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英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)

作者:sorano
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第68話

~亜空間~



「剣技―――カマイタチ!!」

戦闘が開始されるとナユタはクラフトで先制攻撃を仕掛けた!

「…………」

しかしシグナはナユタの攻撃を受け流し

「ハアッ!!」

反撃をした!

「!!」

反撃をされたナユタはすかさず籠手でガードし

「やあっ!!」

さらに反撃をやり返した!

「ハァァァァァァ…………!!」

しかしシグナはナユタの反撃も武器で捌いた後、激しい剣撃を放った!

「ヤァァァァァ…………!!」

対するナユタもシグナの攻撃を次々と捌いて行った!

「喰らえっ!!」

シグナがクラフト―――裂空斬を放てば

「奥義―――裂空斬!!」

ナユタも同じクラフトを放って相殺し

「剣技―――燕返し!!」

さらにナユタがクラフトで突進と同時に攻撃を仕掛ければ

「!!」

シグナは跳躍して回避をした後

「そこだっ!!」

クラフト―――流星撃で反撃をした!



「ハァァァァァ………!」

反撃を回避されたシグナはその場で力を溜めた後

「これで、どうだっ!!

闘気によって長剣と化した刀を振るった!

「!!」

しかしナユタは攻撃を跳躍して回避し

「奥義―――流星撃!!」

そのままクラフトで反撃をした!

「ぐっ!?」

ナユタの攻撃を回避できなかったシグナはダメージを受けて、一瞬怯んだ!

「奥義―――神風!!」

その隙を狙ったナユタが再び突進しながら攻撃を仕掛けた!

「させるかっ!!」

しかしシグナはクラフト―――裂空斬でナユタの攻撃を相殺し

「そこだっ!!」

「あうっ!?」

続けて攻撃を仕掛け、ナユタにダメージを与え

「ハアッ!セイッ!そこだっ!!」

刀による斬りや突きの連携攻撃を仕掛けた!

「やあっ!それっ!えいっ!!」

しかしナユタもすぐにシグナの攻撃に対処をし、次々と攻撃を捌き

「奥義―――散蓮華!!」

「やるなっ、ナユタ………!」

さらにクラフトを放ってシグナにさらにダメージを与えた!



「ハアッ!!」

そしてナユタは続けて強烈な一撃を放った!

「ハッ!!」

しかしシグナはその場で跳躍して回避し

「ハァァァ………!」

刀に闘気を溜めながら落下した!

「!!」

それを見たナユタは一端下がったが

「喰らえっ!!」

「あうっ!?」

シグナが落下した際、地面に刀を叩き付け、その際に発生した衝撃波が命中し、呻いた。

「奥義―――神風!!」

そしてその隙を狙ったシグナがクラフトを放って、突進しながら攻撃を仕掛けた!

「やあっ!!」

対するナユタもシグナの攻撃を迎撃するかのように武器を構えて、シグナの攻撃を受け止めて鍔迫り合いの状態になった!



「ハハ!腕を上げたな、ナユタ!」

「シグナもね………!」

「当たり前だろ………!あれから隠れて師匠に稽古をしてもらったからな………!」

「珍しいね………!よく師匠の稽古をサボっていたシグナが…………!」

「ったりまえだろ………!お前に勝ち逃げされ続けるなんてこと、お前の兄貴分として情けねえ話だからな………!」

鍔迫り合いの状態でお互い一進一退をしながらナユタは口元に笑みを浮かべ、シグナは不敵な笑みを浮かべて会話をしていた。そして2人は鍔迫り合いをやめて、同時に一端下がって、距離を取って向かい合った!

「………そう言えばずっと疑問に思っていたんだけど………どうしてクレハはシグナと師匠とは一緒には住まずに、僕達と一緒に住む事を選んだ事や………僕達と一緒に”便利屋”の仕事を始めたのか………シグナは知っている?」

「……………ナユタ………お前、まだ気付いていないのか………?」

ナユタに尋ねられたシグナは一瞬固まった後、呆れた様子で尋ねた。

「………気付いていないって………何の事??」

「………ハア~…………(ここまで鈍感だと直接伝えるしかねえぞ、クレハ…………)」

ナユタの答えを聞いたシグナは疲れた表情で溜息を吐いた。

「えっと………それに関係するかどうかわからないけど、エステルさん達はクレハが僕の事、好きだって言う可能性がかなりあるって言ってたけど、それ、本当なの??ノイに聞いても何だか、怒った様子で自分で直接クレハに聞けって言ってたし………」

