Blue Rose
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第十六話 神戸を後にしてその十一
「今夜のお別れパーティーだけれど」
「御前の家でやるんだよな」
「姉さんがお料理作ってくれてね」
「優子さんも料理上手だしな」
「うん、腕によりをかけてね」
その優子がだ。
「作ってくれるらしいんだ」
「そうか、それはいいな」
「最初は僕が作るって言ったけれど」
「おいおい、それは駄目だろ」
優花の今の言葉を聞いて笑ってだ、龍馬は彼にこう言った。
「御前が主役だからな」
「姉さんにもそう言われたよ」
「こうした時は主役は何もしないんだよ」
「そうらしいね」
「ああ、落ち着いて座ってな」
そしてというのだ。
「祝ってもらえばいいんだよ」
「そういうものだってね」
「そうだろ、だからな」
「今日の僕はだね」
「何もしなくていいんだよ」
雑用の類はというのだ。
「それこそな」
「何もだね」
「ああ、しなくていいんだよ」
こう優花に言うのだった。
「そうしなよ」
「それじゃあ」
「ああ、今日は楽しんでな」
あらためてだ、優花に話した。
「明日からな」
「行こうね」
「それじゃあな」
「そのパーティーに」
今度は優花から言って来た。
「龍馬も来てくれたら嬉しいよ」
「三人になるとか」
「二人より三人だとね」
それこそというのだ。
「賑やかだし姉さんと龍馬だと」
「俺もか」
「僕のことをわかってくれている人が二人共いてくれるとね」
「嬉しいんだな」
「長崎に行くパーティーとしては最高だよ」
「俺と優子さんだとか」
「これ以上はないまでにね」
笑顔になってだ、優花は龍馬に話した。
「それじゃあね」
「ああ、俺も来ていいんだな」
「お願いするよ」
「わかった、それじゃあな」
「今日は三人で楽しもうね」
「何か暫くぶりだな」
龍馬は優花の言葉に笑顔で頷いてだ、それからだった。
少し考える顔になってだ、こうしたことも言った。
「三人でパーティーするのもな」
「そうだよね」
「しかも御前の家でな」
「高校入ってからは殆どなかったね」
「そうだったな、中学まではよく一緒にだったけれどな」
「そうだったね」
「何か減ったな」
高校に入ってからだ、三人ではというのだ。
「俺と御前はいつも一緒だったけれどな」
「三人はなかったね」
「何か優子さんと会うことが少なくなってたな」
「龍馬が僕の家に来ることがなくなってたね」
「そうだったな、部活が忙しかったからか」
「それでかな」
「中学の部活よりもな」
高校の部活はというのだ。
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