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異世界系暗殺者

作者:沙羅双樹
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挫折の時間

 
前書き
こんばんは、おはようございます。そして、こんにちは。沙羅双樹です。

先週は更新できず、申し訳ありませんでした。週1更新を目標にしていたんですが、執筆が意外と難産だった為、投稿日がずれました。

ちなみに今回の話のテーマは「カルマ、2度目の挫折」と「殺センセーの万能性」だったりします。
(1度目の挫折は原作と同じく期末テストの結果です) 

 



【視点:樹】



パーツ・ウォウBクラス:ディスクを始めて早40分。漸く1セット目が終了した訳なんだが―――


「クソッ!!」


1セット目を俺達――初代王組が取ったにも拘らず、カルマは荒れていた。当然、その理由も分かっている。1セットの間に4回も王候補組にタッチダウンされたのが原因だ。

いや、正確には4回中2回のタッチダウンが原因と言うべきか。実はその2回、タッチダウンをしたのが渚だったんだ。しかも、カルマは自分がキーパーの時にディスクを奪われ、タッチダウンされている。

俺から言わせてみれば、影技(シャドウ)を発現できた時点で渚がカルマからディスクを奪い、タッチダウンをできたとしてもおかしくは無い。渚の本質を知っているから、猶更そう思える。

E組のほぼ全員が渚の本質を小動物だと思っているだろう。しかし、実際の渚の本質は小動物ではなく発現した影技(シャドウ)の様な捕食者なんだ。

まず、持って生まれた才能が類稀な暗殺者の才能って時点で小動物はない。完全に捕食する側の才能な上、ただの捕食者じゃなく雌猫の皮を被った炎蛇とか、性質が悪過ぎるだろう。

ちなみに暗殺旅行前に会ったロヴロさん曰く、渚はこのまま暗殺者として育成すれば、10年後には世界でも5本の指に入る暗殺者に育つ。それ程の才能の持ち主、だそうだ。

そんな渚の本質を完全に把握しているのは、恐らくE組内で俺と殺センセーの2人だけ。外部の人間ではロヴロさんだけだ。烏間先生とカルマ辺りは何か感付いてそうだが、それでも朧げといった所だろう。

そう。E組内で渚との付き合いが一番古いということもあって、カルマも朧げながら渚の本質に感付いていた。なのに、カルマはクラスメイトのほぼ全員と同じく渚のことを小動物――しかも、雌扱いだった。

恐らく、自分が渚から感じ取ったものを気のせいと思い続けてきたんだろう。もし、カルマが自分の感じ取ったもの――渚の隠れた才能を否定していなければ、今回の2回ものディスク奪取&タッチダウンは防げたかもしれない。

カルマ自身、そういった考えに至ったからこそ自分に苛立ち、柄にもなく荒れているんだろう。


「おい、カルマ。少し落ち着けよ。1セット目は俺達が取ったんだぞ」
「……落ち着け?何言ってんの、前原。俺は十分落ち着いてるよ」
「誰がどう見ても落ち着いてねぇだろうが。まぁ、普段から見縊ってる相手に寝首掻かれれば、荒れもするわな」
「……ケンカ売ってんの、イッキ?渚君の前に狩られたい訳?」
「狩る?今のお前が俺を?やれもしないことを口にするなよ。弱く見えるぞ」
「……へぇ~、流石は空の王様だね。推定(バトル)LV200超えの相手でも余裕で勝つつもりなんだ。……イッキ、色々と才能あるからって調子に乗り過ぎじゃない?」
「別に調子に乗ってねぇよ。事実を口にしてるだけだ。ってか、今のお前は(バトル)LV200超えしてねぇし。初代王組の中で最弱の(バトル)LVだし」
「はぁ?何言って―――」
(バトル)LVってのは暴風族(ライダー)の体調や精神状態に左右され易い。だからこそ、1セット目の渚みたいに急激に成長し、上がる奴もいる。
逆に体調が悪かったり、精神状態が乱れてたら(バトル)LVが下がることもある。今のお前の(バトル)LV、渚と大して変わらない128だ。そんな奴が本気の(バトル)LV500超えの俺に勝てる訳ねぇだろうが」
「「「「「「「「「「ご、500!?」」」」」」」」」」
「何驚いて――って、そういえば俺の(バトル)LVの正確な数値を知ってるのは有希子と律の2人だけだったか。他の奴にリード使われた記憶もねぇし」
「使われても今は正確な数値は出ないんじゃないかな?ほら、イッキ君夏休み入る少し前くらいからハンディアンカー着ける様になったから。……そういえば、ハンディアンカーの総重量って何kgなの?」
「確か、60kg以上だった筈。それと有希子の言う通り、今の俺にリード使っても出る数値はハンディアンカー込みの数値だから、(バトル)LVの最大値も精々350~400の間って所だろうな」