「(ナユタ………そこまで答えがわかっている状況でまだ、わかんねえとか………ありえねえぞ!?)……さ~てな。俺はあいつが何を考えているのか知らねえぜ。何せ実の兄よりお前と暮らす事を望んだ妹だからな。」

「シ、シグナ………何だか怒っていない…………?」

溜息を吐いた後、顔に青筋を立てて自分を見つめるシグナをナユタは冷や汗をかきながら尋ねた。

「うるせえ。妹の純情がまだわかんねえ鈍感野郎には俺が鉄槌を下してやる!構えろ、ナユタッ!!」

しかしシグナはナユタの疑問に答えず、睨みながら刀を構えて全身に闘気を纏った!

「!!」

それを見たナユタはシグナと同じ構えで全身に闘気を纏った!



「ハァァァァ…………!」

そしてシグナは刀を構えてナユタに突進して行った!

「ヤァァァァァ………!」

対するナユタも迎撃するかのように剣を構えてシグナに向かって突進した!そして2人はそれぞれさまざまなクラフトをすべてをすざましい速さで次々と放った!

「これで………どうだっ!」

「アルハゼン流最終奥義!我流乱舞!!」

2人が放ったSクラフト――――アルハゼン流最終奥義・我流乱舞は全く同じ動き、剣撃だった為お互いの攻撃によって相殺された!

「奥義―――神風!!」

Sクラフトを相殺したナユタは再びクラフトでシグナを強襲した。しかしその時!

「聖なる楔に抗ってみろ………!」

なんとシグナは自分の背中に光輝く片翼を具現化させ

「シャイニング・バインド!!」

自分の周囲にすざましい光の衝撃波を発生させた!

「あうっ!?」

シグナのもう一つのSクラフト―――シャイニング・バインドを受けたナユタは大ダメージを受けて吹っ飛ばされた!

「まだ………終わらないっ!!」

しかしナユタは大ダメージを受けて吹っ飛ばされながらも受け身を取って着地し、剣を上段に構えて全身と剣にすざましい闘気を纏わせ、さらに!

「何!?”魔力”だと!?」

魔力を纏わせた!その様子を見たシグナは目を見開いて驚いた。

「鳴り響くは雷鳴………咲き乱れるは桜花…………」

そしてナユタは目を閉じて静かに呟き

「全てを決する為に………爆ぜよ!!」

目を見開き、神速でシグナに近づいて、斬撃を放った後シグナの側面や背後に移動した後斬撃をまた繰り返すという行動を何度も続けた!すると斬られた瞬間に雷が落ち、さらに地面から衝撃波が起こり

「桜花雷爆斬!!」

最後の斬撃を放ったナユタがシグナの背後で剣を構え直すと、シグナが斬られた瞬間、桜の花びらが舞った!

「へっ………やるじゃねえか…………」

自分と同じ剣士であるリシャールやアネラス達と訓練し、その結果リシャールとツーヤの”抜刀”、リウイの”魔法剣”、セリカの”飛燕剣”をヒントにして編み出した自分だけの奥義にしてSクラフト―――桜花雷爆斬を受けたシグナは口元に笑みを浮かべて地面に倒れて戦闘不能になった!するとナユタとシグナはその場から消え、ケビン達の前に現れた!



