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fate/EX=zero

作者:zeron
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天才少女の月旅行
  1回戦閉幕

 
前書き
やっと1回戦終了です

2回戦目からは臙条 巴となぜか遠坂時臣の出番が多くなるかも?
 

 
狂っている騎士が居ました

騎士は自分の姫を探していました

騎士はある町で自分の姫を見つけました

しかし不運なことに巨大な敵が現れたのです

騎士は果敢に敵と戦いましたが負けてしまいました

目を覚ました時には姫はどこにもいませんでした

騎士は姫をまた探しました

数年の旅の果てに

騎士は姫を見つけました

しかし姫は町の青年と結婚していました

騎士はその姫に 「お前など私の姫ではない」と言い放ち手にしていた武器を…………






























目を覚ますとそこにはいつも通りバーサーカーが居る

もう気にしない

「おはようバーサーカー」

体を起こそうとするとずぃっと顔を近づけてくる

「…?」

何がしたいんだ

「偶発的な朝のキスはどうでしょう?」

ほぅ、故意に起こすのに偶然と言えるのだろうか?

「決戦日くらいは真面目にならないのかなぁ、この狂戦士は」

魔術回路の調子を確認する

今日は中々良好だ

「あんな筋肉ムキムキなだけのサーヴァント真面目に戦うほどの相手ではありませんよ」

それにバーサーカーが真面目に戦うわけないですしね とバーサーカーは付け足した

「まぁ、それはそうだけどね」

さて、昼ごろには決戦だ

今のうちにアイテムや礼装の見直しをしなくては

ポケットに入れているメガネ型礼装『ナベリウス』を装着する

なんとなくこれを着けていると頭がよく働くのだ

「メガネ女子なお姫様もアリですね!!」

「まぁ、伊達メガネなんだけどね」

私は立ち上がり部屋の外へと出ていく




























決戦場へと通じる扉の位置を再確認していると遠坂時臣が入って行くのが見えた

間桐雁夜や遠坂時臣についても少しづつ調べておきたいが迂闊に近づけない

「あーあ、あそこらへんのベテラン達がさっさと潰し合ってくれたら楽なんだけどなぁ」

間桐雁夜や遠坂時臣の対戦相手は名もなき雑魚だ

それに比べて私はどうして金髪ドリルが相手なんだろう……

序盤は強い人は弱い人と当たるようになっていないのか?

トーナメント方式は運の要素が高すぎると思うんだけどな

「あ、私が雑魚ってムーンセルに認識されたのかな?」

少しショックだ

「何ぼそぼそ呟いてるのよ?」

「ひゃぁ!!」

いきなり遠坂凛に声をかけられ変な声が出てしまう


「あぁ、遠坂さん、さっきあなたの…………あー」

遠坂時臣と遠坂凛は壊滅的なまでに仲が悪いんだったな

「父親のこと?それなら気にしないでいいわよ」

笑顔で話す遠坂凛

私は父親を知らないが実際どうなんだろう?

諸説あるが人間三大タブーとして親殺しが入ることもある

「私はアレを父親だなんて思っていないから」

「…そう」

遠坂時臣も遠坂凛も北欧財閥にとっては同じテロリストだが実際のところやっていることは同じでも目指している物が違うのだろう

人間関係って難しい

私にも父親が居ればあんな感じになったのだろうか?

