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魔女に乾杯!

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122部分:第百二十一話


第百二十一話

                         第百二十一話  魔女の怒り
「覚悟しなさい、華奈子ちゃん!」
「ええ、紫の魔女!」
 華奈子の光と魔女の炎がぶつかり合う。戦場が赤い世界になった。
「これで決めてやるから!」
「そうはいかないわよ!」
 ケリをつけようとする魔女に対して華奈子は守勢であった。しかし彼女の気持ちの方が魔女の魔力より上であった。
 光が炎を押してきた。紫の魔女も負けじとさらに魔力を込める。
「やらせないわよ!」
「こっちだって!」
 二人の力は拮抗していた。だが華奈子の気持ちの方が勝った。
「えい!」
 渾身の力を込めた。それで魔女の炎を跳ね返した。
「これで・・・・・・終わりよ!」
 炎を消すと飛び上がる。そして今度はそのステッキの自分の炎を宿らせた。
「忘れていたようだけれどね」
 魔女を見下ろしながら言う。
「あたしの一番得意な魔法は火の魔法なのよ!」
「魔法なら私の方が!」
「少なくとも火に関しては別よ!」
「クッ!」
「受けなさい、あたしの火!」
 華奈子は叫んだ。そのステッキに赤い火が宿る。
「これで・・・・・・終わりよ!」
 巨大な火の帯が数条華奈子のステッキから放たれた。そして魔女を襲う。
「それでも!」
「いけません!」
「ここは・・・・・・お下がり下さい!」
 踏み止まろうとする彼女とタミーノとフィガロが引き止めようとする。
「危険ですから」
「危険なんて気にしてたら華奈子ちゃんには勝てないわ」
 しかし魔女はそう言って下がろうとはしない。
「ここで・・・・・・負ける位なら」
 その数条の炎を見据えながら言う。
「最初から魔女になんてならないわよ!」
「言ったわね、紫の魔女!」
 華奈子はそれを聞いて言葉を送ってきた。
「なら、この炎受け止めてみせなさい!」
「言われなくてもね!」
 魔女は笛を構えた。
「タミーノ、フィガロ」
 構えながら自身の使い魔達に語り掛けた。
「貴方達は。下がって」
「ですが」
「これは命令よ」
 有無を言わせぬ口調であった。
「いいわね」
「・・・・・・わかりました」
 主人に言われては使い魔としては従うしかない。ここは下がった。
「そっちがそう来るのなら」
 魔女は笛を吹きはじめた。それは冷静で余裕のある普段の彼女の態度とは全く違うものであった。


第百二十一話   完


                     2006・6・14

 
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