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μ's+αの叶える物語〜どんなときもずっと〜

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第23話 いざ!合宿へ!2日目









「それでは!これから新曲の練習を始めます」




海未の号令と共にμ'sのダンスレッスンは始まった




「ではまず最初は明日、海の家でライブをすることになっているのでその練習を10時まで。次に夏休み明けに行われる学園祭で踊る曲を12時まで練習します」




「「「「「「「はいっ!!!」」」」」」」




海未の言った通り、明日の午後は近くの海水浴場の海の家でバイトの手伝いとライブをすることになった

なんでも海の家の店長と真姫は知り合いだとか....

何だかんだ言って真姫は知り合い多いよな〜




コミュ障だと思ってたけど...さすがお嬢様ってところか




「では大地、リズム取りと指導お願いします」




「おう、りょ〜かいした」


























































「それでは午前の練習はこれで終わりです」




「「「「「「「「「お疲れ様でしたっ!!!」」」」」」」」」




朝の8時から12時までずっと練習し続けた穂乃果たちは終わった途端ぺたりと座り込み息を切らす




「ふぁ〜.....疲れたよ〜」




「はい花陽、お疲れ様」




「あ、ありがとうございます」




「はい、凛も」




「ありがとうございま〜す」




それぞれに水筒とタオルを配り労いの言葉をかける

俺もずっと指導しっぱなして疲れてはいるけどみんなに比べたら大したことない




「さすがに休憩10分しかないのは辛いわね......」




「おやおや、天下の絵里さんもここでギブですか」




「天下って......そんなに私は」




「んまぁいいや、とりあえずみんな温泉でゆっくり休んでこい」




「何言ってんのよ、お昼はどうすんのよ!」




にこさんが立ち上がって抗議する。




「ん?俺が作りますよ」




「はぁっ?料理は私がやるから、あんたはおとなしく--「そりゃ確かににこさんに飯作ってもらった方が味としては間違いないですよ。だけど....にこさんだって疲れてるでしょ?」




今だって息が上がってますよ?それで飯を作ってもらうって俺としては酷な話だ。




「......だけど」




「ここは俺に任せてくださいよ。みんなは頑張った、俺からの労いの品くらい作らせてくださいよ」




まだ納得してないようだけど渋々こくりと頭を動かした




「よし。じゃあさっそく準備しますか〜」




俺はにこさんの頭にぽんぽんと手を置いてキッチンへ向かう




材料は確か野菜と牛肉......あ、そういえば麺とかあったな。

焼きそば作れそうだ....後は軽くつまめるものを何か........
















(....まったく....なんでにこはこんなにドキドキしてるのよ.....)








































ジュージューといい音を立てて野菜を炒める。

ここに軽く胡椒振っておくといいんだよね〜

で、野菜に火が通ったら麺を突入!!







ん〜いい香り〜。この匂いたまんねぇな〜







「大地、変わりなさいよ」




「うぉっ!」




焼きそばの匂いに感動しているところに小さな高校生が割り込んできた




「ちょっとにこさんなにやってるんですか!?風呂は!?」




「もう入ってきたわよ」




言われて見れば黒髪が少し濡れていてしかもシャンプーとかの匂いを放っている。小学生小学生と馬鹿にしてた割にはなんいうか.....にこさんも高校生なんだなと思ってしまい、直後今のにこさんを見ていると....




「.....にこさんってやっぱり可愛いですよね」




「へっ!?///ちょっといきなりなんてこと言うのよ!///」




しまった。ついうっかり口を滑らせてしまった




「ていうかタンマタンマ!!熱々のフライパンこっちに向けないで!」




「.....まったくもう....変なこと言わないでよね///」




「いや...でもほんとのコトですから」




これは正直の気持ちだ。馬鹿にしているつもりはない




「....確かに私はみんなと違って背も小さくて胸も...ちいさくて....大人〜って感じじゃないわよ。」




「でも、料理をやってるにこさんは....俺は大人だな〜って思いますよ。家で料理とかするんですか?」




にこさんはせっせと動かしていた手を止めて話す




「家にね、妹が2人、弟が1人いるのよ。まだ幼くて.....パパやママも共働きで忙しいから私が面倒みなくちゃいけないの。」




「.....それは初耳です」




「誰にも言ってないもの。それでママの代わりにご飯作ることが多くて...」




にこさんはそんなに忙しい家庭だったんだ......




