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ヨハンだがこんな状況を覆す

作者:刀の道
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戦に関わったものの最低条件


  リヒティ君が目覚め、ある部位の復活と共にロケットパンチ等が着けられた事に気が付き一悶着。
 その後、ロックオンが目覚めるまで約一か月…イオリア達と機体のチューニング案を俺達は話していた。

 無論、イオリアの事は秘密という事にしてもらった。それに彼はあの組織でやるべきことは全て行った。
だからこそ、やりたい事をやってこれからを過ごしたいらしい。


 「まず問題はだ、このプラズマジェネレーターの生成電力速度に疑似太陽炉が耐えられるのかだが…」

 「(ふむ……、どうなのだイオリア、私の考えが正しければ一定ラインを超える事が)」

 「(不可能だ、核を封じてきた私だが、この動力が生み出す速度に太陽炉が耐えられないだろう。間違いなく爆発する。)」

本来この世界には存在しない異物。その技術を予想する事は厳しい。

 「(だが…、これ以外にも問題は存在している)」

 「最大粒子生産量と圧縮率か」

 「(そうだ、オリジナルもそこが解決できなかった。打開策としては貯蔵しておく方針を取らざる終えなかった。
 以前の戦闘データを見たが、あの機体の本来の力を発揮できてはいなかった。今後は絶対条件として生成量は欲しい)」

 「(だがオリジナルと同じ手段を取っても意味がない。…ヨハンお前の考えは?」

 「まず、電力の生成速度には追い付かなければ我々の武器が生きてこない。
 それと、俺の機体のドライヴはサイコミュを入れた方がいいだろう」

 「(どういう事だ?たしか脳波を……まさか!!)」

気が付いたか。

 「儂も知ったときは驚いたものだ。だが理に叶った案だ。性質上、始動機が必要なのだからな」

俺は事前にエイフマンに可能なことなのか聞いていた。これが可能なら事実上、オリジナルの欠点!改良不可ではない半永久機関になり得る。
 
 「(成程、ならば融合はどうだろうか?」

 「(おもしろい。別々の装置ではなく発生した電力をそのまま変換する気か)」

 「粒子を余らせる可能性がある。コンデンサーが必要だな」

 「(話のわかる者たちがいると楽しいものだ)」


その後も、様々な改良案を出し一度制作してみる事になった。



――――――――――――――――――――


 医療設備ルーム

 

 俺達は、モレノさんが大凡の状態を、診断し終えた知らせを受けて話を聞きに来た。

 「結果から言えば奇跡的に大きな異常はなかった」

その声に安堵の息を洩らすリヒティ達。だが俺達は察していた。異常はあるのだと。気配が言葉より雄弁に物語っていた。

 (やはりか、傷を押しての戦闘。しかも更に負傷した…普通なら生きてる事が不思議なぐらいだ)

ビアン、わかってるさ。だが言わなければならない、本人を前にして沈んだ顔など辛いだけだ。

 「大きなという事は何か異常はあったという事だな」

 「あぁ、利き目の視力が格段に落ちている。良くなるのかはわからない…残念ながらな」

リヒティとクリスはショックな様子だった。
それはそうだ。仲間が事実上の戦力外と言われたようなもの。


 「多分、兄貴も言うだろうけど。そんな顔は本人の前ではするなよ、同情なんてあいつも望んじゃいない」

 「あたし達もだけど、そうなる可能性がありながらも選んだのは自分。って感じね」


さすがミハエルとネーナだな。兄として誇らしく思う。お前はどうだビアン?

