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ソードアートオンライン VIRUS

作者:暗黒少年
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結婚後と挑戦

 
前書き
最初と最後は変わってませんが、会話部分を少し変えました。 

 
 朝、いつもどうりの時間に目が覚める。今日はどうやらいつもの時間帯に起きれたようだ。布団から体を出そうとすると、寝巻きの袖を誰かに掴まれていることに気付く。横を見るとユキが布団の中で気持ちよさそうに寝ていた。

「……ユキか。そういや俺、昨日ユキと結婚したんだったな」

 昨日のことを思い出す。昨日結局、ユキが帰らないと言うので、とりあえず家に上げてから、自分の秘密を全て話した。一度死んだこと、たまにノイズが走り痛みが現れること、スキルのこと、自分の体を使って人を殺させた声のこと、そして自分が殺した男のこと。秘密を話してから、自分が人を殺したことをユキに話したらなんだか怖くなったが、ユキは俺を慰めてくれた。

「……ゲツガ君、これからはずっと一緒だよ……」

 ユキは寝言でそんなことを言った。俺はそれを聞いた後、ユキの頭をなでながら呟く。

「ああ、これからはずっと一緒だ」

 頭から手を離して、体を伸ばす。その時、ある違和感を覚える。

「……背中、痛くねえな」

 昨日、グリームアイズに斬り飛ばされてから激痛のしていた背中が今は不快感は少しあるが痛みがほぼなくなっている。今までは完璧に避けたり、弾いたり、食らってもかすり傷か防御したときの衝撃が抑えられずに少し食らうくらいで、そんなに気にしていなかったためこんなことがあるとは知らなかった。

「ふー、背中も痛くないなら攻略も出来るな。でも今は、休むか。少しでも多く、一緒にいたいからな……」

 そう言って、また頭を撫でた。その後、袖を掴んでいる手をそっと外してから布団から出る。寝巻きから着替え、キッチンに行き、調理を開始した。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 朝食を作り終えた頃にユキがちょうど起きる。

「ふぁ~……おはよう、ゲツガ君」

 眠そうな目を擦りながら、キッチンに入ってくる。

「おはよう、ユキ。よく眠れたか?」

「うん。いままでで最高の寝心地だった。また一緒に寝ようね」

「ああ。それより飯も出来たし、朝飯にするぞ」

 そう言って、ちゃぶ台に朝飯を並べる。今日の朝食はご飯らしきものに味噌汁らしきもの、二人前の魚焼きにおひたしだ。

「うん、やっぱりゲツガ君の作ったご飯、美味しいよ。こんなの毎日食べられるなんて幸せだな」

「そんな大袈裟な」

 美味しそうに食べるユキの顔を見て口を綻ばせる。そして食べ終えて片付けた後、立ち上がって言う。

「よし、じゃあそろそろ行くか」

「えっ!攻略しに行くの!?昨日行かないって言ったじゃん!!」

「いや、行かないし。つうか、ユキの用事に付き合うんだろ」

「えっ?」

 ユキはどうやら幸せすぎて大事なことが抜けているようだ。

「今日から休みをもらうために、ユキのギルド、《血盟騎士団》の本部に行くんだろ」

「そうだった!!じゃあ準備するから待ってて」

 そう言ってユキは隣の部屋に行った。しばらくすると、いつもの白と赤を基調とした血盟騎士団の服を着て来た。

「じゃあ、行こうか。……でも、大丈夫?背中、まだ痛いんじゃないの?」

 そう言って顔を覗き込んでくる。

「大丈夫。ちょっと変な感じだけど昨日の痛みはまったくない」

「良かったー。じゃあ出発!!」

「ちょっと待った。結婚したならこれをつけないとな」

 そう言って、ユキに指輪を渡す。

「これって……結婚指輪!ね、ねえ、ゲツガ君。お揃いだよね?」

「当たり前だろ。何で結婚指輪を別々にしなきゃいけないんだよ」

「それもそうだね」

 そう言って、ユキは指輪を装備する。その指輪を大事そうに手で撫でた。

「おし。じゃあ行くか」

「うん!」

 そして、俺らは五十五層の《グランザム》に向かった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 グランザムに着くとユキと同じ血盟騎士団の服を着た女性プレイヤーを見た。栗色のロングへヤーだったためアスナだとすぐに分かった。とりあえず声をかけておく。