「にこさんの事、見直しました」




「あんた、私の事どう思ってたわけ?」




「ん〜キャラを作る痛い先輩?」




はぁ〜とため息をついて、また手を動かす




「でも.....今の話聞いて、妹達のために頑張ってるって聞いて......優しいお姉さんなんだなって、思いました。」




「..........」




「もし手伝えることがあったらなんでも言ってください。力になりますよ」




「.......《にこ》って」




「え?」




「《にこ》って呼びなさい。さん付け禁止よ」




びしっと人差し指を向けて宣言する




「.......わかりましたよ、《にこ》」

























「それではお昼ご飯も食べ終わったことだし--「お昼寝ターイム!」PV撮影に向けて会議をします」




「うぇ〜っ」




「穂乃果、あからさまに嫌な顔しないでください」




昼食を食べ終わったので次のやる事は海未が言ったようにPV撮影に向けて話し合うこと。

曲やダンスについては準備も終え、午前中もしっかり練習した。

決まってないことといえば、衣装や場所。

合宿前に出た意見は『水着』と『私服』。私服とはつまり夏にぴったりの露出の多い半袖のことで、水着は説明しなくてもいいだろう

どっちにせよ、今回はことりが作る必要がないためこうして放置してしまった次第である







「前に決めた《水着》で行うか《私服》で行うかについてですが、やっぱり私としては《水着》はなしです」




「え〜っ!なんでよ!水着可愛いじゃん!」




「そうよ!水着の方がファンも喜ぶに決まってる」




ブーブーと穂乃果とにこは文句を言う




「ですが....あんなに肌を人前に晒すなんて....恥ずかしいです」




「俺としては人前で堂々と歌ったり踊ったりする方が恥ずかしいと思うけどな」




そうだな....久しぶりに《アレ》やってみるか




「ラブアロ〜--「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」




海未は叫びながらどこかへ走り去っていった

どんだけ恥ずかしいんだよ....まぁ海未の黒歴史と言われる程だし。




「で、みんなどうするの?」




「私は水着でも構わないわ」




「ウチも参戦〜」




「は、恥ずかしいです....でも、頑張ります」




穂乃果とにこの他に絵里さん希さん、花陽は参戦の意を唱える




「私は別にどっちでもいいわ」




どっちでもいいが1人




「......凛は.....私服がいいにゃ」




私服組みが凛のみ。って




「え?まじで?凛なら即水着かと思ってた」




「いや...水着でもいいんだけど.....凛には《似合わない》から」




珍しくトーンの低い凛。具合悪いのだろうか




「凛ちゃん.....」




「だが、みんな水着がいいって言うけど....それでもいいか?」




「....っ。うん!水着でもいいにゃ!」




次の返事はいつもの元気な凛だった。




「それじゃあこれから近場の店に行って買い物に行きましょ」




「え?昨日の水着でよくないか?」




「大地、あんたわかってないわね〜。ちゃんとPV用の水着準備したいって思うのが普通よ」




「そ、そうなのか...まぁ《にこ》がそう言うなら別に構わないけど」
















「「「「「「「っっっっ!!!!!」」」」」」」




直後、辺りが一斉に凍りついたように感じた。




「ん?みんな、どうしたの?」




「......大くん」




「...まさか....」




「にこちゃんと.....」




「......ハラショー」




「....はぁ、鈍感」




穂乃果、ことり、花陽、絵里さん、真姫が意味不明なことを呟いた




「俺と.....《にこ》がどうしたの?」




「大くんまた!まただ!」




「これは....間違いないね」




「大地さんのこと信じてたのに」




「......酷いわ」




「まさか本命がにこちゃんだったなんてね」




本命?酷い?

そこまできてやっと気がついた。みんな俺が《にこ》って呼び捨てしてたことに反応したのか!!!




「待て!みんな誤解してるよ!俺とにこはそんな関係じゃない!」










.......弁解するのに無駄な時間を浪費した














































「「「「「「「「「おお〜〜〜〜〜っ!!!」」」」」」」」」




9人そろって歓喜の声をあげる

真姫はよく来るらしいので、特に珍しがることなくカートを押す。




「はい」




「え?」




「カート持ちなさいよ、まさか女の子にやらせるつもりだった?」




「いやいや滅相もない。ちゃんとやるよ」




「よぉーし、水着を選ぶぞ〜!」




「ちょっと穂乃果〜!走ったら危ないわよ〜!」




「大丈夫大丈夫〜、早く絵里ちゃんもおいでよー」




穂乃果はすぐに見えなくなった。海未とことり、絵里さんは穂乃果を追いかける




「で、水着コーナーとやらはどこなんです?」




「ん〜とね、二階にあるみたいや」




「ほら凛ちゃん行くよ。」




「あ〜かよち〜ん!引っ張らないで〜!ちゃんと行くから〜」




珍しく花陽は凛を引っ張ってエスカレーターに駆け寄る

.....やっぱり凛の奴、変だな




トントン




「ん?なんだ真姫」




(ちょっと凛様子がおかしいからちゃんと見ておいて)




