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第七幕その九

「考えるよね」
「どの道に行くのか」
「そうするから」
「ああ、考えるから」
「だからね」 
 それでというのです。
「寝ないよ」
「あれこれ考えていると」
「どうもね」
 実際にというのです、カルロスも。
「寝ることもないね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「考えることはいいことにしても」
 それでもと言うカルロスでした。
「寝ることも大事だよね」
「うん、そうした時は考えない」
「それも大事だね」
「そうだね」
 こうしたことをお話するのでした。
「考える時は考えて」
「考えない時は考えない」
「そうして起きる時は起きて」
「寝る時は寝るだね」
「そして遊ぶ時は遊ぶじゃ」
 王様の言葉です。
「それが大事なのじゃ」
「王様ならではの言葉ですね」
「ほっほっほ、わしは起きている時は遊ぶ主義じゃ」
 カルロスにも笑って言うのでした。
「即ち起きる時は常に遊ぶ」
「王様の場合は」
「それか食べるのじゃよ」
「どっちかなんですね」
「そして寝る時はな」
「寝られるんですね」
「ベッドに入れば一切考えずにじゃ」
 そうしてというのです。
「寝てそして夢を楽しむ」
「そうされるんですね」
「うむ、そうしておる」
「夢もですか」
「昨日の夢もよかった」
 にこにことしてお話する王様でした。
「お菓子を好きなだけ食べて皆と遊んでな」
「楽しまれていたんですか」
「夢の中でな」
「夢の中でも同じことされてたんじゃ」
「ほっほっほ、夢でも楽しかったぞ」
「そういうことですね」
「うむ、本当にいい夢じゃった」
 にこにことして言う王様でした、そして。  
 ボタンもです、こう言うのでした。
「僕は昨日の夢ではずっと寝てたよ」
「夢の中でも?」
「そうだったんだ」
「夢の中でも寝てるなんて」
 それこそと言うカルロスでした。
「ボタンらしいね」
「そうだよね」
「それでその夢もなんだ」
「うん、楽しかったよ」
「そうだったんだね」
「今日もそうした夢を見たいね」
「それじゃあね」
 こうしたことをお話してでした、そのうえで。  
 皆で一緒に行くのでした、迷路の先を。
 そして迷路を進んでいってです、まずは地下一階をクリアーしてでした。一階への階段に足を踏み入れるのでした。 
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