人徳こそ
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第七章
「本当にな」
「そうよね」
「ああ、しかしな」
「しかし?」
「急に話が進んだな」
こうも言うのだった。
「また」
「そうよね、確かに」
「お客さん達皆店長さんの為にか」
「親身よね、随分」
「本当にな」
「これって」
優子も考えながら言った。
「皆店長さんが好きってことかしら」
「そういえば宮田さん言ってたわね」
「店長さんにはいつも世話になってるってな」
「そうよね」
「人望か、いや」
浩輔は言いながら自分の言葉を訂正させてこう言った。
「人徳か」
「店長さんの」
「それか?」
「確かに凄くいい人で」
「皆から慕われてるよな」
「凄くね」
優子もそうだと答える。
「だからみたいね」
「お客さん達にか」
「こうした時に何とかしてもらってるみたいなのよ」
「今回みたいにか」
「何かどうもね」
ここでだ、首を少し傾げさせてからだった。
優子は浩輔にこう話したのだった。
「店長さん確かに商売はあまり上手じゃないけれど」
「お客さん多くても儲かっていないよな」
「私へのバイト料も何か高いし」
このことも言うのだった。
「そういうの見てたらね」
「やっぱり商売は上手じゃないか」
「けれどそれでもあの人柄だから」
「お客さん達にも慕われててか」
「いざって時は助けてくれるみたい」
「そうなんだな」
「そう、そしてね」
そのうえでと言うのだ。
「今回あの人のこともね」
「調べて警察に通報してか」
「そして弁護士さんまで出て来てくれてね」
「万全ってことだな」
「そうなったわ、じゃあ後で流れがはっきりしたら」
「その時はか」
「またお話するわね」
こう浩輔に言うのだった、そしてだった。
実際に優子は暫く経ってから浩輔に自分達のクラスで話した。
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