有希子と律を除く超体育館にいる全員が驚いている中、俺は着ているシャツを捲り、中に着けているハンディアンカーを見せながら現時点での推定(バトル)LVを口にする。すると―――


「本当に重り着けてる。しかも、60kgの重り着けた状態で(バトル)LV385って……」
「神崎さんが夏休み前からハンディアンカー着けてるって言ってたけど、沖縄暗殺旅行の時も着けてたの?」


ハンディアンカーを見て驚いていた悠馬がリードで俺の(バトル)LVを測定したかと思えば、その数値を見て今度は呆れた反応を見せ、片岡がハンディアンカーのことで質問してきた。


「いや、流石にあの時は着けてなかった。もし、あの時にハンディアンカーなんて着けてたら、銃使いのおっさんとの対峙に掛かった時間が倍になってただろうな。っと、話が少し逸れたな。何だったけ?
えっと、攻撃制限がある競技で戦闘以外の技術(スキル)が試されるってのに、そんなことにも気付かず精神乱されて(バトル)LVが128まで下がった間抜けが、ハンデ込みで(バトル)LV385の俺と勝負――いや、喧嘩するって話だっけ?
カルマ、自分の精神を制御できねぇ内は(バトル)どころか喧嘩する価値すらお前にはねぇよ。どうしても喧嘩したいなら、(バトル)LV200以上に戻ってからにしろ」
「…………」


俺がカルマの改善すべき点を厳しい言葉と共に投げ付けると、カルマは俯いたまま黙り込んだ。一応、殺センセーが期末テスト返却日のカルマに行った立ち直り易い挫折のさせ方を真似てみたんだが、どうだろうか?

……まぁ、カルマが更に成長できるかどうかはカルマ自身の問題で、俺がどうこうできることでもないから気にし過ぎるだけ無駄か。取り敢えず、カルマの件は片付いた。

ってか、カルマのことより気にすべきことがある。渚達王候補組のことだ。1セット目を終えた時点で渚達は全員の(バトル)LVが90を超えていた。

渚が123。正義が115。速水と岡野が110。友人と寺坂が98だ。律に前もって渚達の(バトル)LVが90を超えたら、渚達の未調整疑似玉璽(サブレガリア)を調整する様に言ってある。

調整後の疑似玉璽(サブレガリア)は当然調整前より性能が上がる。A・Tの性能が上がれば渚達の(バトル)LVも底上げされる。

最低でも渚と正義の2人は不調のカルマより(バトル)LVが上になる。下手したら速水と岡野の2人も今のカルマを上回る(バトル)LVになる可能性がある。

残る2人はカルマより(バトル)LVが下でも牙にとって相性最悪の轟。ぶっちゃけ、カルマが元に戻らないと5on6の試合になって、面倒なことこの上なさそうだ。

ってか、疑似玉璽(サブレガリア)の調整を終えた時点で渚達の疑似玉璽(サブレガリア)を得るって目標は達成してるよな?もう(バトル)を続ける意味って無くない?

