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魔法少女リリカルなのはStrikerS~時を操る精霊龍を持つ青年の物語~

作者:ガタック
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第2話:暴れる赤薔薇の精霊龍!

 
前書き
 お任せしました。
 今回は光太の前に時の精霊龍とタイトルに書かれている精霊龍と白い悪魔とのファーストコンタクトです。
 それでは第2話どうぞ! 

 



「っ!?何だ!?」

 突然、地面が揺れ始めたことに光太は驚いていた。

「地震!?」

 地面の揺れ方が〝地震〟であることに気付き、光太は先程、店で出会ったはやてのことを思い出した。

(今、彼女に会うにも、この地震が収まるまで、何処かに避難した方が良いな)

 そこまで考えると、光太はとりあえず、何処か安全な場所に避難する為、移動しようとした。

 ―――その時、

『―――――貸して下さい!』

「っ!?」

 突然、光太の耳に“声”が響いた。

 それに気付いた光太は耳を澄ませ、声の主を辿ろうとした。

『私に力を貸して下さいっ!』

 その声は幼く、少女…と言うより、少年の声に近く、今度は光太の耳にはっきり聞こえた。

 その時、そこで自分のデッキケースが光っていることに光太は気付き、デッキケースを開けて、一枚のカードが輝いていた。
 そのカードを取り出し、光太は驚いてしまった。

「お前なのか?」

 何故なら、そのカードは先程光太をこの世界、ミッドチルダに飛ばしたカード―――《時の革命 ミラダンテ》だった。





 時間は少し経過し、地震が収まった所で光太はミラダンテの話を聞いていた。

「つまり、こう言うことか?」

 光太はミラダンテの話を自分なりにまとめてみた。

 大昔、ミラダンテ達の住む『クリーチャー世界』で“侵略者”と名乗る異質のクリーチャー達が突如、襲い掛かり、それに対抗する為、ミラダンテを始め、多くの“革命軍”が侵略者と死闘を繰り広げていた。

 しかし、その裏で彼ら、侵略者を操っていた“ある科学者”が封印された存在、“禁断”を解放した。

 その影響で、ミラダンテやミラダンテ達の仲間、他の革命軍、ましてや侵略者までも多くのクリーチャー達が禁断による力によって封印された。

 唯一、ミラダンテのみ、遥か先の未来……光太達の住む地球にカードとして転生した。だが、ミラダンテの仲間や他の革命軍は皆、ミラダンテとは違う世界に転生されていることを“アウトレイジ”と言う種族の、無法者の一人がミラダンテと同じ“時を操るクリーチャー”だったので、彼の情報を頼りにこの世界に飛んだ、と。

「こんな感じか?」

『大体は合っています。…が、少し補則を入れますと、私はあの時、外に出ることが出来なかったので、ずっとその時を待っていました。…が、まさか、あなたのような人間を巻き込んでしまって、本当にすみません』

