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提督がワンピースの世界に着任しました

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第13話 次に目指す場所

 今後の方針を夜通しで考えたその日、すぐに俺は”情報収集”、”戦力強化”、”艦娘を集結”させるという3つを実現させるために、艦娘達に指示を出していた。

 妙高達には目的の一つである情報収集を再び任せて偵察任務に出していた。彼女たちは、引き続き周りの島を巡り巡って島々から情報を集めてきて、順調に情報収集の成果を上げていた。その結果、色々な事が次第に分かってきた。

 例えば、最近の世界の大きなニュースは海賊王であるゴールド・D・ロジャーが処刑されたという出来事。原作知識によって、この海賊王の処刑時に放った言葉がきっかけで、多くの海賊がワンピースというお宝を求めて生まれる事になるのは知っている。そして、この情報から原作よりも、少なくとも過去の時代であることが分かった。原作が始まるまでは、一体あと何年あるのかは今のところまだ知れないが。

 それから、俺達の居る海は西の海(ウエストブルー)と呼ばれている地域だという事。
 原作の主人公であるルフィはたしか、東の海(イーストブルー)の出身だったはずだと記憶している。つまり、この世界の主人公とは当分の間、出会うことも無いだろうと予想している。


 一方、戦力強化については、新しく建造された北上を強化することを考えていた。なるべく早く、北上を重雷装艦という遠距離隠密魚雷戦が可能となるような艦に改装させたいと考えて、改装に必要となる練度にまで一気に高めるために、長門の下で連日訓練させていた。
 指導を受けた北上はもちろん、指導を任せていた長門もメキメキと練度を高めていって、現在2人は神威鎮守府にとって、とても頼りになる存在となっていた。

 そして艦娘の集結という目標を達成する為には、秘書官をしてくれている加賀と妖精さんの協力の下で、新たに2隻の艦娘を生み出すことを決めていた。

 悪魔の実によって艦娘が建造可能だと分かった事から、残り2個となっていた悪魔の実も全部使いきってしまうことに。
 研究用に1個手元に残した方が良いかとも悩んだけれど、ワンピースの世界でならば、世界を巡っていたら、見つけ出して手に入れることも可能たろうし、他に使いみちも特に思いつかない。
 それよりも、なるべく早めに艦娘達を建造していって、艦娘たち皆を神威鎮守府に集めたほうが良いと判断して、全部の実を使い切る事に決定し行動した。


 結果、新たに神威鎮守府には夕立と舞風という2隻の駆逐艦が生まれることになった。
「こんにちは、白露型駆逐艦「夕立」よ。よろしくね!」
「こんにちは、陽炎型駆逐艦舞風です、暗い雰囲気は苦手です!」


 夕立は、常に明るくエネルギーに満ちた様子で、「~っぽい」と独特な語尾をしながら、仲間たち皆を元気にさせるような、場を明るいムードにしてくれる艦娘だった。

 そして舞風は、意外にも状況を察するのが上手くて、気遣いの能力も高く、建造された時の言葉通り、普段から仲間たち皆を楽しませようとして頑張ってくれている。


 いつも上機嫌な2隻の艦娘達の登場により影響されてなのか、神威鎮守府の雰囲気が以前に比べて一気に明るくなったような印象を受けた。

 どうやら、無意識のうちに俺たちは異世界に来たことで孤立した存在であり、生き残るためには必死にならないといけないという危機感と、焦燥感に駆られて焦り、鎮守府には不機嫌な雰囲気が漂っていたのかもしれない。

 神威鎮守府は、新しく建造された艦娘によって雰囲気的にも良くなり、悪魔の実は全部使いきってしまったけれど、早く艦娘達を建造するという今回の判断は大成功だったと思う。
 だが、悪魔の実に比べて、開発資材は再び手に入るか分からないので、使い所は慎重に判断しなければと考えていた。当分は艦娘を増やす事も難しいだろう。


***


「学者たちが集まる島?」
「おう、確かオハラって言われている島らしいぜ」

 今日は妙高の代わりに、天龍が司令室に偵察任務の報告に来ていた。
 天龍の報告によれば、神威鎮守府の有るこの島から、少し離れた場所にはオハラと呼ばれる島が有る、という情報を掴んだらしい。

 そのオハラと呼ばれている島には、全世界中から知識が集まると言われているらしく、その知識を活用して、学者たちが歴史の研究も行っているそう。

「その島なら、神威鎮守府の事を少しは分かるかもしれないぜ」
「確かにな」

 その島が世界中の知識を集めていることが本当ならば、様々な情報を手に入れることが出来るだろうと思う。
 海軍や海賊、世界の事が今よりもより一層知ることが出来るかもしれない。もしかしたら、天龍の言うとおり自分たちの事を何か知ることが出来るかもしれない。そして、悪魔の実の事も情報を集めたいと考えていた頃だった。

 どう考えても、オハラという島に一度は絶対に訪れないといけないだろう。そして、なるべくなら早く行っておいたほうが良い場所でもありそうだ。

「早速、俺が行こう」
「え? 提督も一緒に?」

 今までは偵察を妙高達に任せっきりだったけれど、今回の情報収集には俺が直接行ったほうか良いような予感がしていた。そのため、急いでオハラという島に行くことを決めていた。

 オハラと呼ばれる場所を遠征の目的地に定めて、俺は翌日には偵察任務を日々行っていた妙高たちと一緒に島を出発していた。 
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