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オズのボタン=ブライト

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第三幕その二

「リンキティンク王と一緒に遊ぶ?」
「そうするんだ」
「そうしない?」
「そうだね、王宮に行くかね」
「リンキティンク王と遊ぶか」
「どちらかにしようか」
「そうしたらどうかしら」
 恵梨香はまたカルロスに言いました。
「少し考えたけれどね」
「そうだね、じゃあね」
「何はともあれね」
「あの宮殿に行きましょう」
 こうお話してでした、そのうえで。
 皆はです、宮殿に向かうのですが。ここで急にでした。
 カルロスは皆を見回してです、こう言いました。
「ボタンはちゃんといるね」
「うん、ここにね」
 しっかりと言ったボタンでした。
「ここにいるよ」
「よかったよ」
「僕がいなくなってるって思ったの?」
「ひょっとしてね」
 いつもみたいにです。
「そうじゃないかって思ったから」
「皆を見回したんだ」
「また寝ていてね」
「それはないよ」
 ボタンは落ち着いた声で、でした。カルロスに答えました。
「だってずっと歩いてるから、今は」
「寝ることはないっていうんだね」
「そうだよ」
「そうだね、考えてみればね」
「確かに僕は急にいなくなったりするけれど」
 それでもというのです。
「今はこうしてね」
「僕達と一緒にだね」
「うん、いるよ」
「歩いているんだね」
「そうだよ、安心してね」
「それじゃあね」
「じゃあこれからだよね」
 ボタンもその派手な宮殿を観て言いました。
「あの宮殿に行くんだね」
「今からね」
「それじゃあ行こう」
「これからね」
 こうお話してでした、皆でリンキティンク王の宮殿に向かいます。ですがその宮殿の姿は見えてはいてもです。
 歩いても中々近付くことは出来ません、やがて日は落ちてきてです。 
 カルロスは少し不安になってです、皆に言いました。
「出来ることなら夕方までにね」
「うん、行きたいね」
「そうだよね」 
 神宝とジョージが神宝に応えました。
「暗くなるまでに」
「そうしたいね」
「だからね」
 それで、というのです。
「急ごう」
「このままだと」
 ナターシャも言います。
「夜までに着けるかしら」
「少し不安ね」
 最後に言ったのは恵梨香でした。
「夜までに着けるか」
「暗くなって歩くのはね」
 どうかとです、不安になって言うカルロスでした。
「よくないからね」
「このオズの国でもね」
「それはね」
「子供は夜に歩くものじゃない」
「お父さん達も言ってるし」
「実際にね」
 カルロスは足元を見ました、今は何もなる歩けるその場所を。
「こうした場所も夜だとね」
「見えないからね」
 ボタンがカルロスに言ってきました。 
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