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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第七十五話 英語でもその五

「それぞれの英語は違いますの」
「方言だね」
「はい、日本語の方言もそれぞれの地域が出ていますね」
「そうそう、神戸の言葉は関西弁だけれどね」
「柔らかい感じですわね」
「関西弁はね、神戸の言葉もね」
 関西弁だ、大阪や教徒、奈良と同じだ。
「けれど大阪や京都の言葉とまた違うんだ」
「同じ関西弁でもですわね」
「そうなんだ」
 実際にとだ、僕はジョーンさんに話した。
「日本語も色々方言があるよ、鹿児島とか青森になるとね」
「それぞれ日本の南と北」
 エルザさんがその独特の口調で応えてくれた。
「どちらの方言も」
「凄い独特なんだよね」
「そのことと同じでして」
「ニュージーランドとオーストラリアの英語もだね」
「違いますの」
 ジョーンさんはこう僕に話してくれた。
「同じ英語でも」
「そういえば」
 僕はここでまた思い出したことがあった、言語のことでだ。
「モンセラさんやチェチーリアさんはスペイン語だけれど」
「中南米は殆ど全ての国がそうですわね」
「けれどニキータさんはポルトガル語だったね」
「はい、ですが」
「スペイン語とポルトガル語の差は」
「殆どありませんわ」
「そうだったね」
 ブラジルはポルトガル語だ、この国はかつてはポルトガルの植民地だったからこの国の言葉になったのだ。そして中南米の他の国はスペインの植民地だったからスペイン語なのだ。
「どっちも、けれどスペインもポルトガルもね」
「お隣同士ですわね」
「ラテン語でね」
「だから言葉が通じるんだね」
「そうですわ」
「母を訪ねて三千里も」
 主人公のマルコはイタリアの子供だったけれど。
「普通にアルゼンチンでも会話が通じていたね」
「イタリア語も近いのです」
「同じラテン系の言葉だから」
「スペイン語、ポルトガル語とですわ」
「近いからだったんだ」
「ああしてアルゼンチンまで行きましても」
 言葉が違う筈のあの国にもだ。
「会話が出来ていましたの」
「方言位の違いなんだね」
「こうしたことは英語も同じでして」
「オーストラリアとニュージーランドも」
「同じ英語ですけれど」
 それを喋っていてもというのだ。
「違うところがありますの」
「そういうことだね」
「日本語を喋っても」
 エルザさんが言うには。
「私とジョーンでは違う」
「はい、エルザさんは感情がなくて片言系ですよね」
 さらにだ、僕はジョーンさんに顔を向けて言った。
「ジョーンさんはお嬢様系の言葉で」
「この喋り方はどうもです」
「親しみがあるんだ」
「そうですの、エルザと話していますと」
「最近砕けた口調になってない?」
「自覚がありますわ」
 実際にという口調での返事だった。
「わたくしも」
「そうだよね」
「何かです」
 エルザさんを見て言う。 
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