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ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版

作者:黒鐡
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進路指導のウィザード
  魔法使いとの契約について(1)

本来ならリアスが立ち上がり見渡すように話始めるはずが、俺達からの情報提供によって代わりに俺から説明した。

「さて諸君、今日集まったのは他でもない。二つの情報提供の内の一件である『魔法使い』に関して、悪魔との契約期間へと入ってもらいたい」

ルフェイとゲオルグに聞いた話だと、悪魔と魔法使いの関係は古より太く濃い。人間が悪魔に願いをする契約形態とは違う代物で、魔法使いは基本的に自分の魔法研究を生涯に渡って磨き続ける魔の探究者。黒・白・召喚・ルーン文字式・地域ごとの術式とその他にも多くの魔法があり、その中から自分らなりのテーマを決めて一生そこに注ぐ事となる。

「魔法使いが悪魔と契約理由は三つあり、一つは用心棒として後ろ盾に強力な悪魔が居れば面倒な事に巻き込まれた時の相手として折り合いが付けられる。二つ、悪魔の技術や知識を得たいと言うより冥界の技術が欲しい訳さ。魔法使いが研究に使う為に効力を発揮するし、魔法使いが直に冥界に行ったり他陣営経由で入手可能だが魔法使いにとって高リスクだ。三つ、己のステータスにする為に契約して強力な悪魔と契約すれば大きな財産となる。リアスの父親と母親であるケルディムとヴェネラナも、魔法使いと契約して何かあった時の相談事を受ける為に召喚へ応じている。上級悪魔及び、その眷属ならばそれが義務の一つとなる」

「よく知ってるわね、ルフェイとゲオルグに聞いたの?」

「私やゲオルグも知っていましたし、ちゃんとした知識を知ってもらう為に我が主である一誠さんに予習&復習として」

「劣化情報だったとしても、最新情報を持っている僕らなら損はないからね。僕ら魔法使いは直接冥界へは行けないが、君達のような『上級悪魔グレモリー』の眷属なら手軽に冥界へ行ける。あとは僕らがここにいるのは、グレモリー眷属のサポートとしてここにいる」

「俺らはゲートで行けるが、悪魔眷属で人間界と冥界を行き来出来るのは『はぐれ悪魔』の場合だと問題が起こっちまう。夏休みに冥界へ行った時、お前らは列車内で登録したが、ただの魔法使いはハイリスクを要求され魔術師の歴史に名を残す程のなら年間パスポートが手に入る。限定条件だが、悪魔や堕天使でもない者がそう簡単に冥界へ行く事が不可能だが俺らのように自由なのは空間切断で行けても文句はない」

俺らの説明で理解出来たが、己の強力な転移魔法のみで冥界侵入する魔法使いもいるようで、そのような輩は魔法使い協会や悪魔から『危険視=異端者』とも言える。不正入国ならマズイ事でも俺らはフリーパスを発行してるんで問題無し、仲介料が高価でとてもじゃないが全財産でも足りない程にもなる。

例えばフェニックスの涙は冥界でも高級アイテムで、一般魔法使いからすると桁数を増やしても買えない程のレアアイテムとされている。悪魔と契約し、等価交換の方が安上がりだが高価取り引きに変わりはない。

「上級悪魔グレモリーの娘であるリアスが適正年齢に達した為、リアス始めグレモリー眷属は魔法使いとの契約期間へ突入となった。ま、ゼノヴィア辺りは微妙な顔をしているように見える」

「ああ。私が魔法使いに呼び出される側になるとは、悪魔人生になってから色々と面白くなりそうだ」

「そうね。異能に携わった人間なら、普通は呼び寄せる側となるけど呼ばれる側と言うのは悪魔や魔物だからよ。皆には契約を大切にしてもらいたいし、その為に一誠達がアドバイザーとしてここにいるからだしね」

「まあな。ルフェイとゲオルグは魔法使いとしてここにいるが、二人と契約などしておらんからそこだけ注意な。二人共契約ではなく、一生忠誠を誓う者として黒の駒を入れているんでね。お前らのような悪魔と契約する事は、一度契約したら簡単に契約解除など出来ん。契約完了となれば、きちんと仕事をするのが礼儀となっているが中には程度の低い者と契約したらグレモリーの品位疑惑となってしまう」