~ステラリウム・星核神殿~



「はあ、はあ………」

「ナユタッ………!」

戦闘が終わり、転位して来て息を切らせているナユタの元にノイは嬉しそうな様子で近寄り

「見事やったで、ナユタ君!」

「うんうん!見ているだけでも、燃え上がって来たわ!」

「うふふ、やるわね♪」

「………見事な一騎打ちだ。」

ケビン達もナユタに近寄ってそれぞれ賞賛の言葉をかけた。

「やれやれ………”ミトスの光翼”の力まで使ったのに負けちまったか………随分、腕を上げたな、ナユタ。」

「アハハ……………お蔭様で。異世界の人達のお蔭でここまで強くなれたよ。」

そして立ち上がったシグナの言葉を聞いたナユタは苦笑しながら答えた。

「そうか……………帰って来たらまた、手合わせをしようぜ、ナユタ。」

「うん。」

そしてシグナは光と共に消えようとした。

「さてと………これで俺の役目も終わりだ。」

「うん。お疲れ様、シグナ。」

「ああ。2人とも早く帰って来いよ!」

「うん!」

「約束なの!」

笑顔のシグナの言葉に2人はそれぞれ力強く頷いた。

「それとナユタ。クレハがお前と共に住む事を望み、様々な世話を焼いてくれる理由を聞く事………元の世界に帰ったら絶対に聞けよ!」

「うん!約束する………!」

「私もナユタの今の言葉、絶対に覚えておくから、安心しているの!」

「そうか。じゃあな…………」

2人の言葉を聞いたシグナは微笑んだ後光と共に消滅した。

「………お待たせしました。行きましょう、皆さん。」

「ここでようやく半分なの。もうひと踏ん張りなの!」

その後ケビン達は再び探索を再開し、ようやく最深部に到着した。



~ステラリウム・中枢~



「―――お待ちしておりました。ナユタ。」

ケビン達が最深部に到着すると聞き覚えのある声が聞こえて来た。そしてケビン達が聞き覚えのある方向を見るとそこには――

「んなっ!?」

「へっ!?ど、どういう事!?」

「あら。これは意外な展開ね。」

「………まさか同一の存在と出会うとはな。」

「そ、そんな………わ、”私”………!?」

なんとそこにはノイと瓜二つの人物が静かにケビン達を見つめており、もう一人のノイを見たケビン達は驚き、ノイは信じられない表情をした。

「…………やっぱり君だったか。もう一人の”ノイ”。」

一方ナユタは動じず、静かにもう一人のノイを見つめていた。

「もう一人………?あっ!!も、もしかして……………統合される前の”私”!?」

「はい。まさかこんな形で以前の”私”に出会うとは思いませんでした。」

ナユタの言葉を聞いて察しがついたノイにもう一人のノイは頷いた。

「はは………それにしてもノイが2人いるなんて、不思議な光景だね。」

「あ、あはは………アネラスさんがいたら、『2人ともお持ち帰りする!ダメでも絶対に片方は貰う!』って言いそうね。」

「ガクガク…………ブルブル………」

「何でしょう…………?急に寒気を感じたのですが……」

ナユタはノイが2人いる状況に苦笑し、エステルの言葉を聞いたノイは表情を青褪めさせて身体を震わせ、もう一人のノイもわずかに表情を青褪めさせて、少しだけ身体を震わせた。



「え、えっと………ノイは知らなくて良い事だから。………それよりあの時のお礼がまだだったね。………ありがとう、”ノイ”。君のお蔭で以前のノイやクレハ達を助ける事ができ、一緒に暮らせるようになったんだから。」

「フフ………”私”は”星座球”の声によって導かれただけですよ。…………それにお礼を言うのはこちらの方です、ナユタ。短い間でしたが、貴方の”相棒”としての冒険………とても楽しかったです。」

ナユタに微笑まれたもう一人のノイも微笑みを返して言った。

「―――さて。もうお分かりと思いますが”私”が最初の”裏”の”守護者”として立ち塞がせてもらいます。」

「うん…………また”ノイ”と戦う事になるなんて、辛いけど………君を解放する為にも、もう一度全力で挑まさせてもらうよ。」

「ナユタ…………」

「………おかしな事を言いますね。私は貴方の良く知っている”ノイ”ではないのに………あの時と違い、心置きなく戦っていいのですよ?」

辛そうな表情で語るナユタをノイは心配そうな表情で見つめ、もう一人のノイは不思議そうな表情で尋ねたが

「そんな事はない!君もここにいる”ノイ”と同じ、大切な友達で”相棒(パートナー)”だ!」

「え…………」

ナユタの叫びを聞き、驚いてナユタを見つめた。

「”君”と冒険した日々は今でも覚えている!君と冒険した日々は短かったけど…………それでも僕にとって君はかけがえのない友達でもう一人の”相棒(パートナー)”だ!」

「「ナユタ……………」」

ナユタの言葉を聞いた2人のノイはそれぞれナユタを見つめていた。

「―――ありがとう。”私”の事をそんな風に思ってくれて………とても嬉しかったです。」

そしてもう一人のノイは一筋の涙を流し、優しい微笑みを浮かべて答えた。

「ノイ…………」

「だから貴方………いえ、”貴方達”にお願いします。”私”に勝って下さい………!」

「うん!」

「任せてなの!」

そしてもう一人のノイの言葉を聞いたナユタとノイはそれぞれ決意の表情で頷いた。それを見たもう一人のノイは両手を前に出して、詠唱をした!

「オ、オイオイオイ………!この展開はもしかして………」

「さ、さっき戦った人達みたいにノイちゃんも変身して巨大化するの………?」

その様子を見たケビンは表情を引き攣らせ、エステルは恐る恐るナユタ達に尋ねた。



「―――はい。」

「……まさか自分の”神像”と戦う日が来るとは思わなかったの…………」

尋ねられたナユタは頷き、ノイは複雑そうな表情でもう一人の自分を見つめていた。そして詠唱を終えたノイは変身し、さらに巨大化した!その姿とは………!