「おーい、アスナ」

 そう言うとアスナはこちらを振り向く。そして俺とユキを見た瞬間、走って近づいてきた。

「ゲツガ君!ユキ!二人そろってどうしたの!?……ってゲツガ君!!ペインアブソーバが働いてないって言ったのに歩き回って、体大丈夫なの!?」

「ああ、一日寝たら痛みなんてほとんど残ってねえよ」

「そう良かった……」

 アスナは大きく息をつき胸を撫で下ろした。どうやらアスナは相当心配してくれたみたいだ。

「それより二人そろってここに来るなんてどうしたの?何か用事?」

「うん。私、ゲツガ君と結婚したから休暇届けを出しに一緒に来たの」

「ええっー!!」

 結婚したと聞いた瞬間、アスナは驚きの声を上げる。

「け、結婚したの!?ゲツガ君、それ本当」

 アスナは信じられないと言うように俺に聞いてきたので言ってやった。

「ああ、本当だ。証拠に薬指に指輪。それでも信じられないならウインドウも見せてやろうか?」

「いい、ユキもゲツガ君もそんなホラ吹かないことわかってるから……」

 そう言って、アスナはため息を吐く。

「アスナはどうしたの?」

 ユキがアスナに質問する。

「えっとね、私も攻略少し休もうかなーって……」

「アスナも?もしかしてキリト君と過ごすため?」

 ユキがニヤニヤしながらそう言うと、アスナは顔を赤くして俯く。

「アスナ、お前キリトのこと好きなのか?」

 俺がそう言うとさらに顔を赤くする。どうやらそうっぽい。そして、ユキはアスナに言った。

「どうせなら、私みたいに告白すれば。ねえ、ゲツガ君」

「そうだな。普通に告白すれば大体は大丈夫だと思うけどな」

「それはゲツガ君とユキが両思いだったからなんでしょ」

「別にアスナほどの可愛さがあれば普通に告ればいけると思うのにな」

「そうだよ、アスナ。アスナは可愛いんだから自信を持って」

 俺とユキは少しでも後押しするため言う。

「そ、そうかな?」

「大丈夫だって。キリトなら確実に。それより早く行こうぜ」

 そう言って、ギルド本部に歩いていく。その時にアスナはユキに昨日の告られたときの話をしていた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 ギルドホームに着くと、アスナとユキに着いていき無表情な鋼鉄の扉の前に来た。ここがSAO最強プレイヤー、ヒースクリフがいる部屋らしい。アスナが扉をノックしてから扉を開ける。

「団長。お話があるのですが、お時間よろしいでしょうか」

 アスナがそう言った後に、俺とユキも部屋の中に入る。部屋は、全面ガラス張りで机が置かれその奥に五人のプレイヤーがいた。真ん中のにいるのはヒースクリフ、そのほかは分らないが多分、幹部クラスの連中だろう。俺らが入ってからヒースクリフは言う。

「大丈夫だが、こんなに朝早くからどういった用件かね?」

「しばらくギルドを休ませて貰い、とある人とパーティーを組んでみようと思いまして……」

 そう言うと、ヒースクリフ以外の幹部らしき男たちが騒ぎそうになったがヒースクリフがそれを止める。

「それは何故かな。それにとある人が誰なのか教えてもらいたい」

「……今回の攻略で少し頭を冷やしたいことと、黒の剣士、キリト君とパーティーを組み、しばらくは一緒にいようと……」

 そう言うとヒースクリフは考えていた。数秒が経ち、ようやく口を開けた。

「……キリト君を呼んでくれないか?君がそこまで組もうとするならどの位の実力があるか見てみたい」

「わ、わかりました!すぐに呼んできます!」

 アスナはそう言って部屋から出て行った。その後にヒースクリフは俺とユキのほうを向く。

「さて、ユキ君。君はどのような用件かな?君も休むつもりかい?」

「はい。私は昨日、ゲツガ君と結婚しました。それで、しばらくは攻略を休もうかと」

「君もか……。それならゲツガ君に言おう。ゲツガ君、君は私たちのギルドの主力メンバーを抜こうとするのなら君の実力で取ってくれたまえ」

 ヒースクリフがそう言った。つまり、ユキが欲しくば私を倒してからにしろと言うことだろうか?つまり、デュエルしろと言うことか。男ならこの誘いに乗らなきゃな。

「いいだろう。俺が勝ったらユキは俺が貰っていく。もし負けたら俺はこのギルドに入る。それならいいか?」

 そう言うと、ヒースクリフはいいだろうと答えた。

「では、今からするかね?私はいつでも良い」

「じゃあ、二日後。確か、七十五層はローマ風でコロッセウムに似た闘技場のようなものがあっただろ。そこで勝負だ」

「わかった。お互いに正々堂々と戦おう」

 ヒースクリフがそう言うと、ユキとともに部屋から出た。その後、階段を下りながらユキが話しかけてくる。

「ゲツガ君、本当に良いの?あんな約束して……」

「いいんだよ。あれは俺には両方良い条件だからな」

「どうして?」

 ユキが聞いてきたので、教える。

「まず、俺が勝ったらユキは俺と一緒にいられるし、もしも負けてもユキと同じギルドに入れるから一緒にいられる」

「確かに……でもうちのギルドに入って迷惑かけたら……」

「大丈夫だよ。俺はユキと一緒にいられるだけで」

「なんで恥ずかしいことを平気で言えるかな……」

「う~ん……やっぱ鈍感だからかな」

 そう言ってユキの手を握る。ユキは抵抗することなくその手を受け入れる。そのまま、ギルドホームから出るとちょうど、アスナとキリトに会った。

「よう、キリト。昨日ぶり」

「ゲツガ!お前、大丈夫なのか!?」

「騒ぐな。大丈夫だから」

「そうか……それより、ユキとずっと手をつないで……もしかして、カップル成立?」

「残念だけどハズレ。もうすでにその予測を超えました!私とゲツガ君は正式な夫婦でーす!」

 ユキは俺が言う前に、前に出て言う。

「嘘だろ……鈍感野郎を振り向かせることが出来る女がいるなんて……」

「おい、ユキを悪く言うなよ」

「しかも何かバカップル彼氏の台詞みたいなことはいてるし……」

 キリトは頭を抑えながらアスナに支えてもらっていた。そして、アスナから離れてから言った。

「まあ言いや。それよりも結婚おめでとう。いつかお祝いをしような」

「ああ、もう一人祝う人が出来る頃に……」

「何だよそれ?」

「すぐに分かるよ。じゃあ、俺は帰るな。もしも、ヒースクリフが俺に対して何か言っていたらメッセージ飛ばしてくれ」

 そして、ユキとともに六十四層《エグゼブル》に帰っていった。 
 

 
後書き
誤字指摘お願いします。見てない人は良いですが今回少し内容を変えました。理由はつぶやきをご覧下さい。



 
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