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オズのボタン=ブライト

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第九幕その七

「それでいいよね」
「ええ、じゃあね」
 つぎはぎ娘も馬の誘いに乗って応えます。
「宜しくね」
「今日もね」
「自転車はかなりあるから」
 王子が皆にお話します。
「皆乗られるよ」
「一人一台ずつですね」
「あるよ」
 王子はカルロスの質問にも笑顔で答えました。
「だから安心してね」
「はい、わかりました」
「それとね」
「それと?」
「君達の世界の自転車はどんな感じかな」
「どんなって?」
「うん、オズの国の自転車と違うところはあるかな」
 王子はカルロス達に尋ねるのでした。
「果たして」
「ううん、そう言われましても」 
 カルロスは王子に言われてです、難しいお顔になって言うのでした。
「ちょっと」
「観ないとわからないね」
「はい、ここの自転車を」
「それじゃあまずはね」
「どんな自転車かですね」
「観てもらうことからかな」
 こう言うのでした。
「それからだね」
「はい、じゃあまずは」
「自転車を観ようね」
 こうお話してでした、皆は宮殿の自転車置き場のところに行きました。そのうえで並んで置かれている自転車達を観てです。五人は口々に言いました。
「あっ、観たところ」
「そうだね、別にね」
「変わったところないね」
「私達の世界の自転車と同じね」
「変わることはないわ」
 こう言うのでした。
「ブレーキもあるし」
「ライトもちゃんと点いてるよ」
「ペダルやチェーンもしっかりしてるし」
「ハンドルも大丈夫だし」
「速く走れそうね」
「ここの自転車はこけないから」 
 オズマが五人にお話します。
「絶対にね」
「こけないんですか」
「ドロシーに聞いたけれど外の世界の自転車はこけるわね」
「はい、バランスを崩しますと」
「そうよね、けれどね」
「オズの国の自転車はですね」
「こけないの」
 こうお話するのでした。
「だから安心してね」
「その他のことは」
「多分変わらないわ」
 外の世界のそれと、というのです。
「速く走ることも出来るから」
「それじゃあ」
「そう、こけることもないから」
「外の世界の自転車よりずっといいですね」
「そうなるわね」
 こけない分だけです。
「だから楽しんで行きましょう」
「わかりました」
「では皆それぞれじゃ」
 まさにとです、ここで王様が皆に言いました。
「自転車を選んでな」
「そのうえで、ですね」
「出発じゃ」
「わかりました、それじゃあ」
「コースはわしが案内するからな」
「ピラミッドの時と同じですね」
「わしの国じゃ」
 今皆がいるリンキティンク王の国はというのです。 
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