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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第八十三話 海での午後その十一

「何かありそうな」
「そんな気がするけれど」
「どういうことかな」
 僕も気になってきた、二人の話を聞いて。
「これって」
「さあ、とにかくね」
「それ何かあるわよ」
「ちょっと考えてみたら?」
「調べられたら調べて」
「そうしようかな、それにしても」
 僕はまた言った。
「お袋とはそれっきりでね」
「どうしてるかもなのね」
「わからないのね」
「実家に帰って」
 本当にだ。
「それから会っていないんだ」
「何かありそうね」
「冗談抜きでね」
「それでお母さんの家とかは」
「何処で何やってるのか知ってるの?」
「福島だったかな」
 お袋の出身地、そして実家はだ。
「そこでね」
「何やってる人なの?」
「それで」
「ええと、何か資産家らしいけれど」
 それでもだ。
「お袋も話してくれなかったし親父もね」
「義和にお話してくれなかったの」
「そうだったのね」
「そうなんだ」
 今もだ、色々なことを明るく饒舌に話してくれる親父だけれど。
「これがね」
「本当に不思議な話ね」
 ダオさんも眉を顰めさせて言った。
「これは」
「そうだよね」
「やっぱり何かあるわ」
 ダオさんは断言した。
「これはね」
「じゃあ何かな」
「そこ知ってる人いる?」
「ううん、そこから考えようかな」
「そうしたらいいわ」
「じゃあね」
 僕はダオさん達とそうした話をした、そしてだった。
 そうした話をしながらだ、僕達はバスケ部の皆と一緒にビーチバレーとか他の遊びを楽しんだ。そしてその中で。
 美沙さんのレシーブが決まった、対戦していた詩織さんはその一撃を横目で見て言った。
「お見事」
「よかったでしょ」
「ええ」
 ピンクのビキニ姿で美沙さんに答えた。
「今のはね」
「バスケ部だけれど」
 美沙さんは会心の笑顔で詩織さんにまた言った。
「こっちもなのよ」
「得意なのね」
「球技自体が得意なのよ」
「そうなのね」
「だからビーチバレーもこうなのよ」
「そういうことね、じゃあ」
「ええ、まだまだやるわよ」
「こっちも美沙程じゃないにしても」
 それでもとだ、詩織さんは美沙さんに不敵な笑みで返していた。 
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