剣(ブレイド)外伝-仮面ライダーギルティ-~失格者の罪と罰~
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楽園に舞い降りた罪の怪物と罰の戦士その4
ギルティとモーレイアンデッドの激戦が終わったその頃、鱗とエレノアはというと…
「…」
「…」
お互いに無言であった。気まずそうに顔を俯かせ、暗く沈んだ表情であった…それもそうである。アンデッド二体により島は二人を残して全滅、それだけでも気が重いのに、詠鶴が原因で起きた今回のいさかい、最も殆んど鱗一人の勝手な嫉妬による逆ギレによって起きたことでますます言葉が出てこない…。
((謝らなきゃ…でも…))
心でそう思っても言葉に出来なければ意味がない、だが言葉は時に諸刃の刃となる。自分も相手も傷つけかねないそれは慎重に使わなければならない、それを解って、傷つくことが、相手から拒絶されることが怖いから二人は沈黙する…。
(…あれ、そういえば…ここに来る前に詠鶴が何か言いかけてたな…?)
こんなときに限って事態をややこしくした張本人の顔が浮かんだのは癪なことながらも、鱗はアンデッドが襲来する前に言っていたある一言を思い出していた。
『実を言うとな…ここだけの話、シスターもお前のこと…』
(え…嘘、だろ…?エレ姉ぇも、俺のこと…?)
一か八か、鱗は詠鶴の言葉を信じ、先に行動を移した。
「エレ姉ぇ、聞いてくれ。」
「…ッ!!」
鱗の口が動くとエレノアは身体を震わせた…
「ごめん…!!どうやら俺、勘違いしてた。エレ姉ぇが誰に対しても優しい人だってこと忘れてた…なのに余所者の詠鶴がエレ姉ぇと一緒にいるのを見てさ、つまんない嫉妬して、癇癪起こしてばかりで…困らせてばかりで、ごめん…。」
それは見事なまでの土下座からの謝罪だった。つまらないことで詠鶴やエレノアにまで当たり散らしていた自分の未熟な愚かさを素直に認め、心の底から深々とエレノアに謝った…それには一切の誤魔化しも取り繕いもなく、ひたすらに謝ろうという気持ちだけがあった。
「…私のこと…嫌って、ない…?」
「嫌うもんか!エレ姉ぇがまた一人ぼっちになるだろ!?最初に会ったときも、村の人達から嫌われてさ、いつもビクビク怯えながら、誰かに嫌われるのが怖くて教会に閉じこもっていたのも知ってた…でもさ、俺は不思議に思ったよ?『一度も話したことがないのにどうしてこの人のこと嫌うんだろう?』って。」
「!!」
外国人だから、言葉も発音もたどたどしいカタコトな日本語しか話せないから、ただそれだけで彼女一人が島民から拒絶されたことも知っていた…鱗にはそれが嫌だった。彼女の何を知ってその様な冷たい拒絶をするのかも理解出来なかった。だから鱗は自ら彼女に近づいた…例え、エレノアから嫌われても自分だけはせめて彼女の味方であろうと…。
「俺、まだほんのガキだからさ…俺よりもずっと立派な大人のエレ姉ぇにこんなこと言うの、なんだけど…俺、エレ姉ぇのこと、大好きだ!冗談でもなんでもない、本当の意味で愛してる!!」
「り、りん、くんっ…!!」
嘘偽りのない、栖貝鱗…齢12歳の幼い少年の一世一代の愛の告白にエレノアは視界がボヤけ、既に涙腺は決壊していた。
「あり、がとう…ありがとう…!!私も、私も好き…大好き…あなたのこと、本当に愛、して…うわぁああ!!あああぁああん!!わぁあああっ…!!」
「あぁ!あぁ…!!誰が何と言ったって構うもんか!エレ姉ぇには俺がずっといるから!!」
エレノアは小さな子供のように泣きじゃくりながら本物の子供である鱗の小さな身体を抱き締め、自分の本当の気持ちを伝え、二人の心は一つに繋がった…。
(青春だねぇ…)
その様子をヤシの木の後ろから覗いていた詠鶴は二人の恋の成就を純粋に喜んでいた。尚、モーレイアンデッド封印の後、自分の所属する組織に連絡を入れていたのだ…島村は既に全滅し、教会も戦闘で荒れに荒れてるため、行き場を失った二人が今後この島で暮らすのは過酷なことだ…よってこの二人を保護して此処よりも安全な場所で平和に暮らさせようと考えたからだ…。
一先ずの戦いは終わった。この世に蔓延り、存在だけでも許されない罪の象徴たるアンデッド達に罰を下すために詠鶴の、ギルティの戦いは続く、これはまだほんの序章に過ぎないのだから…。
後書き
長々と書きまくってしまった仮面ライダーギルティ、いかがでしたか?久々に書いてみて自覚しましたが、大分書くのが色々下手になってる気がします、今尚スマホに慣れてないのもあってかますます…ちなみに、ここから下は大分長々と後書きが続きます、本当にクッソ長いため、面倒な方はこの辺で強制終了してくださって構いません(汗)
今作で非常に目立ってるなオリジナル設定とかもかなり無理ありますし、何よりメインであるはずの主人公の詠鶴を置き去りにして話全体の殆んどをサブキャラ同士のなんか年の差ラブコメみたいなのにしてどういことなの…という感じの愚作になってしまいました(汗)個人的にブレイドのアンデッドの53種という数字はトランプに合わせた数とはいえ、些か少ないなとは感じ、ついつい勝手に本編に出てないアンデッドやその力を使うライダーとかを自分で想像したりしてましたがまさか本当にやってしまうとは…
ちなみに続編を書くかどうか未定のため、簡単に設定のみ表記しておきます。
失格者:53種のアンデッド以外でのバトルファイトに選ばれなかった種族に付けられる蔑称、彼らにはバトルファイトへの参加権は一切無いため本来ならば表に出ることすらなく封印されたままになるはずだったがどういうわけか封印が解かれ、大量にこの世に解き放たれた、全員共通して体の一部とバックルには赤い『×』印の烙印があり、ラウズカードに封印されても尚その刻印が刻まれるその様はまるで罪人の決して消えない罪の証のようにも見える
雷峰詠鶴/仮面ライダーギルティ:失格者の封印のために誕生したとある組織の手により開発された仮面ライダー第一号(一号といっても偉大な昭和ライダーに非ず)、各地で活動する失格者達の封印のために世界中のどこへでも駆け巡る
カード一覧
A チェンジアントライオン(アリジゴク・変身)
2 エッジスワロー(燕・斬撃)
3 ストレイトベアー(熊・拳撃)
4 ???(???・???)
5 スパイクヘッジホッグ(ハリネズミ・キック技)
6 ボールダーコモドドラゴン(コモドドラゴン・石礫)
7 ラバーシーキュカンバー(ナマコ・ゴム化)
8 ???(???・???)
9 ???(???・???)
10 ホーミングモーレイ(ウツボ・追尾機能)
J フュージョン???(???・融合)
Q アブソーブ???(???・吸収)
K エヴォリューション???(???・進化)
…と、色々抜けもあるグダグダな設定なんですがそこは二次創作特有故の甘さと思い、御容赦を…
続編は考えてませんが何かしら別なものの新作は既に考えております。次にお会いするときはそちらの方で…それではまた、蜥蜴石でした!
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