「そういえばさっき教会の方でダン・ブラックモアを見かけたわよ、あんな人まで出てくるなんて本当、大物揃いね聖杯戦争っていうのは」


ダン・ブラックモアと言えば西欧財閥の一角 イングランドの女王陛下の懐刀だったはずだが

聖杯戦争に参加しているとは全く気が付かなかった

今後は彼もマークしておいた方が良いだろう

「本当大物揃いね、遠坂さんもそうだしこの年にして隠居状態の私には荷が重いかもしれないわね」

私がそう言うと遠坂凛はニヤリとして

「あら、魔術回路がボロボロになってっていうのは本当だったのね、でもあなたは別にその魔術回路だけで天才と言われていたわけではないでしょう?」

「うーん、でも魔術回路ありきなところもあったからね」

でも可愛い女の子に素直に褒めてもらえると嬉しい…というのはバーサーカーがうるさくなるので黙っておこう


「さて、私はそろそろ時間だから行くわ」

遠坂凛が扉へ歩いていく

確か遠坂凛の相手のサーヴァントはクレタ島 クノッソスの迷宮を作り上げた職人ダイダロスだったか

恐らくキャスターだろうしタイマンで戦わされるこの聖杯戦争向きではないだろうなぁ

「さて、私達も行こうかバーサーカー」

返事はないがうなずいた気配がある

さて、言峰神父に話しかければいいんだったかな

「外道…言峰神父、準備できました」

「良いだろう、決戦場への扉を開こう、ささやかながら幸運を祈ろう。再びこの校舎に戻れることを。そして…存分に、殺し合い給え」

アリーナで手に入れた2つの鍵を扉へはめると扉はエレベーターへと姿を変えた



エレベーターは透明な壁に区切られ向こう側にはルヴィアが見える


私が乗り込むとエレベーターは動き出した


「…………」

「…………」

「…………」

「んー、暇ですねぇ」

沈黙が続く中バーサーカーが口を開く
こいつ、ルヴィアでさえ黙っているような状況でよく話せるな

「ほらほら、お姫様下をご覧になってください!あそこで戦うんでしょうねぇ」

「…………」

「お姫様~?」

緊張感のないバーサーカーはともかく

「そういえばルヴィア、こっちの真名はわかったの?」

「ええ、ある程度の予想は立っていますわ」

なんと、私は皆目見当がつかなかった
そもそも女騎士という時点で限られると思ったのだが図書室でも女騎士なんて見当たらなかった

「それじゃあ答え合わせしてみようか、私のバーサーカーの真名は?」

「戦士女王ゼノビアでなくて?」

「……バーサーカー?」

「どうしました?」

うん、多分違うな

そもそもバーサーカーに適正を持ち女性で騎士なんて居たかなぁ?

「なっなんですの!無視して!」

「あぁ、はいはい……そろそろ着くな」

岩でできたフィールド

どこか山を思わせる地形でできている

「さて、特にあなたとは話すこともないし……始めようか」

白衣のポケットから黒鍵を取り出しいつでも投げれるように構える

「そうですわね、これから殺す相手のことなんて知りたくもないですわ」

ルヴィアも宝石を手に構える

「バーサーカー!」
「ランサー!」

お互いのサーヴァントが槍を振るい突撃していく


「せい!!」

私は手にしていた黒鍵を投げる……ルヴィアの方へと

「何!マスター!!」
ランサーがルヴィアを庇ううちにバーサーカーは勢いよく近づきランスを振りぬく

「まさかマスターに直接攻撃してくるなんて!あなたは戦いをなんだと思っているんですの!?」

ルヴィアには悪いがこれは試合でも戦いでもなくただの殺し合いだ

手段を選んではいられない

「コードキャストoperation(future)」

operation(future)による演算で常にランサーの体力を予測しておく

いつトドメを刺したら戦闘続行のスキルでさえどうしようもない致命傷を与えられるのかタイミングを逃さないようにしなくては

「スパルタダァァァァァァァァァ!!!冷静に行くぞぉぉぉ!」

どちらがバーサーカーなのかわからないほどの叫び声を上げるランサーに果敢にランスを振り回すバーサーカー

「それのどこに冷静な要素があるんですかね!?私はお姫様にいいとこ見せないとダメなんですよ!」

ランサーのガードを私が予測してバーサーカーが盾をうまく避けて打ち込ませていく

「ランサー!掩護しますわ!」

宝石をぶん投げ爆発させるコードキャストcall_gandor(64)

私が予選で人形に使ったものと同じものを使用するルヴィア

宝石使いはどっから宝石代を賄っているんだろう

operation(future)の効果で思考が加速しているせいだろうか
そんなことを考えながらポケットから取り出した鏡の破片を媒体とするコードキャストでバーサーカーを爆発から守る

「うぐぅぅ、スパルタダァァァ!!」

度重なるバーサーカーの攻撃を受けているにも関わらずランサーはまだまだ戦えるようだ

あ、っていうかマずイ

operation(future)の使い過ぎで頭が変になってきタ

一回トメなくテは


「コードキャスト空気撃ちradiation_mgi」

魔力放出の効果をバーサーカーに与えて一度休憩する

「随分と疲れてきたようですわね、ランサー!宝具の使用を許可しますわ!」

来た!

