聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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1部分:プレリュード
プレリュード
プレリュード
冥皇ハーデスとの聖戦から二三〇年が過ぎた。現在の教皇であるシオンと童虎の二人を除いて全員倒れてしまったこの戦いから聖域は復興しその聖闘士の数もかなりのものになっていた。
そして今。聖域の中心でありその象徴とも言える十二人の黄金聖闘士が全員揃うことになった。彼等はその殆どがまだ若く活気に満ちた少年達だった。聖域は彼等の黄金聖闘士就任を心から祝福した。だが一人その中で暗い顔をしている男がいた。
スターヒル。聖域の奥深くにありアテナ神殿のさらに奥にある。教皇しかそこに入ることはできない絶対の場所であり今この断崖絶壁の上に白い法衣と黄金色の兜を被った仮面の男がいた。
彼こそが教皇シオン。先の聖戦で生き残った牡羊座、アリエスの黄金聖闘士であり長い間聖域の教皇を務めその復興にあたり今に至る。その彼が夜空を見上げていた。
夜の空は濃紫でありそこに赤や青、白の星達が瞬いている。一見すると眩く美麗な星空であるが彼はその中で仮面の下の顔を曇らせていた。そのうえで呟くのだった。
「赤い星が動いた」
不吉なものを感じ取っている声だった。その声を発した後で踵を返しそのまま己のいる教皇の間へと戻って行った。その星空には一つの星が赤く大きな姿を見せていた。それは火星、戦乱の星であり戦皇アーレスの星であった。その星がこれまでになく大きく、そして禍々しい光を放っていたのだ。周りに幾多の凶星達を従えて。
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