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オズのボタン=ブライト

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第六幕その十二

「強い日差しもいいがこうした日差しもよいな」
「夕陽を見てると」
 ここで言ったのはボタンです。
「何かね」
「どうかしたのかな」
「うん、優しい気持ちになるね」
 こうカルロスに言うのでした。
「何かね」
「ボタンはそうなんだ」
「そうだけれど」
「どうしてかな、それは」
「わかんなーーい」
「それはお月様wを見てもかしら」
 ここでオズマがカルロスに尋ねました。
「それは」
「うん、そうだよ」
「それならわかったわ」
「どういうことですか?」
 カルロスはすぐにオズマに尋ねました。
「ボタンが夕陽やお月様を見て優しい気持ちになるのは」
「どちらも優しい光だからよ」
「その光を見てですか」
「優しい気持ちになるの」
「だからですか」
「そう、朝日で目覚めてね」
 朝日のこともお話するオズマでした。
「お昼の光で元気になって」
「夕陽で優しい気持ちになって」
「お月様でさらにそうなってね」
 そのうえでというのです。
「そのうえで寝るものなのよ」
「それが人なんですね」
「そうなの、だからボタンもね」
「夕陽で優しい気持ちになるんですね」
「そうだと思うわ」
「そうですか、わかりました」
 カルロスもここまで聞いて頷きました。
「ボタンがそうで」
「私達もそうだと思うわ」
「照らされる光によって違うんですね」
「そうなってくるのよ」
「光ってそうした意味でも大事なんですね」
「そうよね」
「さて、宮殿に帰ったらじゃ」
 また言って来た王様でした。
「皆で美味しいものを食べてお風呂に入ろうぞ」
「それで、ですよね」
「ぐっすり寝て明日また楽しく過ごすのじゃ」
 こう言うのでした、ボタンも王様も夕陽を見ても優しい楽しい気持ちなのでした。 
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