「め、”女神”…………!?」

「うふふ♪という事は本物の貴女もあの姿になれるのね♪」

ノイの真の姿―――女神のような姿を見たエステルは呆け、レンは興味深そうな様子でナユタの傍にいるノイを見つめた。

「―――構えろ。何かして来るぞ。」

一方レーヴェは詠唱を始めた敵に気付き、剣を構えて警告した。すると敵の傍に手が4本ある巨大な異形の人型らしき存在が召喚された!

「”星座球”の”神像”…………!」

「そ、そんな………!この状況でアレとも戦わなきゃいけないなんて………!」

召喚された相手―――かつての最終決戦で自分達が戦った敵にして”星の意志”―――”虚無なる星核”ステル・アラクランを見たナユタは真剣な表情で呟き、ノイは信じられない表情をした。

「例えどんな状況になっても絶対に諦めない!僕………いや、”僕達”は今までもそうだし、これからも変わらない………そうだろう?ノイ!」

「ナユタ…………うん!」

決意の表情のナユタの言葉に勇気づけられたノイはナユタを見つめた後力強く頷いた。

(シグナ………クレハ………僕達に力を貸して………!)

そしてナユタが心の中で強く思ったその時!

「わっ!?な、何………!?」

なんとエステルの神剣―――”絆の神剣”が強く輝きだし、剣の様子に気付いたエステルは棒を仕舞って、剣を鞘から抜いた。すると!



「よう、ナユタ!お前の思いに応えて、来てやったぜ!」

「フフ………ようやく一緒に戦える時が来たね。」

なんとナユタ達の傍に先ほど消滅したはずのシグナが髪型を変え、さらに甲冑を付けた状態で、そしてシグナと同じ雪のような美しい白い髪を腰までなびかせ、シグナのような甲冑を付け、髪の色と同じ色の帽子を被った紅の瞳を持つ少女が現れた!

「シ、シグナ!?それにクレハまで………!」

「シグナはセラム様の恰好をしているし、しかもクレハ様まで現れるなんて……そ、それもあの時の恰好で………!一体どうなっているの~!?」

シグナと少女―――シグナの妹であり、今は自分の家の同居人である少女――クレハを見たナユタは驚き、ノイは困惑した。

「先程ナユタは強く願ったじゃない。………”私達に力を貸して”って。」

「”想念”の力や俺達と馴染み深いこの領域の影響もあるがそれとは別にもう一つ………そいつが持っている”絆”を名として持つ”神剣”のお蔭で、お前達を助けに”想念”の”俺達”が来たって訳だ!」

驚いているナユタ達にクレハは微笑みながら説明し、シグナは口元に笑みを浮かべて言った。

「ハ、ハハ…………もう何でもありやな、この”影の国”は………それにエステルちゃんの”神剣”、反則すぎやろ…………」

一方説明を聞いたケビンは表情を引き攣らせて呟いた。

「ナユタ、ノイ………今度は一緒に私達の大切な友達を………”ノイ”を助けましょう………!」

「クレハ…………うん!」

「一緒に頑張るの、クレハ様!」

クレハに微笑まれたナユタとノイはそれぞれ力強く頷き

「皆さん!ノイは僕達が相手します!皆さんは”星座球”の”神像”の相手をお願いします!」

ケビン達に指示をした。

「了解したで!」

「行くわよ、みんな!」

「―――来て、パテル=マテル!!うふふ♪殲滅しがいがある大きな敵さんね♪」

「―――来い、ドラギオン!!行くぞ………!」

指示をされたケビン達はそれぞれ武器を構えて敵―――”虚無なる星核”ステル・アラクランに向かって行き

「ノイ………今、解放してあげるね!………行くよ!ノイ、シグナ、クレハ!!」

最深部に到着する前に一度拠点に戻り、ギオ達の助言通りにサティア(アストライア)の”星女神”の力によって真の力が解放され、姿形をも変えたクロノブレード―――”スターブレード”を構えたナユタはノイ達に号令をかけ

「うん!」

「ああ!」

「ええ!」

ノイ、シグナ、クレハと共に変身して巨大化したもう一人のノイ――――”楽園の紡ぎ手”ノイ・ステラディアに向かい、戦闘を開始した!



今ここに!”大切な友”の為の戦いが再び始まった………!








 
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