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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第七十八話 赤い海と紫の道その六

「色々なものもあるしね」
「設備も充実してるのね」
「相当にね」
「設備のいい学園よね」
「そうだね、かなり充実してるね」
「お金あるから?」
「あるね、実際に」
 八条学園は世界的な企業グループ八条グループが経営している、だから余計にだ。
「だから思いきり設備も充実してるんだ」
「学園の敷地内に動物園や水族館もあるし」
「博物館や美術館もね」 
 しかもどれもかなり凄いレベルだ。
「鉄道博物館なんか圧巻だよ」
「鉄道ね」
「うん、八条鉄道があるからね」
 日本全土に路線がある日本最大の私鉄だ、かつては第二国鉄とまで言われていたらしいけれど国鉄がもうないので言われていない。
「鉄道博物館もあってね」
「充実してるのね」
「何しろ企業グループ内でプロ野球とサッカーのリーグも持ってるから」
 あとバスケやバレーボールもだ。
「大きいよ」
「それでその農業科もなのね」
「充実してるからね」
 設備がだ。
「お米について知りたいのならね」
「農業科に行けばいいのね」
「聞いても資料見てもいいから」
「わかったわ、まあ日本のお米も美味しいわ」
 ダオさんは美味しさ自体は認めていた。
「そのことは確かね」
「そう言ってくれると嬉しいよ」
 日本人である僕にしてもだ。
「とにかく特殊と言われることが多いお米だからね」
「他の国のお米とは違っててもね」
「味はだね」
「確かにいいわ」 
 このことは間違いないというのだ。
「実際にね」
「それで日本酒もだね」
「今日も飲むわ」
 目を輝かせているどころか燃え上がらせての言葉だ。
「うちの部活女子軽音楽部に挑戦状受けたし」
「飲むことで?」
「そうよ」
「で、その挑戦への返事は」
「部長が受けて立つって言ったわ」
「それまずいよ」
 僕はその話を聞いてすぐにだ、ダオさんにこう返した。
「それもかなりね」
「何かあの部活大酒飲み揃いらしいわね」
「そうなんだよ、もう幾らで飲む娘ばかりで」
 そのことでも有名な部活だ、活発に音楽活動をしているだけでなく。
「ウワバミみたいだから」
「日本じゃ大きな蛇はお酒好きっていうけれど」
「そうした娘ばかりだから」
「じゃあ勝負したら」
「負けるよ」
 僕は実際に確信していた。
「負けてどうなるか知らないけれど」
「ただの勝負でね」
「負けても別になんだ」
「何も賭けたりしてないわよ」
「だったらいいけれど」
 そうした勝負でないことは僕も聞いて安心した、けれど女子軽音楽部のことを知っているだけにだった。言わずにいられなかった。 
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