「いや、気にしてないよ。全然」

 ミラダンテは光太を巻き込んだことに深く謝罪した。
 対する光太は気にしてないと、ミラダンテにそう言った。

「それに君の話を聞いて思ったんだけど、俺に声を掛けたのは、もしかして、君一人じゃ、仲間を探せないのか?」

『いえ、仲間を探すことはできます。…が、問題なのは、その後です』

「その後…?」

 ミラダンテのその言葉に光太は疑問に思い、ミラダンテに問い掛けた。

『はい。実はほとんどの革命軍が皆、暴れているのです』

「何だって!?」

 ミラダンテの意外な言葉に光太は驚いてしまった。

『先程の地震も私の仲間が起こさせたものです』

「ちょっと待て!それって、まさかと思うが…!」

『その、まさか、です』

「っ!?」

 再び地震が揺れ始め、光太はミラダンテに声を掛けた。

「ミラダンテ、もしかしてこれって…?」

『はい。私の仲間が近くで暴れています!』

「場所はわかるか?」

『あなたの後ろです!』

「…えっ?」

 ミラダンテのその言葉に光太は一瞬固まった。
 そして、恐る恐る後ろを振り向くと……

「っ!?あれは…!?」

 そこには左右の胸にそれぞれ赤いバラがあり、その間に拳のような紋章があり、両手に杖のようなものを持った二足歩行の巨大な白い龍がいた。

「《赤薔薇の精霊龍 ジェネラローズ》っ!?」

 それを見た光太は見覚えがあった。
 何故なら、目の前にいるクリーチャーはミラダンテと同じ〝革命軍〟の一人なのだから。

「うおおおぉぉぉぉぉっ!」

「おいおいおいおいっ!?あれ、どうするんだ、ミラダンテ!?」

 雄叫びを上げるジェネラローズを見て、光太は問いただした。

『とりあえず、安全な場所に避難して下さいっ!』

「了解!」

 ミラダンテの返事を合図に光太はこの場を離れ、近くの木に隠れた。

 その間、ジェネラローズは両手に持つ杖を振り回し、建物を切っていた。

「ん?あれは…?」

 その時、白い服に左手に杖のようなものを持ったツインテールの茶髪の女性がジェネラローズに近付こうとしていた。

『不味い!今、ジェネラローズに近付いてはいけない!』

 光太のデッキケースからこっとり、それを見たミラダンテは女性に叫ぶが、女性の耳に届く訳もなく、杖を前に出し、桃色のエネルギー弾を数発放った。

「っ!?」

 だが、彼女が放ったエネルギー弾がジェネラローズに全く効かず、それを見た光太は駆け出した。

『光太、一体何を!?』

「何って、彼女を助ける!」

『助けるって、どうやって!?』

「知るか!とりあえず、彼女を助ける!それだけだ!」

 ミラダンテの制止を強引に突き放し、光太は目一杯、力のある限り走った。

『…っ、やむを得ません。光太、このままジェネラローズに接近して下さい!後は私に任せて下さいっ!』

「わかった!」

 ミラダンテの提案に光太は即座に返事を返し、ジェネラローズに近付いた。

 その時、

『デュエルゾーン!展開っ!』

 光太とジェネラローズ、そして、ツインテールの女性は謎の光によって姿を消した。





「ん?ここは…?」

『ここは「デュエルゾーン」。簡単に説明しますと、結界みたいなものです』

「お前…もしかして、ミラダンテ…か?」

『はい』

 突如、謎の光によって光太は目の前の光景に疑問に思い、それを隣で聞いたミラダンテは光太に分かりやすく説明するも、ミラダンテの姿を見て光太は一瞬、彼がミラダンテかどうか、分からなかったが、すぐに返事が返ってきたので、彼がミラダンテであることは間違いではない。
 実際、カードで見た時のミラダンテの絵柄を見ると、今のミラダンテの姿は小さい。

『それよりも光太、前を見せ下さい』

「前…?っ!?」

 ミラダンテのその言葉に光太は前を向くと、そこには先程町で暴れていたジェネラローズがいた。

「ミラダンテ、これは?」

『ここは「デュエルゾーン」。先程も言いましたが、ここは結界のようなもの。…ですが、この結界を解くには、どちらかがデュエマに勝つことです』

「デュエマに勝つこと…」

『はい。そして、デュエマに勝てば、彼の目を覚ませる筈です…!』

 曖昧な説明だが、ようはデュエマに勝てば、暴れているジェネラローズの目を覚まし、この空間からも抜け出せ、尚且つ、町にこれ以上、被害が出ることはない、と。

「分かった。それなら、俺がアイツとデュエマする…!」

『良いのですか?自分で言うのも可笑しな話ですが、君をこのまま、もとの世界に帰すことができます。それでも、君は戦いを選ぶのですか?』

 光太の決意に、ミラダンテは戦う必要もないと、そう言った。

「良いさ。どっち道、向こうに帰っても、退屈な日常を過ごすんだ。それより、非日常(こっち)の方が色々楽しめるし、それに…俺はもう後悔したくないんだ…!」

『……分かりました。それなら私も戦います!これは私の戦いでもあります!』

 光太の決意の塊に、ミラダンテは光太のデッキに入った。

「良しっ!それじゃ…」

 準備が整った所で光太は気合いを入れようとした。

 ―――だが、

「あのー」

 一人の女性の掛け声で全てが壊された。

「ここ、どこですか?」

「……えっ?」


 
 

 
後書き
 はい。今回はここまで。

 次回は異世界での光太の初デュエマです。

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