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オズのボタン=ブライト

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第四幕その九

「王様のベッドで」
「朝起きたらわしの横におった」
 王様も言います。
「ぐっすりと寝ておるぞ」
「宮殿にいたんですね」
「あの子は寝ている間にじゃ」
「そうなの、時々いなくなるの」
 オズマが王様にその時の事情をお話します。
「オズの国の何処か、外の世界だと扉の傍に」
「うむ、わしもその話は聞いておるが」
「今回もそうだったけれど」
「わしのベッドがじゃな」
「その移った場所だったのね」
「そうじゃな、しかしいるのならな」
 それならと言う王様でした。
「これでよいな」
「はい、本当に」
 王様のお話を聞いてまずはこう言ったカルロスでした。
 ですがそれと共にです、カルロスはやれやれといったお顔になってです。 
 そしてです、こんなことも言いました。
「けれど、本当に何時移って」
「寝ている間にじゃな」
「何処に行くかわからない子ですね」
「それがあの子よ」
 ジュリアもカルロスに言います。
「いつもね」
「偶然にですね」
「そう、何処かに行く子だから」
「本当に偶然に愛されている子なんですね」
「そして幸運にね」
「だからいつも幸せなんですね」
「欲がないからよ」
 カルロスはというのです。
「あの子は偶然に支配されているのよ」
「そうなんですね」
「そう、だからね」
「今回みたいなことは普通ですね」
「あの子の場合はね」
「わかしました、じゃあ」
「今回はこれで終わったわ」
 ボタンを探そうというそのことはというのです。
「もうね」
「ほっほっほ、ではボタンが起きてきたらな」
 陽気に笑ってです、王様は皆に言いました。
「朝御飯にしよう」
「今日の朝御飯も凄いよ」
 王子も皆に言います。
「凄く美味しいよ」
「さて、今日の朝御飯は何かのう」
「オムライスです」
「ほう、オムライスか」
「そしてシチューです」
 この二つだというのです。
「苺もありますよ」
「それはよいのう」
「どれも王様の好物ですね」
「オムライスが特にな」
「それを食べましょう」
「オムライスは最高じゃ」
 王様はオムライスと聞いただけでもう飛び上がりそうです。
「あんな美味しいオムレツ料理はないぞ」
「あれは確か」
 恵梨香が言ってきました。
「元々は日本の洋食でしたね」
「その様じゃな」
「それがアメリカにも入って」
「オズの国でも食べていてな」
「王様の大好物なんですね」
「そうなのじゃよ」
「何か王様がオムライスお好きなのは」
 恵梨香はそう聞いて言うのでした。
「似合ってますね」
「ええ、王様がお好きそうね」
 ナターシャも言います。 
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