どうやら真姫も気づいていたらしい。わかってるよそんなこと

こつりと頷くのを確認した真姫はにこの手を掴んでスタスタと先へ進む




「あの2人仲いいの?」




「最近一緒に帰ってるところ見るよ」




「ふ〜ん....」




「大地くんはこれからどうするん?」




「どうするって....?」




「ウチらはこれから水着選びするんやけど....」




「そんなこと俺だって知っ--」




.....しまった。俺......男性の俺がいたらやばいじゃん




「ふふっ♪ウチは別に構わへんけどな〜」




「....俺はそこらへんで待ってます。はい、カートです」




俺は希さんにカートを渡し、その場から立ち去ろうとする




「みんな大地くんがいた方がいいって言うと思うけどな」




そんな...俺がいなきゃダメ〜みたいなこと思ってる奴がこの中にいるわけないじゃん。結構殴られたり蹴られたりしてるんだよ?




「.....まぁ....近くのベンチに座ってますよ」




そうこうしてるうちに二階へとやってきた。

目の前には水着!水着!水着!水着!!

主に女性用の水着が展示してあった。




「見てみて大く〜ん!こんなの可愛いよね〜!」




穂乃果の見せる水着はオレンジをベースとし、白や赤など明るめの色彩で飾られたフリフリの水着

それを着た穂乃果を想像しただけで.....ごくり




どうしよう.....俺は耐えられるのか?

ここ最近出血量が増えた気がする




「ほな、ウチも試着しよ〜♪」




まずい.....このままでは....




「大地くん、そこで立ってないでこっちに来なさいよ!」




「大地さん、ほらほらみんな待ってますよ〜」




花陽が俺の背中を押して水着溢れる楽園を連れていこうとする




「待ってくれ!みんな冷静になって話し合おう!」










俺は退路を断たれた。

よって俺はみんなの試着を最後まで見るハメになった

だめだ....血が足りない



















































「なんかさっきから意識がぼ〜っとしてるな....疲れているのかな」




「それは多分疲れているんじゃなくて貧血よ。まったく〜、あんなに鼻血を噴き出しちゃって」




帰り道、俺は鼻を押さえながらみんなの水着の入った袋を両手に抱ていた。もちろん安定のパシリである




「きっとにこの水着姿にクラクラきちゃったのよね!」




「にこ、それはない」




キッパリと言い放つ。




「なんですってーーー!!!」




「まあまあ、ほら大地くん、ティッシュだよ〜」




「ありがとうことり....なかなか血が止まらぬ」




「大地は変態です」




海未よ、それは今になって始まったことではないぞ

にしても随分買い込んだな。

俺の知ってる限り水着だけじゃないよな?

なんていうか....下着も入っていなかったか?ブラとか....さ




「大くん、変なこと考えてるでしょ」




また思考を読まれた。あんまり変なこと考えないようにした方がいいかもしれない。







「なぁ絵里さんや、これからどうするの?」




話題を変えようとこれからの日程について質問する




「そうねぇ.....夕飯のことを考えると少しおさらい程度に練習できそうね....海未はどうしたい?」




「私も練習した方がいいと思います」




「つか、俺何も知らないけどさPVってあれだろ?いま練習してる夏色のやつ」




「そうよ」




「どこでやるの?」




「........」




考えていなかったんかい!!絵里さん真面目なように見えて実は天然?というか....アホな子?