「僕やルフェイのような者を見つけ出すのは容易い事ではないが、自らの目で取引相手を選ぶ事だな。僕ら魔法使いにとって異能研究の延長線上だろうと、君達悪魔にとってビジネスのような感じだ。人間と魔法使いとの契約、この二つを両立してこそ悪魔だから選ぶ時は慎重にね」

『はい!』

俺、リアス、ゲオルグの言葉に大きく頷いた事で第一関門クリアとなる。俺達は必要ないが、アドバイザーとしてルフェイとゲオルグと俺がいるんでサポートもお安い御用だな。悪魔としてこれを熟さないと上級悪魔を目指す事など有り得ん話となるが、これから魔法使い協会トップが魔法陣で連絡来るらしいから一応ルシファーを呼んでおいた。

「いきなり私を呼ぶと言う事は誰かと話すのかしら?」

「ルシファーにとって懐かしい奴だからな、そろそろ時間のようだから諸君。これから魔法使い協会トップが、魔法陣で連絡をくれると聞いてるんできちんとしておけよ」

グレモリー眷属は席を座り直して勢揃い、俺が時計を見ると同時に部室の床に大きな魔法陣が出現して淡い光が円形を描いていった。

「この紋様は懐かしいわね」

「呼んで正解だったろ、ルシファー」

「もしかしてこれから呼ぶヒトって、僕のご先祖様と契約した悪魔なの?一誠」

「そうだ。そして番外(エキストラ)悪魔(デーモン)に属する伝説悪魔で、ゲオルグの先祖が契約した悪魔で俺の盟友だ。さて、静かにしとけよ」

俺らと話している間、部室に出現した魔法陣は立体映像を映し出された。椅子に優雅に座った中年男性で赤色と青色の毛が入り乱れた頭髪をしていて、切れ長の両目は赤青と色が違うオッドアイだ。

アジュカのような怪しい雰囲気を持つと同時に、この外史の悪魔だと数少ない記憶共有者なので他外史の魔法協会理事長と繋がりを持っている。つまり俺が次元パトロール隊総司令官織斑一真だと知っている。

『これはリアスちゃん。久しいね』

「お久しぶりです、メフィスト・フェレス様」

『いやー、お母さんに似て美しくなるねぇ。君のお祖母様も曾お祖母様もそれはそれはお美しい方ばかりだったよ』

「ありがとうございます」

リアスと俺以外は強面で怖々とした顔だったが、軽い声音だったので一気に緊張が解いた様子。ま、外見だけで判断するなと言いたいがゲオルグの先祖と契約した悪魔だと知るゲオルグでさえ緊張してたらしい。するとリアスがコイツらに改めて紹介する。

「皆。こちらの方が番外(エキストラ)悪魔(デーモン)にして、魔法使いの協会の理事で在らせられるメフィスト・フェレス様よ」

『や、これはどうも。メフィスト・フェレスです。詳細は関連書物でご確認下さいな、僕を取り扱った本は世界中に溢れているからね。ん?そこにいるのはまさか前魔王ルシファー様?』

「お久しぶりね、メフィスト。元気そうで何よりだわ」

ルシファーが挨拶したが、コイツが魔法使いの長で悪魔がトップだとは思うまい。初代が亡くなった後も人間界にいて、そのまま魔法使い協会トップに君臨した。すると俺らに気付いたのか俺達も前に出る。

『おや、そこにいるのは僕にとって盟友中の盟友である織斑一真様「メフィスト、今の容姿だと兵藤一誠だ。今はな」失礼したが、黒神眷属「王」兵藤一誠様。そこにいるのは、兵藤様が話していた新たな仲間かな?』

「まあな。白龍皇ヴァーリ、ルフェイ・ペンドラゴンまでは知っているがコイツはお前が契約したゲオルク・ファウスト博士の子孫とされているゲオルグだ。ゲオルグ、コイツは初代と契約した悪魔だ」

