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レインボークラウン

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第三百四十一話

              第三百四十一話  美樹の悩み
 美樹は最近よく悩んでいた、そのことに気付いたのは彼女の使い魔達であるビルガーとファルケンだった。
 二匹は自分達の主に怪訝な顔で尋ねた。場所は美樹の部屋で丁度美樹が学校から帰って自分の机の横にランドセルを置いた時だ。
「ご主人様、何かお悩みでも」
「困ったことがありますか?」
 主に神妙な声で尋ねた。
「あればです」
「何でもお話して下さい」
「気付いてたの?」
 美樹もこう返す、これが答えだった。
 美樹は自分の席に着いてだ、こう二匹に言った。
「実はそうなの」
「やはりそうですか」
「若しやと思ったのですが」
「ではお悩みは一体」
「何なのでしょうか」
 二匹は美樹の机のところに来てあらためて尋ねた。
「ですから是非です」
「お話して下さい」
「別に勉強とかよくある恋愛話じゃないのよ」
 美樹はまずそうした話ではないと断った。
「そういうのじゃなくてね」
「では一体」
「何なのでしょうか」
「身体のことなの」
 その実際の年齢より大人びた整いを見せている眉目を曇らせてだ、美樹は尋ねた。
「実はね」
「お身体のことですか」
「まさかご病気ですか」
「違うわ」
 美樹は今度は否定した。
「そういうのじゃないの」
「?では」
「何なのでしょうか」
 二匹は主の話にまたしても首を傾げさせた、そして。
 美樹はその二匹にだ、あらためて話した。その話はというと。
「私達そろそろ胸が大きくなるでしょ」
「はい、確かに」
「そろそろと言われてますね」
 二匹もその話に応えた。
「背も大きくなると」
「他にも色々と」
「そうなるとね」
 それでいうのだった。
「背もっと高くなるのかしら」
「ご主人様の背が」
「それがですか」
「どうなっていくのが」
「それが悩みですか」
「そうなの、どうなるのかしら」
 こう言ってだ、美樹は二匹に自分の悩みをさらに話した。


第三百四十一話   完


                 2016・5・12 
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