……いや、ここで(バトル)を止めたら寺坂組や中村にあとで勝負から逃げたって弄られそうだ。それは何かムカつく。

俺がハンデ無しで戦えばすぐにケリは付くだろうけど、それじゃあ俺以外のパーツ・ウォウ参加者が成長しないし、やっぱり多少不利でも(バトル)を続ける必要はあるか


「なぁ、イッキ」
「ん?何だ、陽斗?」
「渚達の陣営で律と茅野、倉橋。あと、殺センセーが何かやってんだけど。何やってんだ、アレ?」
「何って、未調整の疑似玉璽(サブレガリア)を調整して――って、殺センセー?」


陽斗の台詞に耳を疑った俺が視線を渚達の陣営に向けると、そこには正義と友人、寺坂に触手を絡ませ、正規実用型疑似玉璽(プロダクション・サブレガリア)の調整&再調律を行っている殺センセーがいた。


「あんた、何やってんのーーー!?」
「ニュヤ?何って、寺坂君達の疑似玉璽(サブレガリア)の調整と調律(リンク・チューン)ですが?」
「いや、何で当然の様に調律(リンク・チューン)ができる訳!?」
「先生もその気になればイッキ君の様に脈拍から相手のリズムを読み取ることくらいできます。それに今まで技術の時間でE組の皆さんがA・Tを弄っている所を何度も見ているんです。生徒ができることを先生ができない筈がありません」
「………このチートタコめ!!」
「これから先生のことkoroto(コロト)と呼んでくれてもいいですよ?」
「タコの剣士ですね?分かります」
「ニュヤッ!?黒の剣士やブラッキー先生と呼んでくれていいですよ!ホラ、普段のアカデミックドレスも黒ですし!!」
「タコの剣士かデビルフィッシャー先生と呼べばいいんですね?分かります。と、殺センセーのせいで話が逸れた。陽斗、質問の答えだが―――」
「あー、大体は分かった。未調整だった渚達の疑似玉璽(サブレガリア)を調整して俺達が前に使ってた疑似玉璽(サブレガリア)と同じ性能――正規実用型疑似玉璽(プロダクション・サブレガリア)にしたってことでいいんだよな?」
「ああ。元々、試合開始前に渚達の(バトル)LVが全員90超えたら調整する様、律に指示を出してたんだ。正規実用型疑似玉璽(プロダクション・サブレガリア)の所有者に相応しい(バトル)LVだったら、疑似玉璽(サブレガリア)の性能を制限しておく必要も無いからな」
「ってことは、2セット目からはより一層気を引き締める必要があるって訳だ」
「ってか、俺は律の本体を改造したことのあるデビルフィッシャー先生が調整と調律(リンク・チューン)をしてるから、冗談抜きで油断できなくなったと思ってるわ」
「………確かに」


取り敢えず、カルマを除く初代王組は視線を合わせると同時に頷き、2セット目から1セット目以上に油断せず試合に挑むことを誓った。


 
 

 
後書き
今回の話で渚達の王の戴冠が確定しました。振り分けが確定しているのは以下の4名。

炎の王=潮田渚
焔の王=木村正義
棘の女王=岡野ひなた
磁の女王=速水凜香(ただし、第3ヒロインなので進化します(笑))

轟系の2人はアンケートがまたしても拮抗状態に陥ったので、どちらが本家轟の王になるかは決まっていません。
(両者とも轟系の王になることは確定しているんですけどね。片方が轟の王となって、もう片方は鏡の王になります)

誰でもいいから2人の拮抗状態を崩してくれないかな~?|壁|_・)チラ
(|壁|_・)チラ←ちなみにこれはホラゲー「OUTLAST」のチラ見のイメージです(笑)カメラ有verは|壁|・_q)チラ←こちら、もしくは|壁|_q)チラ←こちらになります(笑)
ってか、「OUTLAST」は実況動画しか見てませんがガチで怖いですよね。特にトレーガーとグルースキン。流石は皆のトラウマ。私的にはフランク・アントニオ・マネラも怖かったですが……) 
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