「初めまして。僕の名はゲオルグで、先程一誠さんに紹介された通り初代の子孫です。『禍の団』英雄派に所属してましたが、現在は黒神眷属として力を奮っております」

『まさかゲオルクの子孫に会えるとは思わなかったが、僕は悪魔の中でも最古参の一人とされている。前四大魔王とも仲が良くてね、僕はほとんど人間界にいたから兵藤様とよく連絡を取り合っていた仲さ』

「それよりタンニーンの『王』だと言う事は本当か?」

『それは本当ですよ、兵藤様。タンニーン君には「女王」の駒をあげた事で、滅びそうなドラゴン種族を救済したいと言ってきてね。元とは言え龍王の鑑と言っていい程だし、僕はゲーム参加しないから冥界騒動にも首を突っ込まないから基本的に自由とさせている。前四大魔王とは同世代だけど、仲もあの時から最高に良い関係だった』

タンニーンの能力が偏っていないのは『女王』だからか、本来のメフィストと違う事と言えば前四大魔王と仲が最悪で旧政府とは仲違いをしていたらしい。人間界に隠れていたのも理由の一つとされていて、旧政府が大嫌いだったとか。要求ばかりで嫌になったらしいが、こちらのメフィストと前四大魔王と旧政府とは俺が仲介役として仲良くしてくれた。

「ルシファーらと同期であり、悪魔は見た目を変えられるから同じぐらい生きている年数はシャルロットやアザゼル。アイツらも外見は青年中年だが、中身はアンチエイジングで若々しい。だが大御所は俺だ『そりゃそうさ、僕やルシファー様と同期とは思えない程なのだから』まあな、だから生きてる年数が違くとも共通話題も多い」

「私らで言う旧政府とは一時的に仲違いしてたけど、ここにいるリアスらにとって見れば年寄りに見えても可笑しくないわ」

『ハハハ、前魔王ルシファー様からそう言われるのであれば僕らは年寄りだとしても話の分かる方達でよかったよ。グレモリーもだけど、御祖父さんも曾御祖父さんも曾曾御祖父さん達は元気かな?隠居して久しいらしいけど』

確かグレモリー領の辺境でひっそりと過ごしてるそうだが、リアスにも祖父がいるようだが当たり前か。家督の引き継ぎの際、現当主は次の家主に全てを託すと隠居生活に入るらしい。リアスは隠居後の事も視野に入れてるようだけど、考えるの早くね?と思ってしまう。

日本に住むって口にしていたけどさ、当主になるのは結構先で当主になっても夢を叶えてからとなる。何百から何千年後の日本はどうなってるかなど興味無し。リアスとメフィストによる昔話・世間話・昨今の魔術師業界について話が続いた。

「ではメフィスト・フェレス様、ソーナとは既にお話を?」

『ううん、残念だけど後程になってしまったよ、リアスちゃん。何でも新しい眷属を迎えた後で、僕とお話したいと言うから君達が先になってしまった。ちなみにサイラオーグ・バアル君とそちらにいるシーグヴァイラ・アガレスちゃんとは既に話は済んだよ』

「本当か?シーグヴァイラ」

「ええ、一度冥界に戻って眷属全員でお会いしました」

その話は初耳だが、あの時冥界に一度戻ると言ったのはこの事だったのか。そう言えばソーナの眷属に戦力増強として、新たな『戦車』と『騎士』が追加メンバーとして入ると聞いている。どんな奴かについては秘密だそうで、ここにいるシーグヴァイラでも秘密だそうだから会えるのが楽しみだぜ。駒王学園は異能業界出の生徒も在学中だからな。

『いやー、黒神眷属が一番だけど君達「若手(ルーキーズ)四王(フォー)」はウチの業界でも他業界でも大人気だからね。早く話をつけろと下に突っつかれて仕方なかった』

「俺達が一番とはどう言う事だ?「若手(ルーキーズ)四王(フォー)」について知ってると思うが、サイラオーグとシーグヴァイラとリアスにソーナら若手悪魔四人を称した名称とされている。破格のルーキーが集まった豊作世代、つまりお前らの世代は冥界の歴史から見ても成熟前のルーキーには逸脱し過ぎてる世代の事だ」

