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オズのボタン=ブライト

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第六幕その十

 ボタンは森の中にはいませんでした、それでオズマも言うのでした。
「森の中にはいなかったわね」
「はい、そうでしたね」
 カルロスは首を少し傾げさせてオズマに応えました。
「残念なことに」
「それじゃあね」
「何処でしょうか」
「大体察しはつくわ」
 オズマは微笑んでカルロスに答えました。
「森にいないならね」
「それは何処ですか?」
「あそこよ」
 こう言って指祭sた場所はです。
 お城でした、午前に皆が作ったブロックのお城です。
「あそこにいるわ」
「ああ、お城ですか」
「そう、あの中にいるわ」
「そういえば」
 言われてです、カルロスも頷きます。
「あの中は」
「そう、城壁に囲まれているし」
 ブロックのそれにです。
「しかもね」
「はい、お城の中も」
「見えないから」
「だからですね」
「森の中にいないのならね」
「あの中ですね」
「そうだと思うわ」
 こう予想を述べるのでした。
「あの子が今いる場所はね」
「それじゃあですね」
「今から行きましょう」
 お城の中にというのです、そしてでした。
 実際にです、皆でその橋を上げてです。門を潜ってまずは城壁とお城の間を探してからです。
 お城の中に入るとです、ボタンが気持ちよさそうに寝ていました。つぎはぎ娘はその彼を見て皆に言いました。
「ぐっすりね」
「うん、寝てるね」
「やっぱり身体動かしてお腹一杯食べたからね」
「眠くなったんだね」
「そうみたいね」
 こうカルロスにも言うのでした。
「それで寝ちゃってなのよ」
「ここに移ってたんだね」
「そういうことよ」
「ほら、近くにいたでしょ」
「実際にね」
 ガラスの猫とエリカも言います。
「猫の勘は当たるのよ」
「お髭は嘘を吐かないわ」
「だからね」
「ちゃんとここにいるのよ」
「うん、勘は凄いね」
 カルロスも腕を組んで考えるお顔で応えます。
「まさかね」
「本当に傍にいたなんて」
「思わなかったっていうのね」
「いや、ある程度は思っていたけれど」
 それでもというのです。
「本当に傍にいたからね」
「人間の勘なんて比べものにならないのよ」
 誇らしげに胸を張ってです、ガラスの猫はカルロスに言うのでした。
「猫の勘はね」
「鋭いんだね」
「その通りよ」
「猫のお髭はね」
 エリカはそのお髭をこれみよがしに見せています。
「レーダーなのよ」
「そこまで凄いんだね」
「そういうことよ」
「そうなんだね、だから」
「わかったのよ」
「そういうことだね、じゃあね」
 カルロスはあらためて言いました。
「ボタンを起こして」
「宮殿まで帰ろうね」
 馬が応えます。 
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