「お任せください…………『炎門の守護者(テルモピュライ・エノモタイア)』!!」

レオニダス1世のその声に呼ばれ周囲にスパルタ兵が集まってくる

十万人のペルシャ軍に対してわずか三百人で立ち向かったとされるデルモピュライの戦い

その戦いで戦った兵士300人を召喚して防衛する宝具か!

「っ…ぐぅ!」

ルヴィアが苦しそうにする

流石のルヴィアでもあれだけの召喚は負担があるようだ

「バーサーカー!バーサーカー化の抑制を若干緩めて火力上げて!」

300人によるファランクス

対軍宝具が欲しいところだが今はバーサーカーの攻撃力を信じるしかない

radiation_mgiによって魔力放出のブーストを受けたバーサーカーのランスが振るわれるたびにスパルタ兵達が空を舞い消えていく

7回ほどバーサーカーがランスを振るうと『炎門の守護者』によって呼び出されたスパルタ兵達が一掃される

ただ魔術回路への負担が想定より大きいな

「っ…………バーサーカー!今のうちにランサーを倒して!」

私を心配して能力を抑制しようとするバーサーカーに待ったをかける

「ですがお姫様…………いえ、わかりました!」

再びランサーに突貫するバーサーカー


「スパルタだァァァァァァ!」

バーサーカーの攻撃に応じるランサーの方もダメージは蓄積しているようだ


何度も何度もバーサーカーのランスとランサーの盾がぶつかる音が響く


「計算通りだ!!」

ランサーとバーサーカーの武器がぶつかりランサーが吹きとばされていくのを見てルヴィアがイライラしている


そろそろかな



「ランサー!宝具をもう一度行きますわよ!!」

やはり向こうは私の魔術回路の消耗を狙っているようだ

私の魔術回路とルヴィアの魔力どちらが先に音を上げるだろう?

そこまで分が悪い勝負ではないがここは敢えて賭けに出る!

「『炎門の守護者(テルモピュライ・エノモタイア)』!!」

再び現れる300人のスパルタ兵

これ以上radiation_mgiの魔力放出付与での補助はできない

バーサーカーを信じるしかない

「あぁ、もうしつこい筋肉ですね………私は!!あなたなんかに!!手間取るわけにはいかないんですよ!!」

私はお姫様の騎士だからとバーサーカーは叫ぶとランスをぐるぐると振り回し突撃していく


!?


「………うぐッ!!」


魔力の消費量が跳ね上がっている!?バーサーカーが全力を出しているのか?


バーサーカーのランスがスパルタ兵に触れるたびに盾ごと消え去って行く

だがこの消費量はまずい、これ以上維持できない!

私は一旦バーサーカーへの魔力供給を断ち切り自分の傍に撤退させる

「…………どうやらこちらの勝利のようだな計算通りだ!!」

「よくぞ耐えましたわランサー!」

それをこちらが戦意を失ったと勘違いして喜ぶ相手を無視してバーサーカーへと視線を向ける

「…………申し訳ありませんお姫様、せめて最後まで私はお傍に」

おいおいバーサーカー

お前は私の騎士なんだろう?

こんなところで諦められると困る

「やれやれ、バーサーカー教えてあげるよ…………私は負けず嫌いなんだ」

バーサーカーの口へ私の口を当てて”直接魔力供給”する

昔の魔術師は緊急の魔力供給が必要な場合接吻や性行為で魔力供給をしていたと以前ウェイバー君が言っていたのをコルネリウス・アルバを見て思い出した

「な……何をしていますの!?」

ルヴィアはどうやら知らなかったようだ

「さて、バーサーカーこの魔力供給は一度に大量は送れない、次で決めるよ」

バーサーカーの耳元でそう囁き私は次の一手を準備する

「は、はい!お姫様!必ずやあなたに勝利を!」

顔を真っ赤にしてランスを構えなおすバーサーカー

まだスパルタ兵が200人ほど残っているが問題ない

白衣のポケットから懐中電灯を取り出す

「コードキャストillusiontrace」

懐中電灯が大量のバーサーカーのダミーを映し出す

だがその元はバーサーカーと同じ私自身の魔力

少しづつランサーの近くに出現した幻影に魔力を蓄積させていく

「何をしでかすかと思えばただの幻とは見苦しい。諦めなさい勝負はもうついていますわ…………あなた!?」

ルヴィアが私の姿を見て驚く

恐らく今 私の体中に魔術回路が浮かび上がっているからだろう

「魔術回路8割を有効化(アクティブ)コードキャストoperation(future)」

魔力が増えている幻影とバーサーカーへ意識を向ける


どちらも同じ私の魔力で動く存在

両方を私の魔力的中継地と見立てて位置を交換させる空間転移!

