっと、
この世界に戻ってきます!
みんなで力を合わせれば、、きっと!」
ミドリ主任:「、、、クスッ。
、、、まるで、、、まるでなんかっ
世界を変えるヒーローみたいですねー!!」
サトシ:「変えるんですよっ!!
俺はヒーローじゃないけど、、、でも、
人が暗闇に手を伸ばせば、
ポケモン達はきっと光になって、
この世界に帰ってきます!俺はそう信じてます!」
ミドリ主任:「、、、」
サトシ:「それじゃあっ!」
ダッ
ミドリ主任:「、、、待って!!」
サトシ:「?」クルッ
サトシが振り向くと、、、
ミドリ主任:「受け取って下さーい!」
スッ
サトシ:「!」
パシッ
サトシ:「これは、、、」
ミドリ主任が遠くからサトシに投げた物、
それは、、、
サトシ:「モンスターボール、、、。
あのっ、、これは!?」
ミドリ主任:「大事にして下さいねー!」
サトシ:「いやっ、、、でもっ!」
ミドリ主任:「貴方に!、、、貴方に、
私の世界を託しまーーーす!!」
サトシ:「!」
ミドリ主任は、まるで何かを悟ったような
顔をしていた。
サトシ:「ミドリ主任、、、。
必ず、、、必ず、ここに返しに来ますから!
そしてみんなの世界も!」
スッ
サトシはミドリ主任に深くお辞儀をし、
トラックの元へ走り出した。
ミドリ主任:(お願いねっ、、、)
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