「それは後で決めましょ。みんな着いたわよ、荷物を置いてすぐ練習ね」




さて、みんなが練習している間に夕飯の準備でもしておくか。

今日は食材を切っておくだけだから楽勝楽勝♪






















----------------------------

海未side







新曲もみんな形になってきました。明日のPV撮影は上手くいきそうです。でも....水着でというのはやはり恥ずかしいものです




μ'sが9人になって3作目の曲『夏色えがおで1,2,jump!』




夏を楽しむ私達をアピールするというコンセプトで私も真姫もそれぞれのやることをやってきました。

きっと成功させて、μ'sを全国の人に知ってもらうのです




練習が終わり、夕食の場所へ向かいます

今日は穂乃果と凛の要望に答えてバーベキューをすることになりました

私はバーベキューというものを人生で2度したことあります

一回目は幼稚園の時のお泊り会で




二回目は中学2年の時に穂乃果とことりと一緒にキャンプで




とても楽しかったです

それに今回はμ'sのみんなとバーベキュー

ワクワクしています




「ほら、食材持ってきたぞ〜みんなで協力して串に刺してって」




大地が山のような食材を持ってきて、すぐさま穂乃果や凛が飛びつきます




「わ〜い!バーベキューバーベキュー!穂乃果はこれとこれ〜!」




「じゃ〜あ、凛はお肉がいっぱいの!」




「待てお前ら、協力してって言っただろ〜が」




みんなで楽しくワイワイと盛り上がりながら食べる食事

私のお父さんにこんな様子見られたらきっと怒るでしょう

でも....こういうのも悪くないですね




「希、あなたお肉食べ過ぎよ。野菜も食べなさい」




「たまにはええやん。えりちもちゃんと食べないと大きくならないで〜」




「ちょっとどこ見て言ってるのよ!」




「どこやろね〜ふふっ♪」




「希....お肉食べるとそんなに胸大きくなるの?」




「え?どうやろね。にこっちはそのまんまねええよ〜WASHIWASHIのやりがいがあるしね」




「い、嫌よ!希のそれ受けてたらおかしくなっちゃうから!」







「かよちんかよちん!見て見て〜ラーメンの完成にゃ!」




「ふええっ!?凛ちゃんラーメン作ったの?」




「ラーメンはインスタントだけど上の具は今さっきバーベキューで焼いた具だよ」




「そ〜なんだ〜。あ!ご飯炊けたよ〜!みんな〜!!熱々のご飯だよ〜!!」




「花陽、そんなに大声で言わなくてもちゃんと聞こえるわ」







「穂乃果!お前ピーマン俺の皿に置いただろ!」




「そんなことしてないもん!」




「嘘つけ!」




「ほんどだよ!ね、ことりちゃん」




「え?ええと......そ、そぅたね.....ははは」




「ほら〜!海未ちゃんもそうだよね!」




「え!?え、えぇそうですね」




「え〜。まじかよ....ピーマン置いてたかな..?」




ふふ....みんな楽しそうです。













食後は凛の要望通り花火をしました。

たくさんの色で輝く花火は私は好きです

色が変わったりして魅力的です




特に閃光花火が好きです

落ちるか落ないか....そんなハラハラするような、そして落ちた時の儚い感じがなんとも言えません




と、1人で閃光花火をしているところにことりがやってきました




「私も一緒にいいかな?」




「いいですよ」




いつもの声なのに、表情はどこか暗い感じがします

長い付き合いだからでしょうか。

なにか大事な話をしにきたのは間違いないみたいです




「....何か、あったのですか?」




「わかっちゃう?」




「当たり前です。何年あなたの傍にいると思ってるのですか?」




「えへへ〜それもそうだよね」




シュワ〜

と、閃光花火が光りだします

綺麗です...




「昔ね」




ことりは唐突に語りだしました




「昔、穂乃果ちゃんと一緒にいた男の子は大地くんだったって...聞いたよね?」




「はい、ファーストライブの後に穂乃果が言ってましたね」




「でも、今の大地くんはわたし達と昔会ってたこと忘れてるよね」




「....はい。むしろ、彼の態度は初対面のようです」




「それでね。前に大地くんのお母さんと話す機会があったの.......大地くん..........」








































------記憶を無くしているんだって------













......ことりも確信してしまったのですね

前に穂乃果が私に言ってくれたことはこうしてことりも知ってしまいました。







「そうですか......」




「原因は.....ストレスなんだって」




「ストレス...?」




聞いたことがあります。過度にストレスを溜め込みすぎるとちょっとしたことがきっかけで記憶を失うという病気があることを....

まさか大地がそれになったと言うのでしょうか




「小学5年生になる前に、クラスで大きないじめがあったの覚えてる?」




「もちろんです。あんな酷いいじめ....忘れられるわけがありません」




「.....それが大地くんを苦しめた原因なんだって」




.......どうゆういことでしょうか

あの事件の内容は私は嘘だとばかり思ってました

彼が《そんなこと》するはずないと

でも.....もしそれが真実でしたら




「まさか.......大地は......」




「..........」




ことりの答えは、無言、でした







気がつけばことりの閃光花火の光も私のも消えていました































----------------------------







2日目もとても充実してたな

みんなの練習に付き合って




にこの家庭の話を聞いて




みんなでPVの衣装を決めてからの水着選びして




みんなとバーベキューして




花火して




毎日こんな日常が続いて欲しい......