2つの位置がムーンセルによって定義されている電子空間ならではの芸当だ

マジシャンが手品をするかの如く

チェスのキングとキャッスルの位置を入れ替えるかの如く

バーサーカーと幻影の位置を入れ替える!

「コードキャストtelepoLie」

ふぅっとバーサーカーと幻影が霊子化して転移するのをoperation(future)によってかろうじて感じることができた

「この気配はまさか!?」

ランサーはさすがサーヴァントといったところか背後の存在が変わったことに気が付き振り返るが

「消えなさい!!」

バーサーカーのランスが心臓を貫く

あれならば戦闘続行のスキルだろうとなんだろうと消滅は免れない

「そん……な……ありえませんわ」

「計算違いか……マスター申し訳ありまごぶぁ……」

ランサーがその場で倒れると私とルヴィアの間に半透明の赤い壁が現れる

私もその場にうずくまってしまう

体が焼けるようだ

全身の魔術回路が悲鳴を上げている


「あなた一体……あの魔術回路は……」

1つや2つほど決め台詞を言いたいところだが痛みが酷く思考が定まらない

「お姫様!しっかりしてください!」

バーサーカーに手伝ってもらいようやく立ち上がる
痛みは残っているが少しづつ思考はまともになってきた

「私の勝ち…かな?」

ルヴィアの姿を見ると既に体の一部が削除されだしている

「あらあら、随分とふざけたことをおっしゃいますわね。私はまだ負けていませんわ」

意地で立ち上がろとするルヴィアだが既にその足は削除されている
無様にも地面に倒れる姿が昔使っていた実験動物に似ていて吐き気がする

「エーデルフェルト家の当主があのような手品に負けるはずがありませんもの……私は負けるわけには」

消滅するその寸前まで諦めずそして優雅であろうとする彼女は一体どのような願いを持っていたのだろう?
だが聞かないことにしておこう

もう、絶対に叶うことはない願いなのだから

「じゃあね、さようならルヴィア」

視力も聴覚も残っていないだろうけどそれでも立ち上がろうとするルヴィアのあり方を少しだけ美しく感じながら私は出口へ歩いていく


今日の殺し合いは終わりだ













私としてはこのまま部屋に戻って休みたいのだがそう人生うまくいかない

出たところを赤い服を着た少女…もとい遠坂凛が待ち構えていた

「あら、あなたが出てきたってことはルヴィアは死んだのね。どちらが勝つか予想が付いてなかったけど、どうだった?ルヴィアの最後は」

ルヴィアの最後、見届けてはいないがそれでも

「まぁ、彼女らしい最後だったよ」

「そう……できることなら好敵手として私がトドメを刺してあげたかったけどまぁ、いいわ」

髪をふぁさっとなびかせ去っていく遠坂凛は本当に残念そうな表情をしていた

それよりも

「あぁ、ごめんバーサーカー」

恐らく背後にいるであろうバーサーカーに声を掛けておく

「ちょっと倒れるから部屋まで運んでおいて」

バタリ

意識を手放す前に見えたのは私を担ぐバーサーカーだった

 
 

 
後書き
ルヴィア「最後まで看取られていないということは復活フラグ!?」

遠坂凛 「ないわよ、さらに言えばCCC編での出演も(多分)ないわよ」

というわけで淑女のフォークリフト ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトさんの出番(多分)終了です

ただルヴィアが何故聖杯戦争に参加したのかについてはどこかで出るかも?

佐々野さんが倒れているので2回戦目の対戦相手さんとそのサーヴァントさん次回予告お願いします

???「次回はまだ私の出番ないの!?」

???「■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■!!」

あ、こいつはやべぇ
 
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