Blue Rose
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第十四話 表に出てきてその十一
「それがね」
「骨格からな」
「変わってきているんだね」
「それでそうした身体になってるんだな」
「うん、腰が大きくなってるってことは」
小声でだ、優花は龍馬に話した。
「この中に」
「女の人が骨盤、腰の辺り大きいのはな」
「そこに子宮があるからだったね」
「ああ、それでな」
「僕の中に女の人だけが持っている」
「子宮が出来るんだ」
「そうなるんだね」
優花は自分の腰を見下ろした、その大きくなっているそれを。そしてその中にあるものを見るのだった。
「僕、女の子になって」
「子供もな」
「産める様になるんだね」
「そうなったらな」
「うん、僕もだね」
「女の子になるんだね」
「そうなるな」
「本当になってきているんだね」
自分でだ、優花はしみじみとした口調になって言った。
「そうなんだね」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「結構目立ってきたな」
龍馬の声はここで真剣なものになった、そのうえで優花に言うのだった。
「身体がな」
「女の子になってきているんだね」
「そろそろな」
「誤魔化せないかしら」
「ああ、しかもな」
「しかも?」
「今も喋り方に出てたぞ」
こうもだ、龍馬は優花に指摘した。
「女の子の喋り方になってたぞ」
「そういえば」
「ああ、だからな」
「表に出て来たんだな」
「そうなってきたな」
実際にというのだ。
「だからもうな」
「そろそろだね」
「女の子になることをな」
まさにその現実をというのだ。
「表に出て来たらな」
「どうするかだね」
「ああ、これからな」
「うん、それはね」
「どうするかは」
「姉さんがね」
姉の優子がとだ、優花も答えた。
「考えてくれていて」
「それでだな」
「任せてって言ってるよ」
「そうか、優子さんがそう言うのならな」
「安心していいよね」
「ああ、あの人ならな」
確かな顔でだ、龍馬は優花に答えた。
「安心していいな」
「そうだよね、姉さんならな」
「あの人は絶対に信頼出来る」
それこそというのだ。
「だからな」
「うん、姉さんに任せてね」
「やっていくんだな」
「そうするよ」
「信じて頼って任せるのも」
龍馬はこうも言った。
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