 (私は、少し教えただけだ。この道を選び育ったのはお前たちの力よ。それが答えだ)

子は親から学ぶのさ、どうあるべきかを。


 「その通りだ。リヒティ、クリス頼んだぞ」

二人はただ力強く首を縦に振った。



―――――――――――――――――――――


 
 「そろそろ起きるぞ」

 「ん、っん~…ぅーこ、ここは」

 「私たちの艦です。ここは」

 「なに?!…っつどういう事だ。俺は…それに、リヒティ達まで」

 「我々が救助しました。貴方もですよ、ちなみに弟がね」

 「へ!お前も覚えてんだろ死神みたいなガンダム、ありゃ俺だ」

 「ハ?おいおいまじかよ…ってそう言えば組織は、それになんでここにいるんだ」

まだ覚醒して直ぐなのに気が付くか。


 「俺達の母艦はまぁ俺とクリス、モレノさんがいる事でわかるかもですが大破。今はバラバラっす」

 「それと、大破したのがあの後の戦闘でね…結果的には負けって事になるのかな」

 「なんだと!おい、連絡はつかないのか?!」

 「行ってどうする」

 「決まってんだろう。仲間を…」

俺はモレノさんに目で伝えていいか、問いかける。 答はOK。


 「探すか、何も手段がないのにか?」

 「ハッ!そうか俺のガンダムは…くっそ!」

 「何より自分の利き目を確かめてみろ。とてもじゃないが戦えない」

ロックオン、今はマイスターではないだからこそ、こういうべきだろう。

 「分かったか、ニール・ディランディ。今の君では例え、君の相棒と一緒に戦っても以前と同じ結果になる」
 

 「ロックオン、ロックオン」

 「は、まさか目がやられてるとはよ…」

 「そしてもう一つ、あの戦いはあの後の一戦で蹴りがついている。それを蒸し返す等ナンセンスだ」

 「……オーライ、しょうがねぇさ覚悟の上だ。で、どうすればいい?」

モレノさん。俺は目で促す。

 「まず、君の目が今後失明するのか快方に向かうかは未知数だ。
 それと彼らは彼らで動いている。とだけ言っておこう」


最後のモレノさんの話で、幾分気持ちは楽にはなったか。

 「(ニール君、君は戦う道を選んだ。どうあれ、戦を始めた者には責任がある。それがどんな形であろうともだ)」

 「降りることは許されない。だが丁度我々は人員を欲している。さぁどうするニール・ディランディ」

 「…へっ、俺はもど「言い忘れたが戻るのは不可能と言っていい」」

 「「どうして(っすか)?!」」

 「簡単に言えばヴェーダを奪われたのは知っているな?」
それに頷かずとも、当に知っている。といった表情だな。


 「で、黒幕がいると分かっている中。外に行くのは安全かな?」
 「そして、君たちの支援者の小娘。俺はあいつも信用していない」


 「どうして、王留美の事まで…」

 「独自のネットワークの賜物。とだけ言おう、問題は彼女がしていることだ」

幾つかの資料を見せる。
そして、驚愕のCB一行。

 「簡単に言えば子供の癇癪で人の命を軽んじる物だな。
 自身はただ眺めている傍観者気分。その癖、自身の環境が気に入らないからと世を変えるという愚かな発想」

 「どう思う、俺ならばこの餓鬼のために危険な目にあう。命をかける。馬鹿らしい、唾棄すべき汚物だ。
 自分の力を行使するでもなく、他力本願で誰かの死を願う。ドブの臭いが鼻につく」


 「それで、どうする。さぁ 答えを聞こうCBの人員諸君。
 帰れるか分からず、帰っても足手まといとして惨めになるか ニールを見る
 自身の幸福を捨て、泥沼の橋を渡るか… リヒティ・クリス・モレノ

 さぁ!答えを聞こう。何も俺はいじめたい訳じゃない。ただ命をかけた先、死んだとして納得できるかどうかだ」


 「俺はこっちに残るぜ」 「私もだ」 「俺(私)も」

即答か…

 「まぁここには妹がいるしな。命をかけるには十分さ」

 「見たい物があるんでな」

 「今は無理でも会えないとは言ってないし」 「それに、休暇もいいかなって」


俺達三人は互いに顔を見合わせ、笑みを浮かべ告げる。

 
   「お見事だ」

 「「ようこそ!!自由な炎、FFへ!」」


 (眩しい物だな、だが、だからこそ人間足りうる)
ああ、さすがだなビアン。奴らはやっぱり、誇りと矜持ある変革を促す者たちなんだろうよ。



 世界には、ゆっくりとだが戦の音が近づいていた。 
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