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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第七十六話 出発その九

「俗世と離れられるから」
「監獄みたいに」
「実際監獄って言われてたしね」
 このことも話した。
「赤煉瓦のね」
「赤煉瓦の監獄ってことね」
「出られないし」
 それにだったという。
「しかも規律も訓練も厳しいから」
「ああ、それ有名よね」
「うん、兵学校はね」
「日本軍自体が」
「相当だったんだ」
 規律や訓練の厳しさがだ。
「そしてその中でも」
「兵学校は」
「うん、厳しかったんだ」
「そうだったのね」
「それでなんだ」
「監獄って言われてたのね」
 美沙さんも僕の話を聞いて納得した。
「そこまでだったのね」
「うん、それとね」
「それと?」
「江田島というか瀬戸内の海はね」
 僕はこの海のことも話した。
「怖いから」
「鮫が多いとか?」
「うん、時々話題になるよね」
「そういえばそうね」
「人喰い鮫がいるから」
 ただの鮫でなくだ。
「シュモクザメね」
「あのトンカチみたいな頭の」
「そう、あの鮫実は人喰い鮫でね」
 そしてとだ、僕は美沙さんにそのシュモクザメのことを話した。多分この鮫は鮫の中でもその独特の外見からかなり有名だと思う。
「群れで来るから」
「一匹じゃなくて」
「そう、何十と来るんだ」
「それ本当?」
「大きいと三メートルや四メートルになる鮫だけれど」
「その鮫がなんだ」
「血に誘われてね」
 襲い掛かって来るその時はだ。
「それだけ来るから」
「怖いのね」
「そう、だからね」 
「瀬戸内の海は危ないのね」
「下手に泳いでいけない場所で泳いだり」
 僕は美沙さんに話していった。
「それにね」
「それに?」
「夜もなんだ」
「ああ、鮫は夜だったわね」
「基本夜行性だから」
「夜に泳いだりしたら」
「危ないよ」
 結構真剣にだ、僕は美沙さんに話した。
「今回夜海に入ることはないけれど」
「それでもなのね」
「酔ったりしてふざけて海に入ったら」
「鮫に食べられるのね」
「そうなるからね」 
 だからと言うのだった。 
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