『そう言えば知らない様子だから言っとくけど、前々からとても人気なのだよ。特に黒神眷属「王」兵藤様と契約したいと言う魔法使いが数多くてね』

「ほう、だがこちらには既に優秀な魔法使いがいるから来てもお断りだな」

『そう言うと思って全て断ったよ、ルフェイ・ペンドラゴンとゲオルグに勝る魔法使いはいないからね』

「そりゃ良かった・・・・とそこで隠れてないで出て来たらどうだ、アザゼル」

「悪い悪い、丁度来たら一ちゃんが話しているから邪魔かと思い静観していた。お、メフィストか」

俺らとメフィストが話していると後方から気配消して来たアザゼル、話し終えた所で指差すと気配消していた事にやっと気付いたリアス達。だけどCB所属やハイブリッド・ピースの朱乃と白音は気付いていたよ。ハイタッチ後、立体映像を見て笑顔となったアザゼル。

『やーやー、アザゼル。この間振りだねぇ。先にリアスちゃんと兵藤様らと話をさせてもらっていた』

「静観してたからだいたい理解したが、魔術師協会も大変な事だもんな。今度一ちゃんと一緒にこっちで飲みに行かないか?良い酒を手に入れてな、冥界産もあるし人間界のもあるぞ」

「知り合いのようだが、その話乗った」

「まあな。一ちゃんと出会う前からの長い付き合いでな、戦争後に消滅しちまってからの旧政府と距離置いていた時期にな。一ちゃんやルシファー達が眠ってた時期、グリゴリが独自接触をしていた。ま、一ちゃんが復活後に情報網を蒼い翼と一緒にな」

『グリゴリもそうだが、蒼い翼やソレスタルビーイングらの情報網は大変有難く役に立てたからね。アザゼルもだが、兵藤様=織斑様にも世話となっている』

そう言う事で俺らCBと蒼い翼が色々とパイプ持ちなので、現在でも大変役に立っていると聞いて安堵した。グリゴリ的には魔法使いの協会と裏でパイプ持ってたそうだが、大損は無かった訳だし三大勢力の和平で秘密裏にする事も無くなった。そこからは俺とアザゼルとメフィストでの業界トークが始まった。

「ほう、同盟拒否ってた神話体系が交渉してきたと?」

『何でも例のドラゴンを掘り返している輩がいるようで、今現在だとそこだけ話し合った事ぐらいです。同盟に関しては期待してないけど、基本的に我々と交流拒絶している神話さ。鎖国している者らのデータに関しては、蒼い翼諜報部に調査を頼んだ所なのでまともなデータが入手を期待している所だよ』

「その一件か。古参の神話体系は他勢力に対して完全黙殺だし、例えあちら側に反乱分子が牙を向けても本来なら知らぬ存ぜぬを貫くだろうが。どの神話体系でも鎖国していたとしてもだ、ここにいる一ちゃんは全てを創ったと言われている創造神黒鐵が自ら出向くのなら心を開けさせる事が出来ると俺は思うぜ」

『まさか創造神黒鐵が近くにいるとは鎖国された神話体系は知らないだろうし、信仰者を奪われた事に対しても問題無く解決する。天使・悪魔・堕天使と他勢力は酷く嫌われているけど、今まで和平に応じてくれた所も兵藤様の御姿を見せただけで即和平したよねぇ。各神話の主神さえビビっていた事に関しては、僕らも驚きの連発さ』

「俺がやって来た事を言ってきただけだから、あとは各神話主神クラスの指導を期待するしかねえだろう。一応前四大魔王と元神がいない状況となっていたが、この前の復活宣言後に神話体系の真実がガラリと変わった事くらいかな。創造神黒鐵を筆頭に動いてるし、歴史修復されていってるから今に至る訳だ。それより俺らの話題もいいけどよ、続きは後程にしねえか?アイツらには理解不能だ」

俺が察してやったらこの話の続きはまた今度と言う事で、本題に入る事となったが今からグレモリー眷属と契約したいと言っている魔法使いの詳細データを魔法陣経由で送ってもらう。指をクルクルと操作して、新たな魔法陣が部室の宙に展開となって書類がドバドバと降ってきた。それを朱乃や祐斗らが回収し、他の者らも書類の山を動かす事で俺らは静かに見学していた。 
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