遊んでいるようにしか見えないけど、それが今の俺

ほんと...ここ数ヶ月で変わったな




俺は衣類をカゴに脱ぎ捨てガラガラとドアを開ける

もわっと温泉の煙が一面に広がる

微かに匂う硫黄がなんとも言えない




「にしても....真姫んちってすごいなー。温泉があるなんて」




前に源泉を見つけるのに10万....いや、100万単位で飛んでいくと聞いた気がする。




俺は温泉に入る前に頭と体をしっかり洗ってから湯船に浸かる




チャプン.....




「ああ〜....気持ちいい〜。幸せじゃ〜」




誰もいないのでつい大きな声になる

ちょうどいい温度が俺の体にある疲れを溶かしてくれる

眠たくなってきたよ......




「......それにしても、今日は凛の様子変だったな」




星空凛、今一番心配な少女

いつもはそんな心配するような少女ではないのに、今日に限って何かおかしかった。.....まるで、怯えているかのような




今度聞き出せないだろうか......




よくよく考えてみれば凛とまともに会話したことないな....

μ'sのメンバーってだけでそれ以外何も知らないことに気づいた

知っているのは元気で猫語で運動神経がずば抜けて高くて




ダメだな....マネージャー失格だな




「よし、いい機会だ。凛と話をしよう」




そう思い、温泉から上がろうとする。




ガラガラガラガラ




「ん?」




誰かが入ってきたわけではない.....《男湯》には
















「うわぁ〜!おっきい〜!!」




「ダメですよ穂乃果、ちゃんと体を洗ってからにしてくだい」




この....声は......?




「穂乃果ちゃ〜ん、待ってよ〜」




「かよちんまた胸大きくなった?」




「ふぇぇぇっ!?そ、そんなことないよ」







........女湯にヤツらがきた。

上がるのはやめて少し話を聞いてみよう




「.......」




「ん?なぁに?にこっち。ウチの胸ばっかりジロジロ見て」




「別に見てないわよ!」




「嘘。羨ましいとか思ってたんよね?」




「そんなわけないでしょ!ただ運動するとき邪魔そうね〜と思ってただけよ」




「にこ...結局見てるじゃないの」




キャピキャピと女性軍の会話が聞こえる

なんでだろう.....彼女達の裸を見てるわけじゃないのに罪悪感が芽生えてる。....犯罪じゃないから大丈夫だよね?ね?




「ねぇ花陽」




「ん?なぁに真姫ちゃん」




「花陽は大地のこと好きなの?」




ブッ!!!




ままままままま真姫のやつなんてこと聞いてるんだ!!

俺の天使様に!!




「ふぇぇぇっ!?ち、違うよ!大地さんは好きじゃないよ...その....」




好きって言われるのも反応に困るが...あ、嬉しいけどね。

反応に困るけど、好きじゃないって言われるのも心にグサッてくるものがあるな




「かよちん嘘つくの禁止〜指合わせてるにゃ〜」




「はっ!」




「はぁ....好きなんでしょ?」




「.......もうこの話はいいでしょ!私より真姫ちゃんはどうなの!」




「話そらしたにゃ(わね)」




「....そうね...好きか嫌いかって言われたら好き...なのかな?べ、別に恋愛の意味の好きじゃないからね!!あくまで尊敬するって意味で好きなだけ!」




「ふふふっ...」




「な、なによ」




「真姫ちゃんも素直じゃないね〜」




「ううう.....///」




.....これ以上会話を聞くのはまずいかもしれない

主に俺の心が

そろそろ撤退しよう




「....穂乃果?」




「うん?なに?」




「こっちのシャンプー切れてしまいました。貸してくれませんか?」




「いいよ〜、はい!」




「ありがとうございます.....ってこれボディソープじゃないですか」




「あれ?おかしいな.....」




「穂乃果ちゃんはうっかりさんだね」




「えへへへ.....あのさ、ことりちゃんは大くんの家に行ったことあるの?」




「「えっ??」」




「え?なんで海未ちゃんも反応するの?」




「や、気のせいですよ」




「うんうん!大地くんの家に言ったことあるけど夕食をご馳走になったよ」




「そうなんだ〜。穂乃果も最近大くんママのご飯食べてないな〜」




「私も今度はご馳走になりたいですね。ご迷惑でなければ、ですが」




「大丈夫だよ〜!大くんママは歓迎してくれるよ!」







たまに穂乃果と俺の記憶に食い違いがあるんだよな....

