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逢魔

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第七章

「ではな」
「はい、今から」
「遊ぶんですね」
「それか宴会」
「どっちかですね」
「まずはじゃ」
 二人にさらに言った。
「羊羹とお茶とな」
「あっ、そういえばどっちも」
「まだ」
 二人もここで気付いた。
「手をつけてないわね」
「そうよね」
「お茶もお菓子も口にしないと」
 それこそとだ、一つ目小僧が二人に言ってきた。
「楽しめないよ」
「確かにね、食べてこそ」
「美味しく思えるから」
「お茶も羊羹も」
「食べて」
「それを食べたら」
 今度は天狗が言ってきた。
「何をして遊ぶか」
「うむ、そうじゃな」 
 その話を聞いてだ、源田は言った。
「今日はそれぞれの昔話をするか」
「昔話ならそれこそ」
「わし等相当長く生きてるし」
「どれだけでもあるから」
「幾らでも出来るな」
「そうしようぞ、じゃああんた達もな」
 源田はまた二人に言った。
「一緒に楽しむか」
「私達昔話は出来ないですけれど」
 美稀が源田に答えた。
「まだ高校生なんで」
「昔がないか」
「思い出話ならありますけれど」
「なら思い出話を頼む」
「そういうのでいいですか」
「うむ、頼む」
「それじゃあ」
 美稀が頷きだ、そして。
 晴香もだ、こう源田に言った。
「じゃあ私が覚えてる話とかを」
「そういうのを頼むな」
「わかりました、それじゃあ」
「今から話すか、皆でな」
「そうしましょう」
「時々百物語もするぞ」
 源田は笑ったままそうしたこともしているとだ、二人に話した。
「ここにいる皆でな」
「妖怪さん達とですか」
「百物語って」
「妖怪さん達のお話をですか」
「妖怪さん達がするんですか」
「そうじゃ、それで百物語が終わると何かが起こるというが」
 俗にそう言われている、真実はどうかわからないが。
「何故か何も起こらん」
「そりゃもう僕達が出てるから」
「話をする段階でね」
「僕達が出ること自体が何かが起こってるってことだから」
「最初からね」
「そうなるか、まあ百物語は今度にしてな」
 それでと言う源田だった。
「昔話をするか」
「じゃあ私達も」
「お話出来ることを」
 美稀と晴香も言う、そして源田と妖怪達の中に混じってだ。お茶と羊羹を食べてそれのおかわりもしながら。
 昔話を聞いて語った、そうして楽しい時間を過ごしてからだった。
 夕方になって源田達に別れの挨拶をしてから。
 帰路についた、その時に。
 晴香がだ、美稀に言った。 
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