花占い
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2部分:第二章
第二章
「決めようかしら」
言いながらだった。その黄色い花の傍に腰を落としてだ。
花びらを一つずつ指差してだ。そしてだった。
「する、しない」
思い詰めた顔でだ。花占いをはじめたのだ。
告白するかしないのか。その多くの花びらを指し示しながら自分自身に決断を促していく。そうして一つずつ進めていってだった。
終わり、最後の花びらのとことでだった。こう出たのだった。
「しない」
告白しない、それだった。しかしだ。
テレサはその占いの結果を見てだ。不服な顔になりだ。
もう一度占いをはじめた。同じ花でだ。その結果はというと。
同じ花だ。それならばだった。答えは同じだった。
「しないって、それは」
困った顔になる。その結果にだ。それでまただった。
占う。やはり同じ花でだ。それなら結果はだ。
やはりしないとなる。だがそれでもだった。
テレサはまた占い。そしてだ。同じ結果を見るのだった。
しかしどうしてもその結果に納得できなかった。それでだ。
彼女は十回程同じことを繰り返しだ。やっとわかったのだ。
「私、やっぱり」
思い詰めた顔で一人呟く。
「ペドロに。どうしても」
そのことがわかりだ。そうしてだった。
彼女は意を決した顔になりだ。そのうえでだった。
花の傍から立ち上がりだ。緑の丘から去りだ。
紅い屋根と白い壁の建物の中に向かう。青い空と海を見つつ。
そして次の日だ。彼女は学校でだ。こう周囲に話すのだった。
「実は昨日ね」
「昨日?」
「まさかと思うけれど昨日に」
「ええ、告白したわ」
このことを今言ったのである。
「ペドロにね」
「そうだったの。で、どうなったの?」
「告白してそれでね」
「どうなったの?」
「結果は?」
「ハッピーエンドよ」
にこりと笑ってだ。テレサは答えた。
「そうなったわ」
「あっ、よかったじゃない」
「やっぱりそうなったのね」
「けれどよ」
ここで友人の一人が言ってきた。
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