穂乃果って俺の母さんの飯食ったことあるのか?




つか、マジで顔と体が見えない分すごく....興奮してしまう。

しかも向こうは全裸.......まずい!妄想するな!

落ち着くんだ!俺のマイブラザー!!!!!













「にこっち〜」




「ひゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!///希!!!勝手に胸触らないで!」




「ん〜相変わらず胸はまだまだみたいやね」




「だからいらないの!動きやすいし!」




「むっふふ〜♪ええやんええやん、ちっとばっか胸大きい方が大地くんも喜ぶやろ〜」




「え!?.......な、なんであいつなんかのために!」




「にこ、今の間はなによ」




「う、うるさいうるさい!ほら!絵里の胸も揉んであげなよ!希〜!」




「そやね、最近忙しくてえりちの胸WASHIWASHIしてなかったし」




「の、希?落ち着きましょ?大丈夫よ?私はもう十分--「いっくで〜!東條希流奥義《WASHIWASHI MAX》や〜!!!」




「きゃあぁぁぁぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」




ツー




......あれ?のぼせちゃったかな?

鼻血が止まらないぞ?

お湯で流すか....




「なんか....絵里ちゃんの声、エロいね」




「絵里もそんな声出すのですね....」




「穂乃果も海未も見てないで....きゃっ、希を止めて〜///」




「絵里ちゃんエロいにゃ」




「聞いてるこっちも恥ずかしいよ〜」




花陽の言う通り....かなり恥ずかしい....

マイブラザーも眠るどころか覚醒しているのですが....




「よぉ〜し、今日はみんなの分もWASHIWASHIいくで〜」




「えっ!?希ちゃん待って」




「希なんか今日ノリが大地みたいね....」




「まだ一度もされたことのない人からいこうか。最初は真姫ちゃんやね」




「ゔぇえっ!?なんで私!?」




「さぁ覚悟〜!!」




「待って!待って!」




......あれ?俺の体が勝手に動いてる

気がつけば石垣の上を上ってる

まさか....俺は覗こうとしているのでは?

だめだだめだ!さすがに覗きは.......




チラッ




......絶景だ。霧で少し見えづらいがみんなの様子がよく見える




「あっ」




「あっ」




WASHIWASHIを真姫に繰り出そうとしている希と目が合った

やばい、と思った時にはもう遅かった




「みんな〜!大地くんがあそこで覗いてるよ〜」




























叫び声のすぐ後に9つの拳が飛んできた




意識は暗い闇の中へ
































































p.m.11:15
















「.........んっ」







目が覚めてしまった.....なんかすごい悪夢をみていたような気がする

......でも極楽だったような




あの後9人にガミガミ怒られて、

女子が入っているとき男湯に入ることを海未に禁止された

後から入ってきたのは海未たちだというのに....




なんて可哀想な俺




「.......なんか中途半端な時間に起きちまったな」




ゆっくり上半身を起こすと、手元に違和感を感じる




毛布を捲ると




「....穂乃果?」




パジャマ姿の穂乃果が隣で寝ていた

下でみんなと寝ていたんじゃなかったのか?




「.......寝てる時みたいに静かな奴だといいんだけどな」




スースーと寝息を立てて寝ている穂乃果の髪をさわる

さらさらだなと思った




......昔もこうやって寝ていたな.....




























....え?あれ?今俺、なんて思った?




昔も....?







『だいくんのとなりでねてもいい?』




『また?きのうもだったよね?ほのちゃんまましんぱいしてるよ?』




『おかあさんはいいよっていってた。『今のうちに一緒に暮らすことに慣れておきなさい』っていってたよ?』




『.....そ、そうなんだ。ちなみにほのちゃんはほのちゃんままのいってることわかる?』




『ん〜ん!ぜんぜん!』




『そ、そう.....』







......え?なんだ今のは!

今の2人の少年少女は......?




俺は....懐かしがっている?




俺は穂乃果を見つめる。




「俺は......こいつのこと知ってるのか?」




全然わからない。

....でもまぁ....仮にこいつと幼い頃から知り合いでもいいかな

と思った。きっと楽しい毎日を過ごしていたんだろうな




そう思いながらまた眠りについた













まだまだ夜は長い








 
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