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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第七十八話 赤い海と紫の道その十二

「二人共一升空けたぞ」
「そうだね、今ね」
 その一升瓶がだ、二人の横にあった。見ればどの娘もそれぞれの横に一升瓶を置いていてセルフサービスで自分の杯に入れて飲んでいる。
「空けたね」
「そしてな」
「うん、もう一升ね」
「一升飲むのもな」
 日本酒をだ。
「並大抵なことじゃないからな」
「そこまで飲める位でもね」
「違うからな」
 それがなのだ。
「さらにだからな」
「何だろうな」
「それだけ強いし、それに」
「それに?」
「空気かな」
 僕は考えながらこうも言った。
「そうした飲む雰囲気だから」
「飲み合いの勝負だからか」
「負けてたまるかって思ってね」
「それで飲むからか」
「うん、ああしてね」
「相当に飲んでるんだな」
「そうだろうね、ただね」
「それでもだよな」
「あの勢いはね」
 合唱部も軽音楽部もどっちもだ。
「それでもかなりだね」
「あれ倒れないよな」
「倒れる娘いるかもね」 
 僕はかなり真剣に心配していた、このことを。
「そうなりそうな娘はね」
「止めないとな」
「ことが起こったら」
 本当にそれこそだと思った。
「駄目だからね」
「だよな、それはな」
「二日酔いならまだいいけれど」
「急性はな」 
 急性アルコール中毒だ、本当にこれはある。
「やばいしな」
「そうだけれど」
「まだな」
「倒れる娘いないね」
「止まる娘もな」
「今はね」
 本当に今のところはだ。
「まだだね」
「何時まで続く?」
「さてね」 
 そう聞かれるとだ、僕もだった。
 首を傾げさせてだ、こう宮脇君に言った。
「わからないね」
「もうすぐか?」
「皆どんどん一升空けてるから」
「一升空けるとな」
「やっぱり相当だからね」
「結構きてるだろ」
「そうだね、大抵の娘がもうお顔真っ赤だし」
 そこから本当に青くなりそうだった、飲み過ぎると段々青くなってくるのは危険信号だと聞いたことがある。
「猛烈に飲んでるけれど」
「それもな」
「そろそろかな」
「というかこれ無制限か?」
 今度は中島君が言って来た、同じバスケ部の。 
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